こんにちは!リリースピッカーの杏奈です。社会人になって責任が増し、プレッシャーを感じる人も多いのではないでしょうか。今日はそんな仕事のプレッシャーに関するお話です!
仕事しているとプレッシャーを感じることも多い。適度なプレッシャーを自己成長のモチベーションに変える人もいますが、過度なプレッシャーはストレスの原因になる。
プレッシャーをいいエネルギーに変えていくためには、「プレッシャーとの付き合い方」を身につける必要がある。
そこで今回、株式会社エミリスは、お仕事をしている男女500人に「仕事のプレッシャーを乗り越える方法」についてアンケート調査を実施。その結果をランキング形式でまとめた。
調査結果に対して株式会社ダイレクトコミュニケーション代表取締役の川島達史氏の考察もご紹介。
【調査概要】
調査対象:仕事をしている方
調査期間:2024年10月17日~22日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性327人/男性173人)
回答者の年代:10代 0.2%/20代 20.0%/30代 34.8%/40代 28.6%/50代以上 16.4%
【調査結果サマリー】
・仕事のプレッシャーを感じるのは「責任が大きいとき」
・仕事のプレッシャーで体調やメンタルに影響が出る人は80.0%
・仕事のプレッシャーを乗り越える方法1位は「気分転換する」
お仕事をしている500人に、仕事のプレッシャーを感じるのはどんなときか聞いたところ、圧倒的1位は「責任が大きいとき(36.0%)」だった。2位「納期が厳しいとき(17.4%)」も多くの票を集めている。
実際にミスをしたり仕事がうまくいかなかったりしてプレッシャーを感じている人は少数派。失敗したわけではなくても、「失敗しそう」「失敗してはいけない」というプレッシャーが大きいとわかる。起こるかもしれないことへの緊張感や恐怖心につながっているという。
・大きなプロジェクトの責任者を任されたとき(20代 男性)
・新人さんがやった仕事の最終チェックをお願いされたとき。私がミスを見逃すと事故になってしまうから(30代 女性)
・プロジェクトリーダーや重要な任務を任されたときや、多額の予算を扱うときです。またミスが許されない、人命に関わる仕事をしているときです(40代 女性)
具体的には「大きなプロジェクトに抜擢された」「リーダーになった」「ミスが許されない仕事」「一人で仕事を進める」などが挙げられています。
「自分が頑張らないと」「失敗できない」という責任感から、プレッシャーを感じてしまうという。責任感が強い人ほど、プレッシャーを感じる頻度が増え、プレッシャーの強さも大きくなりそう。
送金や請求書作成などお金を扱う作業のときに、ミスできないとプレッシャーを感じる人が多いこともわかった。
・音声・映像編集の仕事をしています。複数の案件を掛け持ちしているなか、短納期のイレギュラーな仕事が入ってしまったときはプレッシャーを感じます(30代 男性)
・答えがない課題に対して、締め切りが迫っているとき(40代 男性)
・納期1週間で、100ページを越えるWebサイトのリニューアルを任されたとき(50代以上 女性)
時間の余裕がないときに、プレッシャーを感じる人も多くなっている。依頼された以上は納期通りに仕上げなくてはいけないという責任感が、プレッシャーにつながるのではないだろうか。
一方で「そもそも無理のある納期を提示され、理不尽さにイライラすることからプレッシャーが増幅する」という声もあった。「急な送金を確実に手配しなくてはいけない」「納期が短いのに量が多い」など、時間的制約に「ミスできない」「量が多い」といった条件が重なってプレッシャーを感じている人もいるという。
・今まで経験したことのない、新しいジャンルの仕事を任されたとき(20代 女性)
・新しい患者さんの担当になったとき(40代 女性)
・前例のないプロジェクトを任されたとき(40代 男性)
初めての仕事や発生頻度の低い仕事に取りかかるときには、仕事の手順やコツを把握できずにプレッシャーを感じる人も多い。
働いていると新しい仕事を任されることもあり、経験のない部署に異動したり手伝ったりもする。ある業務の担当者が休んで、代わりをお願いされることもあるという。
上記のような場合に、初めてだから失敗しそうという緊張感や恐怖心から、不安になってしまう人も多いと考えられる。
・想像していたよりも仕事の量が多い日(30代 女性)
・業務がいくつも重なっていて、同時進行で対応するとき(40代 女性)
・少ない人数で業務を回せるよう、負荷をたくさんかけられているとき(40代 男性)
仕事量が多いと時間的な余裕がなくなり、「早く仕事を終わらせなくてはいけない」というプレッシャーが生まれる。納期ありの仕事が多い状況なら、納期までに納品できないかもという緊張感も生まれるだろう。たとえ納期が厳しくなくても、目の前にたくさんの仕事が残っている状態はストレスになる人もいる。
なお仕事量が多くなる原因として「人が少ない」と挙げた人もいた。
・会議で前に立って話すとき(20代 女性)
・役員などが出席する各種専門委員会での発言を任されたとき(30代 女性)
・多くの人の前でプレゼンを行うとき(40代 男性)
