3月11日の東日本大震災からちょうど1カ月。実際、あのときの経験から気付いたことはどんなことがあるのでしょうか。都内で働く社会人のみなさんに、仕事中に地震が来たときや長距離を歩いて帰宅するときなど、あの日の体験談と今後の備えについて聞いてみました。
■地震発生時
「外へ避難すると、他のビルの会社員もみんな外に出ていました。なかには避難用の水ペットボトルを抱える人や、部署ごとに旗を掲げきちんとまとまって避難している人たちも。非常時は、会社ごとに備えや対応も全く異なるようで、自社の災害対策を全く把握してなかったなあと思いました」(30代男性/SE)
(今後の備え)
・会社、ビルで常備している避難グッズや、防災マニュアルなどを改めてチェックしておく。
「揺れがきたときは、営業が終わり帰社するところでした。携帯電話がすぐつながらなくなったため、帰社すべきか自宅へ帰って良いのかが分からず、とにかくバスで会社へ。しかし、僕が到着するころ、社内はみんなが帰宅した後で誰もいませんでした……」(20代男性/出版社)
(今後の備え)
・営業職は特に外にいることが多いので、非常時の対応についてあらかじめ上司と話し合うなどして備えておくべき。
■帰宅時
「なるべく大通りを選び、長い行列に沿って歩きましたが、時間が経つにつれて女性たちの足取りがどんどん重くなる。みんなヒールだったため、歩くのが辛いんですよね。なんとか家につくころには夜中で、周辺は真っ暗。携帯もつながらないので、ものすごく心細かったです……」(20代女性/広告営業)
(今後の備え)
・靴ずれ防止用のジェル入りばんそうこうを常備したり、靴底クッションなどで足への負担を減らしたりする。
・非常時に限った話ではないが、やはり女性は常に防犯ブザーなどを持っているだけでも犯罪の恐怖からのストレス緩和になる。
「帰る方向が同じ会社の仲間と3人で帰宅。途中、家族に連絡しようと公衆電話を使用。改めて公衆電話を探すと、駅周辺や大通り沿い、公園の近くや公共施設に比較的多いことを発見。また、家の方向は大通りの標識で確認しながら帰宅しました。地理に弱い友人は、なるべく駅や線路に沿って歩いていたようです」(30代男性/人材派遣)
(今後の備え)
・日ごろから、公衆電話がどんな場所に多いかをチェックしておく。
・いざ公衆電話を使用するにも小銭がないことも。当日は地震の数時間後から無料開放されていたが、非常用にテレフォンカードを常備しておきたい。
「帰宅中、ふと休憩しようと飲食店をのぞいたらどこも満席。電車が動かないと分かり帰宅をあきらめた人たちは、早々に居場所を確保していたようでした。逆に、私はいつまでも駅の周りを右往左往していたので、あっという間に日が暮れてしまいました」(20代女性/メーカー)
(今後の備え)
・帰宅困難時は、無理して帰宅しようとせず、早めに寝床の確保にまわるのも手。
・歩いて帰るか、泊まるかなど、なるべく早めに決断して行動する。
既に働いている社会人ですら混乱した今回の地震。ただでさえ右も左も分からない入社したてのフレッシャーズにとっては、もっと大きな不安があるはず。先輩のみなさんも、改めて震災時の対応や今回の経験談を、職場のフレッシャーズのみなさんに教えてあげてくださいね。
(小野田弥恵/プレスラボ)
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