扶養控除等申告書に押す印鑑は実印? 実印がない場合は印鑑なしでもOK⁉

更新:2019/12/19

税金・年金

サインが必要な場面でもポンと押すだけでサイン代わりになるシャチハタ。
荷物の受け取りや簡単な確認の際には、シャチハタをポンと押すだけで問題ありませんが、扶養控除等申告書のような大切な書類はシャチハタでも問題ないのでしょうか。

扶養控除当申告所をシャチハタで提出して問題があった場合は、再提出で年末調整に間に合わず、確定申告が必要になる可能性もあるので注意が必要です。

扶養控除等申告書は印鑑なしでも問題ないか、またシャチハタでも問題ないか解説します。

扶養控除等申告書を記載するとき印鑑なしでも平気?

扶養控除等申告書 印鑑なし

大学生になってアルバイトを始めた場合や就職して所得が発生した場合には、扶養控除等申告書を提出する必要があります

扶養控除等申告書を作成したことがない人にとっては、「扶養控除等申告書は印鑑なしでも提出できるか」「印鑑が必要だった場合はシャチハタでも問題ないか」気になっている人も多いのではないでしょうか。

扶養控除等申告書の押印についてよくある質問を見ていきましょう。

扶養控除等申告書にシャチハタで押印した場合

扶養控除等申告書 印鑑なし

そもそもシャチハタとはどのような印鑑のことなのでしょうか。
シャチハタとは、印を押す際に朱肉が必要ではなく、印鑑の内部からインクが浸透してくるタイプの印鑑です。
また、シャチハタの印影の表面はゴムでできているのが特徴です。

年末調整の際に会社に提出する書類には、扶養控除等(異動)申告書・保険料控除申告書・配偶者控除等申告書などがあります。

これらの書類はそれぞれ印鑑を押す部分がありますが、税務署からの申請がない場合には会社内で保管する書類です。

そのため、会社の担当部署が「シャチハタでも大丈夫」と判断した場合は、シャチハタでも問題ありません。

もし、会社の担当部署が何も言っていない場合でも、基本的に会社内で保管する書類なので、シャチハタでも問題ないと言えます。

しかし、以下のようなケースではシャチハタが認められていないので注意が必要です。

・個人事業主が確定申告をする
・住宅ローン控除申請等をする
・給料以外の所得があって確定申告をする

上記のケースでは、会社による年末調整ではなく税務署に直接書類を持ち込んで手続きを進める確定申告になります。

確定申告ではなぜシャチハタが認められないのでしょうか。

扶養控除等申告書では、ゴム印は認められていない!

シャチハタは印影の表面がゴムでできていると言いました。

ゴムは加工しやすいものの劣化しやすいため、誰でも同じような印鑑を作れるだけでなく、傷つくことで印影が少しずつ変化する可能性があります。

また、シャチハタに使用しているインクは、何年も経過すると紫外線の影響で薄れるというデメリットがあります。

そのため、税務署などが保管している公的な書類は、保存期間が長くなることによる劣化を防げるまたは本人が印鑑を押したことを特定できるようなものでなければなりません。

シャチハタは正式な印鑑ではなく、郵便などの受け取り、回覧板などの認印程度にしか使用できないため、扶養控除等申告書のような公的な書類は実印の使用をおすすめします。

扶養控除等申告書は印鑑なしで手書きサインでも大丈夫?

扶養控除等申告書 印鑑なし

日本は「印鑑至上主義」と呼ばれるくらいさまざまな書類に印鑑を必要とします。

そのため、書類を作成する際は印鑑を押すのが原則ですが、会社内で保管する書類であればシャチハタのケースと同様にサインでも問題ないと考えられています。

一方で、海外は印鑑という文化がなくサインが主流です。

「国税通則法」という法律では、確定申告書を提出する人は確定申告書に署名押印が必要とされています。

そのため、押印するのが外国人の場合は「外国人の署名捺印及無資力証明に関する法律」で署名のみで問題ないとされています。

では、扶養控除等申告書に押印もサインもない場合の書類はどう扱われるのでしょうか?

所得税法には直接の記載がありませんが、法人税法には「自署し自己の印を押印しなければならない」と定められています。
それを準用すれば印鑑のない書類は税法を守っていないので無効になると考えられます。

しかし、法人税法は「自署及び押印の有無は法人税申告書の提出により申告の効力に影響を及ぼすものと解してはならない」とも定めています。

それを準用すれば押印がない書類も有効な書類として扱われるため、扶養控除等申告書に押印やサインがなかったとしても有効な書類であることに変わりありません。

ただし、有効な書類として扱われるものの、書類の内容に問題があった場合には誰に責任があるのか判断できなくなるため、印鑑を忘れないようにしましょう。

まとめ

シャチハタはポンと手軽に印を押せます。

ボールペンの裏についているシャチハタもあるため、誰でも1つは持っているのではないでしょうか?

そのため、扶養控除当申告所も持っているシャチハタで問題ないと思っている人も多いと思いますが、公的な書類は原則シャチハタ以外の印鑑が必要です。

また、印鑑なしの書類も有効な書類として扱われますが、後で問題が起きた時にトラブルに発展する可能性もあります。

社会人になると印鑑を押す機会も増えてくるため、前にシャチハタではなく正式な印鑑を準備しておきましょう。

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