人前で発言することにプレッシャーを感じる人も多くなった。とくに、多くの人の前で話したり、役員など目上の人に向かって話したりする場合に緊張する人が多くなっている。社外の人に向けて話すときに「会社の名前を背負って話すので緊張する」という声もあった。
「いくら事前に準備しても足りないと感じる」という声もあり、人前で話すことに関してはなかなかプレッシャーをはねのけられない人もいるとわかる。
・BtoCの仕事で、難しいお客様を担当するとき(30代 女性)
・自分の能力より高度な仕事を任されたとき(40代 男性)
・前任者が失敗した仕事を任されたとき(50代以上 男性)
経験があっても、対応の難しい仕事はある。例えばクレームになりやすい状況での顧客対応や、一度失敗しているプロジェクトなど。
上記のような場合には「自分の手に負えないかも」あるいは「ちょっとミスしたらプロジェクト全体が失敗する」といったプレッシャーが発生する。自分にとってチャレンジングな、ややハードル感じる仕事のときにプレッシャーを感じる人が多くなった。
・周りよりも仕事が遅いと思ったとき(20代 女性)
・ミスをして白い目で見られるとき(30代 女性)
・自分の企画が通ったのに、企画のために要領よくスタッフを動かせなかったとき(40代 女性)
例えば「ミスしてしまった」「作業が滞ってしまった」「仕事に対する評判がよくない」など。「上司からミスを指摘されたとき」「ミスして他人からの評価が気になるとき」というコメントもあり、仕事の進捗そのものよりも、周囲からの視線を気にしている人もいるとわかった。
仕事のプレッシャーで体調やメンタルに影響が出たことがあるかという問いには、「よくある」「たまにある」と回答した人が合わせて80.0%にのぼった。
プレッシャーが強すぎると睡眠に影響が出て、睡眠不足から集中力低下につながることも考えられる。集中力が低下すると、仕事の効率は悪くなる。するとミスが増え、叱られたり自信をなくしたりして、ますますプレッシャーを感じることにもなりかねない。
仕事のパフォーマンスを保つためには、プレッシャーが心身に悪影響を及ぼさないようケアする必要があるとわかる。
仕事のプレッシャーを乗り越える方法の圧倒的1位は「気分転換する(30.2%)」で、3割以上の人から票を集めた。プレッシャーを発散させて逃がしている人が多くなっている。
一方、「周りに頼る」「ポジティブに考える」「準備を怠らない」などは、感じるプレッシャーを減らす方法。
・休めるときに休むこと。昼休みは少しでも会社から出て、外の空気を吸うこと(30代 女性)
・おいしいものを食べて寝るようにしている(40代 女性)
・ランニングをして気分転換する(50代以上 男性)
プレッシャーが強くて余裕がなくなってくると、周囲の期待や叱責に過剰反応してしまうことがある。そのため仕事中や休日に気分転換をはかり、リフレッシュしている人も多くなった。
「一旦プレッシャーを忘れてから、翌日にもう一度再検討し乗り越える」というコメントもあることから、気分転換することで、プレッシャーに立ち向かう気力が湧きやすくなると考えられる。
・自分だけで完成させようとせず、先輩方に相談し、確認してもらいながら進めています(20代 女性)
・プレッシャーを感じたときは、上司や同僚に相談してサポートをお願いしてみる。アドバイスや助けを求めることで、問題解決の糸口が見つかることも多く、不安が和らぐ(30代 男性)
・信頼できる同僚や上司に相談する(40代 男性)
業務上の具体的なサポートをお願いする人もいれば、愚痴を聞いてもらうなどの精神的サポートを受けている人もいた。
仕事を代わってもらうことはできなくても、「プレッシャーを感じていて辛い」「仕事がうまくいかない」という状況を周囲と共有することで、緊張感は和らぐ。周囲からのサポートを得られる職場でできる対処法。
・仕事に専念する。余計なことを考えないで、自分にできることを集中してやると、プレッシャーを感じなくなります(20代 男性)
・とにかく集中して、時間も周りもなるべく考えずに作業します(30代 女性)
・落ち着いて、いつも以上に効率よく作業するよう心がける。「間に合わなかったらどうしよう」と考えない(50代以上 男性)
「余計なことを考えない」「仕事・作業だけに集中する」という人も多数。周囲の目がプレッシャーになる人もいたことから、「排除する余計な考え」には「周囲からどう見られるか」「同僚との成績差がどうか」などが含まれると考えられる。
プレッシャーがあってもなくても仕事量や納期は変わらないため、ひとつひとつこなしていくことでゴールに近づく。「トラブル対応」や「納期が短い仕事」「初めての仕事」でプレッシャーを感じている人からの回答が多く、とにかくやるしかないときの対応法と言えそうという。
・プレッシャーを乗り越えたあと、自分への評価が上がることは間違いないので、評価アップを目指して頑張っていました(20代 女性)
・成長できるチャンスだと捉えて、前向きに取り組む(30代 女性)
・「もし失敗しても受け入れて、次に活かせばいい」と思うようにしています(40代 男性)
成功した姿をイメージしたり、失敗しても諦めないマインドをもつことで乗り越えている人も多いとわかる。責任ある仕事やノルマがある仕事、期待されて任された仕事などに取り組むときにプレッシャーを感じやすい人からの回答が多くなっている。
