iDeCo掛け金の月払いと年単位拠出の違いとは?

2020/09/02

税金・年金

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、将来に備えるための私的な年金制度で、以前は掛金の支払い方法が「月払い」のみでしたが、2018年1月から「年単位拠出」という方法も始まりました。そこで、月払いとの違いやメリット・デメリットについて解説します。
(監修協力:鈴木幸子)

iDeCo掛け金の月払いと年単位拠出の違い

iDeCoの年単位拠出について

iDeCoの掛金は、もともと「月払い」のみで、毎月同じ金額を積み立てるシステムでした。

しかし、2018年1月から始まった「年単位拠出」では、年間の掛金限度額までであれば、1年に1〜12回の間で自由に拠出のスケジュールや金額を設定できるようになったのです。これにより、ボーナスのときはより多く、生活費が多く必要だと予想される月にはより少なく支払うといったスケジュールも立てられるようになりました。

ただし、毎月好きに掛金を変えられるわけではなく、年単位拠出を選択した場合はあらかじめ当年分、翌年以降の掛金の支払い計画を提出し、その通りに拠出する必要があります。
年間計画やプランの変更は年に1回までと決まっていますので、今月は使いすぎてしまったから拠出できる金額を突然少なくしたい、といった急な変更はできません。

月払いと比較した場合のメリット・デメリットについて

年単位拠出を月払いと比較すると以下のようになります。

項目 年単位拠出 月払い
手数料 拠出する月のみ105円/回 105円/月
払う月や金額 拠出限度額以内で自由に設定可能 拠出限度額は月額で決まっていて、毎月支払う

メリットとしては、例えば、年単位拠出で支払い回数を年に1回としてしまえば、その分手数料を節約できます。他にも、月単位の拠出限度額では毎月拠出しにくいものの、拠出限度額を積み上げられる年単位拠出なら、ボーナスの月にそれまで少なかった分をまとめて支払う、ということも可能です。

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • ドルコスト平均法の恩恵を受けにくい
  • 拠出金額の管理が難しくなる

投資信託などの値動きがある運用商品に拠出する場合、月払いであれば自動的に毎月同じ金額で投資できますので、価格が安いときは多く、高いときには少なく買い付けられ、購入価格を平準化できる「ドルコスト平均法」の恩恵を受けられます。
しかし、年単位拠出で月の投資額が変動すると、まとめて拠出する月に価格が高いと少ししか買い付けられません。

また、月ごとにバラバラな金額で設定してしまうと、「今月はいくら引き落とされるのか、そのために口座にどのくらいの金額を残しておかなくてはならないか」というように管理が複雑になります。自分で覚えていられるよう、ルールを作ったりメモに書き留めたりしておくと良いでしょう。

あなたはどちらに向いている?

年単位拠出は、預金など元本確保型の商品に向いています。一方で、投資信託のように運用商品に拠出したい場合は、「ドルコスト平均法」の恩恵を受けられる月払いがおすすめです。

他にも、毎月の収入が不安定になりやすい自営業の人はどの運用商品であっても「年単位拠出」の方が管理しやすいでしょう。このように、自分に合った方法を選ぶのが重要です。

まとめ

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の月払いと年単位拠出は、どちらにもメリット・デメリットがあります。資産形成をしたい金融商品や職業、管理しやすい方法など、自分に合った支払い方法を選びましょう。

(学生の窓口編集部)

監修協力:鈴木幸子
2010年よりFP活動を始め、子育てファミリーの家計相談、住宅購入相談を実施。フジテレビLive it Newsでコメンテーターを務めるなど、地元金融機関、住宅メーカーでの講演実績を持つ。保有資格AFP・証券外務員2種・相続診断士。
https://www.gyl-h.com/

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