「留意」は、上司や取引先から言われることもあれば、書類で目にすることも多い、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。今回は「留意」の意味と使い方を解説します。
「留意」ってどういう意味?
『広辞苑』を調べると、「留意」とは下記のように定義されています。
「ある物事に心を留めること。気をつけること」
(『広辞苑 第七版』より引用)
文字通り「意(意志や気持ち)」を、心に「留める」という意味。難しく感じますが、簡単に言えば「気をつけておいてね」「このことをいつも気に留めておいてね」ということです。
意味がわかったところで、その使い方をご紹介します。
・以下の点には特にご留意ください。
・この件は口外しないようにくれぐれもご留意ください。
このように、相手に特に「気に留めて」ほしいことを強調するときなどに使います。
また「留意してください」と言うと、言われた相手が命令されているように感じる可能性があるので、「ご留意」と「ご」という接頭語をつけて、より丁寧な言い方になるように使うと角が立ちにくいでしょう。
さらに、もっと丁寧にしたい場合は「ご留意願います」「ご留意くださいますようお願いいたします」などと使うのもおすすめです。
また、以下のように謝罪のときに使うこともできます。
・同様のミスが起きないよう、以後留意いたします。
これは「今後は気をつけます」という意味ですね。さらに、相手の健康を気遣って手紙やメールなどの最後に、
・寒さ厳しき折、健康にご留意くださいますようお祈り申し上げます。
などと、添える使い方もあります。
・お試しの前に、留意点をご確認ください。
留意に「点」を+して、留意点と使う場合もあります。他にも、ビジネスシーンでは「留意事項」と使われる場面があります。
「留意」と似た言葉に「注意」があります。「注意」は、『広辞苑』の説明によると以下になります。
1.気をつけること。気をくばること。
2.悪いことが起こらないように警戒すること。用心すること。
3.気をつけるように傍らから言うこと。忠告。
4.ある一つの対象を選択し、認知・明瞭化しようと意識を集中する心的活動。同時に、その他のものは抑制・排斥される。
(『広辞苑 第七版』より引用)
「留意」に比べて「注意」は「危険なこと」「悪いことに対して気をつけて用心する」というニュアンスが含まれます。また「注ぐ」という漢字からもわかるように、「注意」には「ひとつのことに気持ちを注ぐ」「集中する」という意味があるので、「留意」よりも神経を集中させる場合に使われます。「留意」に比べより警告度が高いのが「注意」になります。
「配慮」もまた、「留意」と似た言葉として取り上げられることが多い単語です。
配慮にはある物事に対し注意を向ける、物事が悪い方向に向かないように気を配る、といった意味があります。
どちらも注意を向けるといった意味では同じですが、配慮には対象への心配りや、思いやりといった意味がプラスします。
そのため、自分や対象の相手一人が注意を向ければよい場合には「留意」、伝える相手以外に心配りが必要な場合は配慮を使うなど、シーンに応じて使い分けましょう。
「留意」は「ある物事に心を留めること」「気をつけること」という意味です。「相手に特に気に留めておいて欲しいことを伝える場合」、あるいは「自分が何かに気をつけるとき」などに使います。「気をつけてください」「気をつけます」というより、「ご留意ください」「留意します」と言ったほうが、より丁寧な印象を与えるので、ぜひ覚えておきましょう。
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