「まさか自分が地方配属になるとは思わなかった」と戸惑っているあなたへ送るアドバイス #キャリアロードマップの一歩目

更新:2022/07/01

入社準備

「まさか自分が地方配属になるとは思わなかった」と戸惑っているあなたへ送るアドバイス

こんにちは、キャリアカウンセラーの"ひつじ"です。
さて、入社が近づいてくると、みなさんが一番気がかりなのが「配属先」についてですよね。配属先の詳細は、入社式や新入社員研修が始まるまでわからないものの、転居が必要な人は、3月になると勤務地についてのみ連絡をするという会社は多いのではないでしょうか? 

そして、転居先の勤務地が本社や都市部であれば想定の範囲内だけれども、地方であった場合に大半の人は戸惑うことと思います。
そこで今回は、地方配属になった場合の考え方や対処方法についてお話をしていきましょう。

<目次>
1.勤務エリアが思っていた場所と違う!!!
2.地方勤務=会社から期待されていない?
3.地方勤務のメリットと注意事項

勤務エリアが思っていた場所と違う!!!


毎年の恒例行事のような感もありますが、3月位になると、「地方勤務になった。入社したくない」的な愚痴に対して、「そういう会社を選んだのは自分」「嫌だったら、全国に支社があるような会社を避けて就職活動をすれば良かったのに」というような、自己責任論がネットに飛び交いますね。 

諸先輩方の意見は正論ではあるのですが、今住んでいる場所が良いところであれば、転居に拒否反応を示してしまうのは当然のことだし、ショックを受けるのも仕方のないことだと思います(勤務地が気に入らないからと、採用担当者に詰め寄るのは止めていただきたいですが)。 

勤務地を変えてもらうということはできないので、選択肢は「入社辞退する」か「受け入れる」の二択しかなく、ほぼ大半の人は渋々であったとしても受け入れているのが現実ではないでしょうか。

受け入れろと強要するつもりはありませんが、地方勤務に対するネガティブイメージだけが独り歩きしているような印象を受けています。

地方勤務=会社から期待されていない?

地方勤務だと、慣れた土地や仲間から離れる、不便、おしゃれな物がないという不満がメインなのかと思いきや、意外と「地方勤務=会社から期待されていない」という不安を抱えている人が多いです。

本社勤務=エリートというイメージがあるのかもしれませんが、人事として言わせてもらうと、地方配属=配属ガチャ負けでは決してないです。
まだ働いてもいない状態で、優秀かどうかなんて会社側はわかりません。 そもそも配属決めは、過去記事(配属希望は叶わない︖ 配属が決まるまでの4つの要素)でも書いたように、全体のバランスや適性に重きを置いています。
なので、新入社員の現在の居住地まで考慮できていないケースが多いです。

そのため、「実家(都市部)から離れたくない人が地方勤務」「実家が不便な場所にあり(都市部まで通えるものの)、どこでも良いから社宅暮らしをしたい人が、実家から長時間かけて本社に通う配属(結果的に補助なしの自腹一人暮らしコース)」みたいなケースはちょいちょい起きます。

そして、初期配属の勤務地が都市部であろうが地方であろうが、優秀な人は出世します。初期配属は関係なく、結局は本人次第です。

地方勤務のメリットと注意事項


ネガティブな情報が多い地方勤務ですが、利点は当然あります。

地方勤務=本社機能を持たない拠点であることが多いため、自分でせざるを得ない仕事が多いです。大変かもしれませんが、その分できることも増え、仕事の全体像が見えやすいです。 

また、組織が小さい分、自分の意見が通りやすかったり、若い内から任されることも多く、チャンスが巡ってくる回数も多いです。上層部がいない分、のびのびと仕事ができるという話もよく聞きます。 

私見ですが、管理職になって初めて地方勤務になった人は、苦戦しているなという印象があります(それまで気軽に使えた本社機能がない環境や、小組織でのマネジメントや地方の特性がなかなか理解できなかったりという点で)。管理職のポストには限りがあるし、都市部勤務の管理職となると更に少ないです。

将来、管理職を目指すのならば、若いうちの地方勤務は自分の可能性を広げることができるので、メリットだと思います。 

 プライベートとしては、見知らぬ土地なので孤独感は当然ありますよね。
でも、今のご時世、仲間探しは容易にできるので、趣味を持って、その趣味の仲間を作っていくことをオススメします(社会人における趣味とのつきあい方については、いずれ書かせてもらいたいなと思っています)。

そして、地方勤務で注意してもらいたいことは、良くも悪くも上層部がいないため、拠点のトップの性格如何では、パワハラやセクハラが見逃されやすいという点と、初期配属が地方だと社内人脈が薄いため助けを求める先がわからないという点だと思います。 

同期に媚びを売る必要はありませんが、困ったときに頼れる同期との関係作りはしっかりしておいてくださいね(同期から通報があって、パワハラが解決したという事例もあります)。

最後に


「自分が入ったときも、先輩がしてくれたから」と言って、新入社員の慣れない地方生活をサポートしてくれている元新入社員を見ると、ものすごくうれしくなります。
こういう良いバトンはどんどん繋いでいって欲しいし、もししんどいことがあれば、新しく入ってくる下の子は同じ苦労がないように助けてあげてもらえたらなと思います。

最後に。もし地方配属になったとしても、自分の配属地をディスるのはやめておきましょう。そこが出身地の人も居ます。出身地をけなされて喜ぶ人なんて存在しません。
(私の出身地をけなした新入社員が、数年後、地域採用の同僚とその地で結婚してマイホームを購入したため、私が「勝った!」と思ったことは本人には内緒です)。

ライター:ひつじさん文・ひつじ
キャリアコンサルタント&産業カウンセラー。新卒入社の企業での採用&研修担当を経て、現在はコンサルティング会社にて企業の相談事をメインに活動中。子持ち、資格マニア、雑学大好き。就職転職だけでなく、結婚出産等も含めたキャリア相談に定評あり。
Twitter:@ career_sheep


キャリアロードマップの一歩目
連載バックナンバーはこちら

関連記事

新着記事

もっと見る

HOT TOPIC話題のコンテンツ

注目キーワード

 ビジネス用語・カタカナ語80選

 キャリアロードマップの一歩目

  • ピックアップ