【ビジネスの筋トレ】STEP5:根掘り葉掘り聞く練習

更新:2015/06/25

スキルアップ

名刺交換のやり方とか、日々の仕事のこなし方など、職場で必要となる知識や技術は入社後に教わればよいことです。今は、どんな場面でも役立つ基礎的な力を付ける時期。体育会でいえば"筋トレ"の段階。ヒット商品を創った人、できる営業マン、すご腕経営者に、入社前だからできるトレーニングを聞きました。

STEP5:「根掘り葉掘り聞く練習」

日本国内トップクラスの売り上げを誇る保険の営業さんに聞いた話です。彼は社内でも有名人。
後輩が「どんなトークで売るんですか?」と、営業に同行したがることも多いそうです。
すると、たいてい驚かれると言います。



「みんな『先輩は質問しかしないんですね!』と言うんです」
実際にはどんな営業なのでしょう?

「お客さまにお会いすると、まず『あなたが抱えているリスクと、既になさっている備えをお教え下さい』と話し、
相手の反応を待ちます。するとお客さまは『長期入院かな』とか
『半身不随になったら面倒を見てくれる人がいない』などと答えて下さいます。
私は『ならこんな保険があります。月々いくらでカバーできますよ』とお話しします。

相手の話を聞かなければ商品をお勧めできませんからね」

■任された仕事はたいてい「分からないことだらけ」

営業でも何でも、仕事というと自分が働きかけるシーンを想像するかもしれません。
しかし、仕事ができる人は「話を聞く」ことから始めます。

新人でも同じです。例えば、部長に「コピーとっておいて」と紙を何枚か渡され、
すぐコピー機に向かって走り出したら......、何か間違っている気がしませんか?

コピーを何部とるのでしょう? カラーコピーの方がいい? それともモノクロで内容が分かればいいもの?
取引先に渡すなら封筒に入れておく? 社内向けなら配っておいた方がいい?
ホッチキスどめはした方がいい? とか、実は分からないことだらけなのです。
あなたの武器は、明確に「可愛がられること」なのです。

■根掘り葉掘り聞く「質問力」を磨け!

皆さんが何かを任されたら、まず、次のことを意識してください。
「この仕事はどんな仕事の一部なのか?」
取引先に出す提案書なら、カラーコピーの方がいいかもしれません。社内向けの資料であれば、
両面コピーで経費削減を意識した方がよいかもしれません。次に、考えてください。

「仕事の依頼主が描いている青写真と、自分の青写真、違う部分はないか?」
例えば「コーヒー買ってきてくれ」だって、ホットなのかアイスなのか、缶コーヒーなのか、スタバなのか、
思い描いていることはバラバラの可能性があります。
次に、考えてください。

「よりよい成果を出すためにできることはないか」
「弁当買ってきてくれ」なら「お茶も買ってきますか?」です。頼まれる前に、予想して動け、ということですね。
そして最後にもうひとつ、一番重要なのがこれです。

「指示を何となく受けない。納得できるまで聞き、分かるまで食い下がる」

先輩たちは仕事の内容を分かっています。
だから「入社したばかりとはいえ、これくらい分かるだろう」と思い、
あなたに細かい指示がないまま仕事を振ります。先の「コピーとっといて」がまさにそれです。
でも、あなたは分からない。お得意さまに出すためにカラーコピーをとるのか、
社内回覧用にモノクロでコピーをとるのか......。
この時「キミには尋ねる権利があります」。

むしろ「尋ねないと"結果が出せない人"とみなされてしまいます」

先輩が忙しくても、食い下がって大丈夫です。
むしろ、お得意様に何か頼まれた場合であっても「いつまでですか?」
「ご予算は?」と、どんな依頼なのかしつこく聞きましょう。

実を言うと、社会人の間では「何となく分かったフリをしない」ことが当たり前。
しつこく聞けば、むしろ「アイツの仕事は的確だ」となるはずです。

アルバイトでも、サークルの飲み会の仕切りでも、気をつければできることです。
コツは「聞く権利は自分にある!」と念じ、気まずくなりそうでも、しっかり聞くことですよ。

そこで、今回の筋トレ!

「仕事の依頼は、徹底的に聞くこと。絶対に分かったフリをしない!」

プロフィール
夏目幸明(なつめ・ゆきあき) 1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店『アサツーディ・ケイ』に入社し、その後、雑誌記者へ。現在、小学館『DIME』にヒット商開発秘話「UN・DON・COM.」を、講談社『週刊現代』の「社長の風景」を連載中。『資格の学校TAC』の『マスコミ・就活対策』の講師もつとめる。Wセミナー講師陣 twitterアカウント@natsumedayo facebookアカウント「夏目幸明」


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