「おどおど」とは? 意味や使い方をわかりやすく解説【例文つき】

2023/11/22

ビジネス用語

「おどおど」は擬態語のひとつで、不安や恐れがある様子について使う言葉です。「何だか不安な様子だったよ」と長い文章のかわりに、「おどおどしていたよ」というだけで、その様子が目に見えるように感じられますね。

具体的にはどんな様子を表す時に使うのか? 類語や言い換えにはどのようなものがあるのか? 例文も含めてチェックしていきましょう。

おどおどとは?

「おどおど」とは、どのような意味なのか、見ていきましょう。

「おどおど」の意味は?

「おどおど」には次のような意味があります。

【おどおど】
(オヅオヅの転)
不安やおそれで挙動が、落ち着かないさま。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)


また「おどおど」は、日本語の中で「擬音語・擬態語」である「オノマトペ」に分類されます。

「おどおど」が属する「オノマトペ」とは

オノマトペとは、「わんわん」「しとしと」のような擬音語や擬態語のことです。『擬音語・擬態語辞典』の著者:金田一春彦氏は、オノマトペをさらに細かく次の5つに分けました。

【擬声語】人間や動物の声を表す(例:ぎゃあぎゃあ、わんわん)
【擬音語】物音や自然界の音を表す(例:がたがた、ざーざー)
【擬態語】無生物の状態を表す(例:つるつる、さらさら)
【擬容語】生物の状態を表す(例:のろのろ、くどくど)
【擬情語】人の心理状態や痛みなどの身体感覚を表す(例:はらはら、ずきずき)


1語で複数にまたがる場合もあります。例えば、「ひゅーひゅー」は「風がひゅーひゅー(擬音語)」、「喉がひゅーひゅー(擬声語)」と2つの分類にわたります。

「おどおど」はどんな様子を表したい時に使う?

「おどおど」は、オノマトペの中でも、生物(人や動物)の様子を表す擬容語に属します。

話し手(書き手)自身の様子ではなく、人や動物など自分以外の様子を誰かに述べる時に使えます。例えば「〇〇さんは少しおどおどした感じで、不安そうに見えたよ」と使うことができます。

不安や恐れから落ちつかない様子を表す言葉であるため、直接その本人に「どうしたの? そんなにおどおどして」とは使わない方が良いでしょう。ただし、不安そうな様子が全くないという意味で「あなたが気にするほど、おどおどした感じには見えないよ」と使うことは問題ありません。

▼こちらも合わせてチェック!
おどおどしてしまうのはなぜ? 原因と対処法5つ

おどおどを使った例文

「おどおど」をビジネスやプライベートで使うとしたら、どのような場面があるでしょうか。

例文1

面接・面談した相手について、誰かに伝える時の使い方です。

最初は少しおどおどした感じでしたが、慣れてくると笑顔も出て、好感の持てる人物だと感じました。

例文2

部下や目下の相手に対して不安な様子には見えないと伝える時の使い方です。

大丈夫。堂々として見えますよ。おどおどした感じは微塵もありません。

例文3

人や動物の様子を報告する時の会話での使い方です。

ひさしぶりに会ったその子は、おどおどした様子でした。

例文4

動物の様子を報告する時の文章での使い方です。

そのハムスターはおどおどした様子などひとつもなく、うちに来た日から動き回っています。

おどおどの類語・言い換え表現

「おどおど」の類義語です。別の言葉で言い換えたい時に使ってみましょう。

1) びくびく

恐怖や不安でおびえるさまを表す言葉。体が実際に震えて動くさまを表す時にも使います。

2)こわごわ

漢字では「怖怖(恐恐)」。恐ろしいと思いながら物事を行うさまを表す言葉です。おそるおそる。

3)おずおず

漢字では「怖ず怖ず」。怖れ、ためらいながら物事を行う様子。おそるおそる。

おどおどの対義語

「おどおど」の対義語には次のような言葉があります。おどおどしていない様子を伝えたい時に使ってみましょう。

1)しゃんと

姿勢や背筋が伸びてしっかりしている様子。不安があっておどおどしていると、つい身体が縮こまってしまうことが多いので、反対の見た目だといえるでしょう。

2)堂々と

怖気づいたり、こそこそしたりしないで、公然と行う様子。おどおどとは、逆のさまを表す言葉です。

3)悠々と

ゆったりと落ち着いているさま。落ち着かないさまを表す「こわごわ」とは逆で、不安がない様子を表す時に使えます。

まとめ

「何か不安でも抱えているのかと感じさせるような様子だったよ」と語るところを、4文字で済ませてしまうのが「おどおど」。しかも、聞き手(読み手)も実際目の前で見ているかのようにパッと意味を把握できるのが擬態語です。身体感覚に訴えてくるのですね。

オノマトペと呼ばれる擬音語・擬態語は、時にあれこれ言葉を尽くすよりも雄弁なことがあります。使いすぎに気をつけながら、効果的に取り入れましょう。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

【著者】前田めぐる(文章術講師)

コピーライターとして「言葉と文章」に関わり続けてきた経験をもとに、企業・自治体・団体向け広報講座の講師を務める。ワークを取り入れた文章術研修では‘伝える’を‘伝わる’に変換する文章の書き方を伝授。「楽しくて分かりやすく、すぐ実務に活かせる」と定評がある。

執筆・ライティングの専門領域は、【言葉・敬語・文章術・マーケティング・リスクコミュニケーション】。公益社団法人日本広報協会広報アドバイザー、文章術講師。著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』など。京都在住。

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