内定先への定期連絡のメールの書き方が分かりません

2015/06/16

電話・メール

内定先企業へのメールの書き方について教えてください。
内定式がない企業なのですが、メールにて近況報告を送るように言われました。しかし、どのような文章で書けば良いのか分かりません。なお、この報告のメールは企業のどの方に見られるのかは分かりません。

(金属・鉄鋼・化学内定/HIDEさん/男性)


★楢木さんからのアドバイス
「メールでの近況報告をどのような文章で書けば良いのか」にお答えすることには、ためらいを感じます。ためらうわけを、少しかいつまんでお話しします。
ビジネスの初心者かベテランかを問わず、どのレベルの社員にも持つことが期待されている能力があります。それは行動を設計する力です。
たとえば上司から「この書類をお客さまに届けに行って欲しい」と指示されたとしましょう。新人でもやれるとてもカンタンな仕事です。しかしカンタンではあっても、行動を設計する力は必要です。
(1)情報収集設計……書類は「いつまでに」「どなたに」届けるのか、その人に直接渡す必要はあるか。先方からの受け取りは必要か、といったことを考え上司に確認。
(2)処理設計……交通手段は「経済性で決めるか」「迅速性で決めるか」「両方の折衷で決めるか」、「外に出たついでの仕事はないか」、といったことを思い巡らしやり方を決める。
(3)始末設計……「出かける前に相手に連絡しよう」「書類を渡した後、上司に報告電話をしよう」、といったように仕事全体を眺めて始末の良い結果になるような心覚えをする。
このようにわざわざ分解して書き出すと難しいことをやっているようですが、どのような仕事を前にしても、行動を設計することは必要です。なぜなら組織でする仕事は、それぞれの人がキャリアやポジションに応じて、上に分解したような行動設計ができることを前提にしているからです。
言い換えれば社員のビジネス価値を決めるものの一つは、行動を設計する力なのです。もう一つは設計した行動を上手にやり抜く力です。式で表せば、
【社員の価値】=【行動を設計する力】×【設計した行動を上手にやり抜く力】


ということになります。
かけ算になっているということは、二つの値が大きくなればなるほど【社員の価値】が大きくなるということですが、逆に一方がゼロに近くなれば【社員の価値】は驚くほど小さな値になってしまうということです。
もし今、「メールにて近況報告を送る」という行動の設計をせずに済ませてしまうと、経験したことがない課題に触れるたびに(仕事の世界はそれが日常です)、行動の設計ができなくなるのではないかと心配です。そうなるとあなたは社員としての人材価値が低いままでずっと過ごしてしまうような気がするのです。
そんなわけで、まず自分でやり方、書き方を考え、実行してみることをお勧めします。設計や実行が下手であれば、次には上手になることができます。しかし設計がゼロだと、明日の進歩はないのです。



■回答:楢木 望(ならき のぞむ)

1948年東京生まれ、千葉大学教育学部卒業。1971年リクルート入社。「月刊就職ジャーナル」編集長など歴任。1985年にライフマネジメント研究所設立。採用・教育・就職コンサルタント。ニューズレター「採用と人材の手帖」発行人。「内定者のための学習メールマガジン」開発。メールマガジン「キャリア・キッチン」発行。http://www.lmi-tokyo.com


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