ニーズに合う物資を迅速に。続々と被災地支援を行った日本のメーカーたち

2011/04/11

社会人ライフ

ニーズに合う物資を迅速に。続々と被災地支援を行った日本のメーカーたち

東日本大震災により、東北地方を中心とした被災地ではいまだ人々が厳しい生活を強いられ続けています。地震発生直後、電気が止まった地域では、まず「夜になると真っ暗で心細い」、「新しい情報がまったく得られない」といった声が次々にあがりました。また、孤立した避難所では、食物不足で「一日におにぎり1個しか食べられない」という声や、厳しい寒さの続く中、暖房設備もない状況で「衣類が足りない」と訴える声も。



1カ月たった今、また新たな問題も浮上してきていますが、地震発生当時、こうした被災地の状況に配慮し、災害時における支援マニュアルがあるかのごとく、迅速な物資支援を行ったのが日本の各メーカーでした。その一部をご紹介します。



【電気のストップによる情報遮断と暗闇に対する不安を和らげる支援】

電気の供給が止まった地域で、まず被災者が困るのが、テレビやインターネットが見られなくなり、外からの情報が入ってこなくなること。そして夜になっても灯りがつけられず、真っ暗な中で過ごさなければならない不安です。



まだ被災地の声も報道されていない、地震発生翌日の12日にはパナソニックグループが、さらにその翌日13日にはソニーグループが、それぞれラジオ1万台・懐中電灯1万個・乾電池50万個と、ラジオ3万台の支援を発表しています。事前に災害時を想定したマニュアルがあったとしか思えないスピードでした。



【深刻な食料不足に対する支援】

暗闇や情報遮断の次に被災者たちを苦しめたのが、物流の停滞による食料不足の問題です。これに対しては、多くの食品メーカーが立ち上がりました。



日清は13日に、『カップヌードル』など100万食を無償提供することを発表。特に、水道・ガスが止まっている状況でも、カップ麺が作れる給湯機能付きのキッチンカーを同時に派遣するという、配慮ある対応を行っています。当たり前に思えるかもしれませんが、誰もが混乱していたあの状況で、冷静に行き届いた支援ができるというのは非常に難しいことです。



そのほかでは、以下の企業などが支援を発表しています。



■味の素(14日)

おかゆ5,000食とカップスープ10万食



■グリコグループ(16日)

菓子類約11万1,500個、レトルト食品4万7,460個、粉ミルク4,800缶



■森永乳業(17日)

ベビーフード・医療食などの食品1万8,000個、育児用粉ミルク8,000缶



■日本コカ・コーラシステム(13日)

ペットボトル入り飲料30万ケース(500ml換算で720万本相当)

災害対応自販機約150台による製品の無償提供



■サントリー(12日)

550mlの飲料水36万本。※その後も追加で100万本を支援。



■キリンビバレッジ(14日)

清涼飲料水20万本



【電気・ガスが途絶え、雪の降る極寒の中での防寒・衣類支援】

今回の地震で大きな被害を受けたのは、岩手、宮城、福島、茨城などの寒さの厳しい地域が中心。そんな状況を考慮し、ユニクロなどの衣料品ブランドを傘下に持つファーストリテイリングは、14日に、ヒートテック30万点を始めとした衣類など7億円相当を贈ることを決めています。

また、ニトリホールディングスは、16日に、布団・毛布4万点、敷物2万点、総額3億円相当を提供しています。



【衛生面が懸念される中での生活用品支援】

避難生活が長引く中、なかなか入浴もできない状況や衛生面に配慮し、資生堂は、水のいらないシャンプー1万個、ハンドソープ1万個、速乾性手指消毒剤(大、小)計2万個を支援。ライオングループも、歯磨、衣料用洗剤などの物資の提供を発表しています。

また、花王グループは、生理用品8万個、紙おむつ4万5,000枚、除菌ウェットシート・おしりふき36万8,000枚など、緊急時には特に入手しにくい女性や乳児向けの生活用品を現地のニーズに応じて提供するなど、細やかな対応を行っています。



【そのほかの支援】

そのほか、テントメーカーの太洋工業は、12日に、避難所や物資の保管場所として使えるよう、2,000人を収容できる大型店テントを用意すると発表。

シャープと新神戸電機は18日に、共同で「被災地向けソーラー発電システム」250セットを製作し、被災地に寄贈すると発表。

中外製薬は23日に、避難所などでインフルエンザ流行の兆しが見られることを受け、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」を無償提供するとしています。



その行動の素早さや規模の大きさはもちろんですが、どのメーカーも、自社の製品や強みを活かし、被災地のニーズに合わせた的確な対応を行っている点には改めて感心させられます。こうした社会に対する責任感の強さと貢献意識の高さこそ、日本企業の特徴であり最大の長所とも言えるでしょう。企業による支援の動きはますます広がりを見せ、今後の被災地復興の大きな支えとなっていきそうです。



文●本居佳菜子(エフスタイル)

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