仕事もプライベートもつまらない……こんな生活に意味はあるの?【瀧波ユカリのお悩み相談室】

更新:2018/08/03

社会人ライフ

新社会人からリアルな悩みを募集し、独自の視点からアドバイスをもらうこの「新社会人のお悩み相談室」。今回は、「仕事もプライベートもつまらない」というお悩みに、日本大学芸術学部を卒業後さまざまな仕事を経験し、現在は漫画家として活躍する瀧波ユカリさんが回答します。

仕事もプライベートもつまらない……こんな生活に意味はあるの?【瀧波ユカリのお悩み相談室】

Q.仕事もプライベートもつまらない
毎日朝早くから夜遅くまでの仕事で、しかも同じような日々の繰り返し。毎日がつらいなあと思うし、気分転換に休日は出かけたいけど、朝起きられなくてのんびりしてしまい結局一日が終わってしまいます……。とにかく同じことの繰り返しでつまらないし、この生活に何の意味があるのだろうと思ってしまうのですがどうすればいいでしょうか?
(女性/22歳/アパレル・繊維)




つまらないことは、やってはいけない


結論から言いますね。その仕事、やめましょう!

「つらくてもがんばればきっといいことがある」みたいなことを言う人もいると思うんですけど、それっておもしろくて楽しいことをしているときだけの話なんですよ。

たとえば、マラソンが大好きだから走る。途中、坂が険しくてつらい。でも、ゴールしたいから一生懸命がんばる。その結果、無事ゴール! 達成感でいっぱいになり、ますますマラソンが好きになる。
こういう流れになれるなら、がんばる甲斐もあるというもの。

でもあなたの場合は恐らく、今の仕事が好きじゃない。日々の業務に面白さを感じないし、とにかく疲れるし、自分を取り戻す時間すらない。
これでは、どんなにがんばっても、いいことなんてないですよね。むしろ、ただただつらいだけ。

つまらなくてつらいことは、続けるべきではないんです
だって報われないから。苦しいから。自分が自分でいられなくなるから。

仕事をやめて、どうするか


あなたは今、激務な上につまらない仕事をなんとか続けている。それって、責任感が強くて粘り強さもあるってこと。
だったら、おもしろいと思える仕事ならもっともっとがんばれるってことですよ!

もちろん、どんな仕事だって「おもしろい!」と思えるまでにはちょっと時間がかかります。それに、最初はおもしろく感じても、だんだんつまらなさが高まってまたつらくなってしまうかもしれません。

でも、やってみておもしろいと思えなかったり、すぐつまらなくなってしまったりしたら、やめればいいんです。3回でも5回でも10回でも、やってみて「つまらない」「つらい」と思ったらやめる。何度でもやめて、考え直して、また別のことを始める。
働き始めて10年くらい、つまり30歳前後までは、そんな感じでいいんですよ。

そうやっていろんな仕事との相性を確かめながら、プライベートでも気軽に試行錯誤しましょう


たとえば、今住んでいるところでの仕事に難しさを感じるなら、都会や田舎や海外へ引っ越してみる。

自分を手っ取り早く変えたいなら、行動的な友だちを3人以上作る。

やる気がまったく出なくなったら、お金が続く限り何もしないでぼんやり暮らす。

やりたいことがわからなくなったら、おもしろそうな人の仕事の手伝いを買って出る。

こういう仕事がしたい、これくらいお金がほしい、こういう人にあこがれる、などなど、自分の夢や希望をたくさん口にする。


…などなど、とにかく、徹底的に「つまらない」と感じる機会から遠ざかってください。自分をつまらなくさせないために、動き回ってください。
たとえ自分が信じられなくても、変化と成長を信じてひたすら迷走してください

迷走時代の経験者として、伝えたいこと


私も20代の頃はすごく迷走しました。
迷走時代にやったことは、友達の舞台の手伝い、水商売、グループ展の主宰、バックパッカー、ダンサー、派遣社員……大学を卒業してから2年ほどは、そんな暮らしをしました。

就職して新しいフィールドでがんばっている友達がまぶしく見えて、嫉妬を感じたこともありました。みんなちゃんと働いているのに、私は何をやりたいのかもわからない。
暗闇の中でもがいているような心境でした。

そんな試行錯誤の中で、やっぱり昔からあこがれていた漫画家を目指したいと思い立ち、投稿を決意。2年間のいろんな経験をもとにして漫画を描き、デビューして、13年経った今も漫画家を続けています。
この仕事はつらいこともあるけれど、漫画が好きだからがんばることができています。

あのとき、試行錯誤してみて本当によかったと思っています。ここには書けないような恥ずかしい失敗もいっぱいしたけれど(笑)、そのおかげで世の中のことをたくさん知ることができて強くなったし、度胸もつきました。

どうか、つまらない仕事を繰り返すつらい日常から、勇気を出して飛び出してください。そして存分に迷走してください。
「つらいけど、がんばることが楽しい!」って思える道は、きっと見つかります。応援しています!

文・瀧波ユカリ
漫画家、エッセイスト。北海道生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。主な著書に『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』等。雑誌Kissにて『モトカレマニア』連載中。

Twitter:@ takinamiyukari
公式サイト:Takinami Yukari Official Site

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