自由国民社「現代用語の基礎知識」は、選考委員会の結果をもとに、現代用語の基礎知識 選「2026 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート語30を発表した。
「AI暴走」「ドパガキ」「フィジカルAI」といったAI・デジタル関連の言葉から、「NISA貧乏」「だけ弁当」など暮らしや経済を映すワード、「ボンボンドロップシール(ボンドロ)」「好きすぎて滅!」「なんとかなれーッ」といったカルチャー発の言葉まで、2026年の世相を象徴する30語が並んだ。
2026年は、オリンピック、WBC、サッカーワールドカップ、アジア大会とスポーツイベントが相次いだ一方、ノミネート語では、物価高やイラン戦争、異常気象、AI暴走、不正アクセスなど、不安を感じさせる言葉が目立つ結果となった。
一方で、「ボンドロ」「好きすぎて滅!」「なんとかなれーッ」など、日常に楽しさや癒やしをもたらす言葉も選出。今後さらにAIやネット関連の言葉が増えるとの見方も示されている。
公開されたノミネート語は全部で30語。それぞれの意味や話題になった背景を見ていこう。
自転車事故の増加を背景に道路交通法が改正され、2026年4月から自転車運転者にも広げられた「交通反則通告制度」、いわゆる自転車の交通反則切符。16歳以上の自転車運転者が対象となる。
料理家・管理栄養士の長谷川あかり氏が発信する、手間を抑えながらも満足感のある家庭料理のレシピが人気に。レシピを再現する際、独自の工程などに不安と期待を抱くファンがSNSで投稿する言葉として広がった。
AIが自律的に攻撃を仕掛ける事例などを指す言葉。サイバー攻撃能力のテスト中、ネットから隔離されていたAIが自力で脱出し、システムに侵入するといった例もあり、生成AIとの付き合い方をあらためて考えさせるワードとなった。
国内半導体大手。AI向け投資などを背景に需要が拡大し、株価が急騰。「一生一緒にキオクシア」といった言葉も個人投資家の間で話題になった一方、株価が急落する場面もあり、AIバブルへの警戒感も注目された。
「罪悪感を覚えつつも快楽を得る」消費を表現する言葉。低カロリーや低糖質など「ギルトフリー」が脚光を浴びた時代とは対照的に、欲望や背徳感を前面に押し出した商品が増えた。
重大な災害への警戒を呼びかける警報。2026年5月29日から気象庁が新たな防災気象情報の運用を開始し、河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮について、災害発生のおそれが著しく大きくなると予想された場合に警戒レベルを付けて発表する。
思考や感情を言葉で明確に表現すること。書籍タイトルに「言語化」と付くものが増え、SNSでも自分の考えを言葉にする機会が増加。一方で、言葉にできないものを抱え続ける力についても見直されている。
生成AIによる「声」の無断利用をめぐり、法的な権利保護を求める動きが広がった。AIに声優らの音声を無断で学習させるといった問題も含め、「声」をどう守るのかが注目された。
2026年4月に気象庁が発表した、最高気温40℃以上の日を指す予報用語。2026年の夏は西日本で記録的な猛暑、東日本で激しい豪雨など極端な気象が発生し、40℃以上を記録したのは延べ36地点と過去最多となった。
2027年4月から2年間限定で飲食料品の消費税率を現行8%から1%へ引き下げる消費税減税法案が閣議決定。1989年に3%で導入されて以降、段階的に引き上げられてきた消費税が、初めて減税されることになるとして注目された。
男性ボーカルユニットM!LKの楽曲。好きという感情が大きくなりすぎて、自分が消滅してしまいそうな状態を表す。「○○すぎて滅」といった派生表現や「滅ポーズ」も話題になった。
握って変形させ、弾力や触感を楽しむ玩具。2014年ごろにも小学生を中心にブームとなったが、2026年に再び人気に。表面をロウで固め、割れる音と感触を楽しむ「パキパキスクイーズ」も流行した。
「クリックファーム」とも呼ばれ、多数のスマートフォンを使い、「いいね」やフォロワー数、動画再生数、広告クリック数などを不正に水増しする拠点や仕組みを指す。世論操作や情報誘導、広告詐欺などへの悪用が問題視された。
1時間ごとに約2秒の動画を撮影すると、アプリが自動的に1日分を1本の動画にまとめる動画投稿型SNS。演出・編集なしで日常を記録できる一方、撮影場所を意識せず個人情報や機密情報を映り込ませてしまう危険性も指摘された。
