生命保険は、自分に万が一のことがあったときに備えるために加入するものです。あくまで万が一に備えるという主旨であるため、一般的に生命保険に加入するには健康診断書の提出が必要となります。なぜ提出が必要となるのか、詳しく解説をしていきます。
(監修協力:恩田 雅之)
生命保険に加入する際には、保険会社による一定の審査があります。これは、被保険者のリスクを判定して公平性を保つためで、例えば非常に不健康な生活を送っている人と、日頃から健康に気をつけている人では、病気や怪我で入院したり死亡したりするリスクが大きく異なります。
つまり、保険料の支払い確率が変わってくるのです。
保険は、加入者から集めた保険料をもとに、不測の事態が起こった人に保険金や給付金を支払う相互扶助の仕組みによって成り立っています。ですから、契約者同士はできるだけ公平な状態である必要があります。
そこで、審査基準として健康状態、職業、道徳観念の3つの観点が設けられています。主に健康状態や職業に関する告知書や健康診断書を提出したり、医師の審査を受けたり、生命保険面接士による面談を受けたりすることが必要となります。ただし、加入する保険商品によってどのような検査が必要なのかは異なり、ものによっては健康診断結果の提出をしなくても入れるものもあります。
告知書や健康診断書の提出後、あるいは医師の審査後、保険会社では前述のように審査が行われます。その結果、リスクが高すぎると判断されれば「謝絶」となることもありますが、リスクに問題ないと判断されれば「無条件」となり、申し込んだ保障内容の通りに保険契約が結ばれます。
リスクが高めではあるものの、謝絶するほどではない、と保険会社に判断された場合、「特別条件付きの引き受け」となることもあります。保険料を割増にしたり、体の特定の部位や特定の病気に対して保証対象外としたり、一定期間保険金を削減したり、という条件が課され、契約者間の公平性を確保します。
また、これらの審査基準や引き受けの判断は、もちろん各保険会社によって異なります。同じ保険会社であっても保険の種類によっても異なります。ですから、ある保険会社で特別条件付きとなったとしても、別の保険会社では無条件となる場合もあります。
告知書の場合は、自己申告であることから病気や怪我など、リスクが高くなりそうなことはつい控えめに書きたくなってしまいます。
しかし、もし告知書の内容が事実と異なっていた場合、「告知義務違反」として契約や特約が解除され、保険金などが支払われないこともあります。告知書には、ありのままの事実をわかる範囲で正しく記載しましょう。
生命保険に加入するためには、告知書や健康診断書など、自分の健康状態を正しく伝えなくてはなりません。これは契約者間の公平性を保つためで、告知書に嘘があった場合は保険金が支払われないこともあります。
(学生の窓口編集部)
監修協力:恩田 雅之
1959年、東京生まれ。専修大経営学部卒業後、16年間パソコン業界の営業の職業に携わる。CFP®資格を取得後、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託など資産運用を中心としたコラムの執筆やローン関連を中心に記事の監修などを中心に活動中。
http://onda-fp-jimusho.com/
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