「定量評価」とは、数値を基にした評価のことです。「売り上げが10%上がった」「来客数が前年よりも1万人増えた」「新規顧客を10件獲得した」のようなケースは過去の実績と比較できるため説得力が増し、評価もしやすくなります。
数値化できる評価の基となるのは、以下のようなものです。
新入社員や中途採用で社内における過去の実績がない場合は、複数の項目を設定し、どれだけクリアできたかをチェックするという方法もあります。この方法では過去の実績がなくても多角的に評価することができ、評価を受ける側も納得しやすくなります。
「定性評価」とは「定量評価」とは逆に、「数値で表現することができない評価」のことです。会社にはさまざまな役割の人がおり、一律に仕事を数値だけでは評価できません。
例えば、ある会社の売り上げが先月より10%アップしたとします。「売り上げ10%アップ」という数値だけを根拠に、営業担当者だけにボーナスを支給すれば、他の社員からは不満が出るでしょう。数値化できない評価ポイントには以下のようなものが考えられます。
上記のような人の長所は「売り上げ10%」のように数値化できないものですが、業務上の貢献は大きいと考えられます。このような「数値化できない部分」を評価するのが定性評価です。
とはいえ、全く根拠がない評価は上司などの主観によるものでしかなく、基準がばらばらの評価によって給料を払うわけにもいきません。そこで多くの会社では、例えば以下のような評価項目を設定しています。
・指示された業務をこなすスピードは速いかどうか
・顧客からの要望に応えるスピードは速いかどうか
・職場に対しての改善提案ができたかどうか
・自分の業務を改善しようとしているかどうか
・必要な商品の知識を身に付けているかどうか
・取引先の知識があるかどうか
・遅刻などがないか、服装がきちんとしているか、机などが片付いているか
・きびきびとした動作ができているか(だらしない印象を与えていないか)
・仕事に対して前向きに取り組んでいるかどうか
・会社の方針に従い、真面目に取り組んでいるかどうか
・会社で決められたことを実行できているかどうか
・指示された業務以外でも、クレームにも誠実に対応しているかどうか
・社内行事などに協力的に取り組めたかどうか
・グループやパートナーと協力できたかどうか
営業担当なら売り上げ目標や新規顧客開拓数が明確に分かるので、定量評価で客観的に評価することができます。しかし、人事部や総務部など、直接売り上げや生産に関わらないような部署では、定量評価によって正当に評価することが困難な場合があります。
このような場合に有効なのが定性評価です。数値化できないことでも上記のような項目を設定し、どれだけ達成できているかによって評価することができるというわけです。
定量評価とは:売上金額など、数値を基にした評価のこと。
定性評価とは:協調性や積極性など、数値で表現することができない業務上の貢献を見る評価のこと。
数値で仕事を評価するのはわかりやすく、一見公平に見えます。しかし、会社ではさまざまな仕事があり、評価する基準となる数値を持たないような人もいるのです。真面目に働いている人が損をしないためには、定性評価も軽視すべきではないといえるでしょう。
(藤野晶@dcp)
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