【学生のうちに身に付けておくべき、新社会人5つの力】第2回:楽しむ力

更新:2015/06/25

入社準備

尊敬できる人を『真似する』ことで、仕事はさらに楽しくなる

最後に、もう一つ、『仕事を楽しむ力』を身に付けるために大変有効な手段をご紹介しておきましょう。それは、職場に有能で尊敬できる人を見つけ、その人の話し方や行動パターンを真似るというものです。目標となる人がいれば、仕事を覚えるスピードが速くなりますし、仕事を通して少しずつその人に近付いていく実感があるため、その過程が楽しく充実したものになります。判断に迷ったとき、人間関係がうまくいかないとき、「あの人だったらこうするはず」と想像してみましょう。自分一人で抱え込んでしまうより、ずっと前向きに対処できるはずです。


★ここがPOINT!
前段では、入社後に仕事を楽しむためのコツをご紹介しましたが、それを現在の皆さんの生活の中で身に付けるにはどうしたらいいのでしょうか? 三つの具体的なトレーニング法をご紹介します。

■トレーニング1.「ゲーム化」
【具体例】 アルバイトを利用してみよう

例えば、居酒屋やカフェなどの接客業のアルバイト。お客さまがお帰りになる際に「ありがとうございました」と声をかけて、笑顔を返してもらう。最初は一日に30人を目標にし、それがクリアできたら50人に。

【ポイント】ゲームには簡単にはクリアできない目標が設定されています。何度もトライした末に目標を達成するのもゲームの楽しさ。どんなことにも適度な目標を設定ずればゲーム化は可能です。自分が日ごろあまり好きではない、または興味のない(アルバイトでの)仕事を対象に選ぶと、社会人準備にはより効果があります。

■トレーニング2.「真似をする」
【具体例】 身近なモデルを探そう

ゼミの先生、サークルのOB、家族など、周囲にいる尊敬できる社会人を観察し、その人の行動・発言を真似してみる。

【ポイント】観察するポイントは、その人の発言と行動。さらにその人の価値観や思考経路も想像してみましょう。そして、それをノートなどに簡単に書き留め、実際に真似してみます。その人の行動を真似るという行為によって、いつもの自分の思考パターンだけでなく、新たな視野が広がります。完璧な人はいないので、2~3名の複数の人を対象にしてみると良いでしょう。

■トレーニング3.「記録する」
【具体例】 記録するクセを身に付けよう

一冊のノートを用意し、左ページを「経験」欄、右ページを「モデル」欄に分ける。
トレーニング1の結果は「経験」欄に記録。『ゲーム』の内容と結果だけでなく、それをやってみてよかったこと、失敗したこと、「これをやってはダメだ」ということも書いておく。
トレーニング2の結果は、「モデル」欄に記録。モデルとなる人物の行動や真似したい言い回しなどをメモするほか、その人の価値観や思考経路も想像して書き足してみよう。

【ポイント】前述したトレーニング1とトレーニング2の実践に、このトレーニング3を加えると効果が上がります。毎日記録する必要は決してありませんが、継続することは大切です。今から始めて、入社直前に読み返してみると、自分の成長に気付くほか、入社に向けた新たな決意が生まれるはずです。


モチベーションという言葉がしきりに使われますが、本来それは外部から与えられるものではなく、自分の中から生まれるものです。充実した仕事人生を送っている人は、必ずこの章にある「楽しむ力」と高い志を持ち合わせています。課題や試練は誰もの日常に降りかかってきますが、それを「楽しむ力」を使いながら解決し、志すテーマに取り組む、そんな風に仕事人生を送っていきたいものです。(監修/西 達矢)


【西 達矢プロフィール】学生のための社会人準備応援サイト『マイコミフレッシャーズ』を始めとする社会人向け情報サイトを運営する毎日コミュニケーションズの社会人情報事業部事業部長。横浜国立大学卒。93年に毎日コミュニケーションズ入社。大阪支社、就職情報事業部にて、10年間、多数の企業を訪ねて採用のコンサルタントを行う。その後、03年からは東京本社 社会人情報事業部にて、『マイコミフレッシャーズ』、20代ビジネスパーソン向け『COBS(コブス)』、働く女性向け『escala(エスカーラ)』などのメディアに立ち上げから携わる。若手社会人を対象としたセミナーの講師としても活躍。

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