普遍的(ふへんてき)の正しい意味と使い方は?

更新:2022/12/29

ビジネス用語


「普遍的」とは「広く全てに当てはまるような」という意味を持つ言葉です。普段の会話ではあまり登場しないので、その意味をイメージしづらいかもしれません。それに「不変的」という言葉もあるため、どのように使い分けたらいいのか難しいところ。

今回は「普遍的」の意味を正しく理解できるよう、語源も交えて解説していきます。普遍的価値などの例文に加え、類語・対義語もご紹介します。

「普遍的」の正しい意味

普遍的(ふへんてき)の「普遍」とは、「広く行きわたること」「すべてのものにあてはまること」という意味があります。そして「○○的」とは、「○○のような」「○○の性質をもつ」という意味の接尾辞です。2つをあわせると「広くすべてのものにあてはまるような」となります。

「普遍的」の「普」も「遍」も「広く行きわたる」という意味を持っています。「普」は普及や普通、普段どおりといった言葉があるように、「あまねく、一面にゆきわたる」という意味を持つ漢字です。「遍」は「あまねし、もれなくゆきわたる」という意味を持つ漢字で、「普」が100%でないのに対して「遍」は「100%、すべてにゆきわたるさま」を表しています。

「普」と「遍」をあわせた「普遍的」は、「きわめて多くのものごとにあてはまるさま」「すべてのものにゆきわたるさま」という意味になります。

例えば、「普遍的な価値がある」という表現の場合は、「あらゆるものに共通した価値がある」という意味になります。「世界遺産は人類にとって普遍的な価値を持っています」のように使われます。「世界遺産は人類全員に共通した価値があります」という意味です。

「普遍的」の語源は?

「普」という漢字は「太陽の上に人が2人立っている」中国の象形文字が由来です。「太陽の恩恵がひろく(あまねく)ゆきわたるさま」を表しています。

「遍」も古代中国で生まれた象形文字です。「戸の前に編んだひもでつるした札が掲げられているさま」を表現しています。「札」のように平たいことから「ひらたくゆきわたる」という意味になりました。

「不変的」との意味の違いは?

普遍的と混同しやすい言葉に「不変的」があります。どちらも「ふへんてき」と読むのですが、意味は異なるため同音異義語ということになります。

「不変的」の方は「変わらないで、いつも同じであるさま」という意味。「変」という漢字が使われており「不変=いつまでも変わらない」といった意味合いが強くなるのがポイントです。ちなみに反対語は「可変」となります。

それに対して「普遍的」の方は「広くすべてにあてはまる・共通する」といった意味合い。ですから「変わらない」かどうかよりも「広く、すべてに」といった範囲の広さを感じさせる言葉です。

このように「不変的」と「普遍的」は、厳密には異なる意味を持っています。ですがその意味を考えてみると、ニュアンスはよく似ていますね。「広くすべてに共通する」ような普遍的なものは、そうそう変わるものではありません。つまり普遍的なものの多くは不変的でもある、と言うことができるのです。

「普遍的」の使い方を例文でチェック!

普遍的 使い方 例文

では、普遍的を使った例文を見ていきましょう。

<基本的な例文>
・生きているものがいずれ死んでいくのは、普遍的な事実である。

・食欲は人類に共通した普遍的欲求である。

・子ども達の笑顔は、世界中どこに行っても普遍的な魅力がある。

「普遍的価値」の例文

「普遍的価値」「普遍的な価値」はとても多く使われている言い回しです。どんな条件下にあっても通用するような価値のことを指しています。

<例文>
・基本的人権は、私たち人類が守っていかねばならない普遍的価値である。

・世界遺産は人類にとって普遍的な価値を持っています。

皆が大切だと思う価値、皆が「いいね」と思える価値、といったニュアンスで使っています。

「普遍的な人の〜」の例文

普遍的は、人に対してもよく使われます。「人の◯◯」のように、普遍的な人間の「何か」について語る時に使いやすいです。

<例文>
・普遍的な人の能力の1つが、言語を通じたコミュニケーションである。

・動物をペットとして可愛がるのは普遍的な人の習性と言えるかもしれない。

「普遍的」を言い換えると?類語紹介

普遍的と意味が似ている類語をご紹介します。普遍的を他の表現に言い換えたい時に、参考にしてみてください。

一般的

一般的とは、「広く全体を取りあげるさま。広く行き渡っているさま」を表します。「広く行きわたっている」という点では普遍的とよく似ています。

ですが一般的というのは「全てに当てはまるわけではないが、たいていはそうだ」 といったニュアンス。それに対して普遍的は「全てに当てはまる」という、より強い表現となります。この違いは押さえておきましょう。

<例>
・一般的な事実として、人はみな音楽が好きだ。

全般的

全般的とは、「ものごとの全体に及んでいるさま」を表します。

<例>
・世の中の全般的な事実として、人は音楽と共に暮らしてきた。

ユニバーサルな

ユニバーサルは英語の“universal” からくる言葉です。意味は「一般的な」「普遍的な」「例外なく当てはまる」「万人共通の」「万国の」など。“universal” は「普遍的」の英語表現といって差し支えないでしょう。

<例>
・ユニバーサルな観点から人と音楽との関係を考えてみよう。

これは「世界共通の、普遍的な観点から(考えてみよう)」という意味でユニバーサルを使っています。

「普遍的」の対義語

続いては、普遍的と反対の意味を持つ対義語のご紹介です。

特殊な

「特殊な」とは、「限られた若干のものだけに当てはまるさま」を表します。普遍的の対義語として最もぴったり当てはまる言葉です。

唯一の

「唯一の」とは、「ただ1つだけでそれ以外にはないこと」という意味です。唯一無二という表現はよく知られていますね。

特別な

「特別な」とは、「他と特に区別されているさま」を表しています。

まとめ

「普遍的」の意味と使い方について解説してきました。「普遍的」の「普」は「太陽の恩恵がひろく(あまねく)ゆきわたるさま」を表した古代中国の象形文字が由来です。語源を知ることで「普遍的」の意味をより深く理解することができるのではないでしょうか。

文:マイナビ学生の窓口編集部

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