つまり「完了することで達成感や評価を得られる仕事」に対して有効な方法だと言えるという。
・最低最悪のケースを考えてから仕事をする(30代 女性)
・人前で話すのが苦手なので、ミスがないように前から準備をし、リハーサルもする。念入りに準備したときのプレゼンは、プレッシャーはあるものの心地よい緊張感になっていくのがわかり、努力は裏切らないと感じる(40代 女性)
・プレッシャーなどどうでもよくなるくらい、計画とイメージ作りを徹底的に繰り返して作戦を練り上げる。「これで駄目ならもういい」と開き直る(50代以上 男性)
自信がなくてプレッシャーを感じることに対しては、入念な準備が有効。具体的には「プレゼンや営業トークの練習」「失敗した場合のリカバリー法や別プランを用意しておく」などがある。実際に入念な準備を心がけたことで、プレッシャーをほどよい緊張感に変えたという体験談もあった。
またしっかりと準備したり誠意を尽くして仕事したりすることで、「これだけやって失敗したり批判されたりしたら、もう仕方ない」という気持ちになりやすいと考えられる。
・「あくまでお困りごとのサポート」というかたちで軽く営業をして、「契約を取れたらラッキー」くらいな気持ちで気楽にやっていた(20代 女性)
・あまり深く考えず、「やるしかない!どうにかなる!」と自分で思い込み、対応に挑みます(30代 女性)
プレッシャーを強く感じる人の中には、細部にこだわりすぎたり、過去の失敗をいつまでも考えたりしてしまう人もいる。このような場合、「失敗は誰にでもある」「全戦全勝は無理」という気持ちを心のどこかにもって割り切ることで、プレッシャーを感じにくくなるという。
考えすぎないための工夫としては、「紙に気持ちや問題点を書き出して整理して、整理できたら考えないようにする」「ずっと続くわけではないと考える」などが挙げられている。「考えてもどうにもならないから考えない」というコメントもあり、達成が難しいノルマを課せられた場合などにも使えそう。
・終わったあとの楽しみをつくります。私はスノーボードが好きなので仕事終わりの休日にはスノーボードに行くように予定しておきます。楽しみをつくるだけでもかなり違います(20代 男性)
・スイーツなど自分へのご褒美や、楽しいことを考えて乗り越える(30代 女性)
・ノルマを達成できたときのご褒美を考える(40代 男性)
自分へのご褒美をプレッシャーの大きな仕事を乗り越えるためのモチベーションにしている人も多くなった。旅行やおいしい食事をご褒美にする場合、気分転換にもなる。
「この仕事、完了できるかな」「自分には荷が重いかも」と感じたときにプレッシャーを感じる人が多くなっている。慣れていない仕事に取り組む際もプレッシャーを感じやすいため、就職・転職直後にプレッシャーを感じる人も多いと推測できる。
プレッシャーが強すぎると心身に影響してしまうため、気分転換したり周りに頼ったりして乗り越えてほしい。「プレッシャーを感じたときに、周囲に頼ってもフォローしてもらえない」「気分転換ができないくらい仕事量が多い」などの場合は、転職も視野に入れてみてはいかがだろうか。
プレッシャーは、適度なレベルであれば集中力を向上させる「ユークストレス(良性のストレス)」となり、成果を高める助けになります。しかし、プレッシャーが過剰になると「ディストレス(悪性のストレス)」に変わり、不安や体調不良などの悪影響を引き起こします。
そのため、プレッシャーをコントロールし、自分の限界を把握することが重要です。リラックス法や適度な休息を取り入れることでディストレスを軽減し、ユークストレスへと転換する工夫をしていきましょう。
▽監修者紹介
川島 達史
株式会社ダイレクトコミュニケーション代表取締役
心理学講師 / コミュニケーションコンサルタント
国家資格:公認心理師 / 精神保健福祉士
1981年2月26日生まれ。日本大学経済学部産業経営学科を卒業後、目白大学大学院心理学研究科現代心理学専攻にて研究を修了。専門分野は、ソーシャルスキルトレーニング、社会心理学、および臨床心理学。
幼少期から対人関係に課題を感じ、青年期に社交不安障害を経験。その克服をきっかけに、同じように悩む人々の力になるため活動を開始。心理学を基盤とした講演や研修、執筆活動を行い、これまでの受講者は延べ10万人以上に上る。
「コミュニケーションで悩む人を減らし、温かい人間関係を育む社会をつくる」 を信念に活動。自らの経験に基づき、共感と実践性のあるメソッドを広めている。
【活動実績】
テレビ出演
NHK「あさイチ」:アサーティブコミュニケーションの解説
NHK「天才てれびくんhello」:褒め上手になる方法、嫌いな食べ物克服法
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」:リセット症候群の解説
【出版書籍】
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編集/杏奈(ガクラボメンバー)
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