【社会人になる前に知っておきたいお金の話】第11回:「月1000円」から始める資産運用

2015/06/19

投資・ローン

第11回:「月1000円」から始める資産運用

■少ない初任給でも資産運用を始められる!

前回は資産運用をするとどんないいことがあるのか、またその注意点についてお話しました。今回は実際に資産運用を始める手順について解説します。


資産運用というと、「最低100万円くらいなければ始められないのではないか」そんなイメージを持っている人が多いです。

しかし、そんなことはありません。「投資信託」なら月1000円から積立をすることができますし、株式でも数万円から購入できる銘柄はたくさんあります。つまり、少ない初任給でも無理なく資産運用を始めることはできるのです。

■どんな種類の金融商品を選べばいい?

初心者におすすめの金融商品は、「インデックスファンド」と言われる投資信託です。投資信託は、不特定多数の投資家からファンドマネージャー(運用の専門家)が資金を預かり、株式や債券や金融派生商品などに投資を指示して、その運用成果を投資家に分配する商品のこと。いわば、金融のプロに手数料(信託報酬)を払い、代わりに運用してもらう商品のことです。


中でもインデックスファンドはパッシブファンドとも呼ばれ、TOPIX(*1)などの指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資信託のことです(*1 東証一部上場株式銘柄を対象に算出した株価指数。「東証株価指数」とも呼ばれる。日経225とともに、日本の株式市場の代表的な株価指標)。

これに対し、ファンドマネージャーが積極的に銘柄選択をしてTOPIXなどの指数以上の運用成績を目指すアクティブファンドと呼ばれる投資信託もあります。

■初心者におすすめの理由

初心者にインデックスファンドをおすすめするのは、「分かりやすい」「低コスト」という2つの理由があるからです。


国内で運用される投資信託は数千本もあり、その中からどのファンドマネージャーが運用する商品がいいのか選ぶことは至難の業です。それに対して、TOPIXなどの指数は新聞の一面やネットニュースですぐに知ることができ、初心者でも値動きなどが大変分かりやすいものです。

また、インデックスファンドは低コストの商品が多く揃っています。投資信託には、一般的に3つのコストがかかります。

・購入時(申込手数料)
・保有中(信託報酬)
・換金時(信託財産留保額)

中には購入時、換金時の手数料が無料のファンドもありますが、株式を売買する際にも購入時と換金時に手数料がかかりますね。これが投資信託の場合、保有中も日々コスト(信託報酬)がかかるのです。

信託報酬はたとえ運用するお金が減った場合でも、投資信託で運用する以上は必ずかかります。そのため、信託報酬という投資信託にかかるコストもしっかり確認してから商品を選ぶことが大切です。

■具体的なおすすめ投資信託は?

具体的にインデックスファンドでおすすめする商品は、三菱UFJ投信が運用する「eMAXIS(イーマクシス)シリーズ」や、住友アセットマネジメントが運用する「STAMインデックスシリーズ」です。
(例)「eMAXIS TOPIXインデックス」あるいは「STAM TOPIXインデックス・オープン」に月1000円


最初は日本株から積み立てを始めればOKですが、慣れてきたら日本株と外国株など値動きの違う商品を組み合わせるとさらに分散効果は高くなります。
(例)「eMAXIS 全世界株式インデックス(※2)」にも月1000円
(※2日本を除く先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資信託)

これらの商品を購入するには、ネット証券に口座を開設して積み立ての申し込みをします。ネット証券はあなたのメインバンクからの資金移動のしやすさで選びましょう。例えば、マネックス証券やカブドットコム証券は主要銀行からの引き落としに対応しています。楽天証券とSBI証券の場合は、同系列の銀行やクレジットカードを持っている人は便利です。

TOPIXなどの投資信託を持つことにより、新聞のマーケット欄にも自然と目がいくようになります。資産運用をしながら幅広い経済知識を身に付け、"できる"ビジネスパーソンを目指しましょう。

(2012.03.09)

■ ファイナンシャル・プランナー 花輪陽子(はなわ ようこ)
CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2011年度相談員。元外資系の投資銀行勤務。現在は雑誌・新聞・テレビ・ラジオ出演や全国講演などを精力的に行っている。『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で年収600万円をめざす!二人で時代を生き抜くお金管理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。日経マネー、日経ウーマンオンライン、CREA webなどで連載。
■Twitter:@yokohanawa ■公式サイト:http://yokohanawa.com/


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