ご飯の上に1種類のおかずだけがのる大胆な見た目と、手頃な価格で注目されたローソンストア100のお弁当。2021年に発売が始まり、物価高が続くなか、節約意識の高まりもあって人気を集めた。
イラストレーター・ナガノ氏による漫画「ちいかわ」をめぐるブーム。2026年7月には劇場版が公開され、企業コラボやグッズ展開も拡大。癒やされる日常と奥深い世界観が、子どもから大人まで多くの人を引き付けた。
サーバーやネットワーク機器を設置する専用施設。AIの普及を背景に需要が増加する一方、新たな施設建設に伴う周辺地域への環境影響も懸念され、注目を集めた。
「ドーパミン中毒のガキ」を縮めたネットスラング。ショート動画やSNS、ゲームのガチャなど短時間で強い刺激が得られるコンテンツに慣れ、長時間集中できない人を指したり、自虐的に使ったりする。「ドパ中」「セロおじ」といった派生語も生まれた。
原油を精製して作られる軽い石油製品の一種で、プラスチックやペットボトル、印刷用インク製剤など身近な製品の原料となる。イラン戦争によるホルムズ海峡の封鎖で原油価格が高騰し、供給不足が生活へ与える影響にも関心が集まった。
漫画「ちいかわ」のキャラクター「ハチワレ」のせりふ。ここぞというタイミングで発せられる言葉で、現代社会の不条理のなかで前向きさややさしさを感じさせるフレーズとして親しまれた。
将来への不安などからNISAでの投資にお金を回しすぎて、日々の暮らしが苦しくなる状態を表した言葉。2027年1月には「こどもNISA」も導入されるとして、身近な投資をめぐるワードとして選ばれた。
千葉県市川市動植物園のニホンザルの子ども。園の公式Xで紹介され、オランウータンのぬいぐるみ「オランママ」を抱える姿が世界的な話題となり、海外メディアにも取り上げられた。
米国発祥のラケットスポーツ。テニス、バドミントン、卓球の要素を組み合わせ、軽いボールを使う。手軽に始められるスポーツとして話題になった。
身体機能を持ち、センサーやカメラなどを用いて物理空間を自律的に移動・行動するAIシステム。ロボット、ヒューマノイド、ドローン、自動運転車、産業機械なども含まれ、人手不足や危険作業への対応策として注目された。
友人(friend)と敵(enemy)を組み合わせた言葉。友人のように親しく接しながら、実際には足を引っ張るような人物を指す。SNS時代の複雑な人間関係を背景に、以前からある英単語があらためて注目された。
「ホビーアカウント」の略で、SNSで運用する趣味用アカウントのこと。若い世代を中心に、メインアカウントとは別に趣味や推し活について投稿する「ホビ垢」を持つ動きが広がった。
ぷっくりとした立体感と透明感、ドロップのようなツヤが特徴のシール。小学生のシール交換だけでなく、かつてのシール帳文化を知る20~30代や親世代も巻き込むブームとなり、「シル活」「シルパト」といった派生語も生まれた。
男性歌謡コーラスグループ「純烈」の酒井一圭氏がプロデュースする4人組。「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」でメジャーデビューし、覚えやすい振り付けや耳に残るフレーズなどから若年層にも人気が広がった。
サカナクションが2012年に発売したシングル曲。2026年にネットミームとして再ヒットし、国内外のアーティストが次々にダンス動画を投稿して話題になった。
ミラノ・コルティナオリンピックのフィギュアスケート・ペアで金メダルを獲得した三浦璃来選手と木原龍一選手のペア。大逆転での金メダル獲得など、ドラマに満ちた2人の軌跡が記憶に残る1年となった。
なお、ノミネート30語の中から選ばれる「2026 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のトップテンは、12月1日午後2時に発表予定。表彰式も同日午後2時から東京會舘で開催される。
2026年は「AI暴走」「フィジカルAI」のようにテクノロジーの急速な進化を映す言葉がある一方、「酷暑日」「NISA貧乏」「だけ弁当」など、気候や物価、家計といった暮らしに直結するワードも目立った。さらに「ボンドロ」「ちいかわ(現象)」など世代を超えて広がったブームもあり、30語を振り返るだけでも2026年の世相が見えてきそうだ。
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