会社の飲み会のマナーまとめ! 上座下座・幹事のルールとは?

更新:2022/11/25

飲み会・宴会

新社会人になるにあたって覚えておきたいのが、会社の飲み会のマナー。上座・下座といったルールを押さえておかないと、上司や同僚にギョッとされたり、不穏な空気が流れたりする恐れも…。それに、新入社員は飲み会の幹事を頼まれる機会が多いもの。ポイントを押さえて失敗のないようにしたいですよね。

そこで今回は、上座・下座の基本飲み会での席次について図解入りでご紹介。そして幹事になった時のための、飲み会セッティングのポイントや、当日のマナーについても解説していきます。

▽飲み会の基本マナーはこちらもチェック!
学生時代とはちょっと違う!? 社会人の飲み会作法

飲み会の上座って一体何のこと?

飲み会の席だけでなく、応接室や会議室などの席にもある上座と下座。まずはそれぞれの基本的な意味について解説します。

上座とは

上座の読み方は、「かみざ」「じょうざ」。現在は「かみざ」と読むことが一般的です。上座とは一言でいうと「もっとも良い席」のことであり、具体的には入口から一番遠い席となることが多いです。上座には、

・役職の高い人
・目上の人
・接待などでもてなされる側の人

が座ることになります。

下座とは

下座の読み方は、「しもざ」「げざ」。現在は「しもざ」と読むことが一般的です。先の上座とあわせて「かみざ・しもざ」と覚えておくと良いでしょう。下座は上座の反対で、位の低い人やもてなす側の人が座る席のこと。具体的には入口から一番近い席を指します。

ちなみに、上座と下座は1つずつではなく、順番で考えます。例えば全部で4席あるなら、まず「上座はどこか」を考え、そこから2番、3番、4番の順位づけをします。この4番に当たるのが下座ということになります。

上座下座が生まれた背景

上座下座が生まれた背景

上座下座という概念が出来上がったのは、書院造という室町時代の住居様式からです。書院造には床の間と呼ばれる掛け軸のかかった1段高くなっているスペースが設けられました。

床の間はもともと「仏画や仏具を飾る場所」というのが由来となっている空間です。そのため和室の中でも大切な、神聖な場所と考えられてきました。今でも床の間には花瓶に活けた花を飾ったり、大切な置き物を飾ったりと丁重に扱われています。

この床の間に一番近い場所が、上座であると認識されるようになったのです。600年以上も前の伝統が脈々と受け継がれているのは驚くべきことですね。

飲み会の上座下座を新入社員歓迎会でマスター!

新社会人が最初に上座下座デビューをするのは新入社員の歓迎会ではないでしょうか。「間違って上座に座ってしまった…!」なんてことのないよう、ここで正しい席順をマスターしておきましょう。

【基本】和室での座席表

まず、床の間のある和室での4名席を考えてみましょう。新入社員歓迎会でこのような和室となる可能性は低いですが、基本の形と考えられますので、ここを押さえておくと応用もききやすくなるはずです。

上座 和室での座席表

このように、入り口から遠く、床の間に近い場所が上座です。上司やお客様を上座に誘導するときは「奥の席にどうぞ」と声をかけましょう。

新入社員は一番入り口に近い席に座るようにします。入り口側にいれば店員さんに声をかけやすいですし、食べ物が運ばれた場合やトイレの案内、遅れてきた人のお迎えなど何かと動きやすくなります。

長テーブルでの座席表

次に長テーブルを見てみます。新入社員歓迎会などの大勢の飲み会では、座敷+長テーブルを利用する機会は多いのではないでしょうか。

ここでは、入り口から入って横長に広がる長テーブルの座席表をご紹介します。

上座 長テーブルでの座席表

上図のように、入口の反対側の列に1番・2番・3番が並ぶケースと、

上座 長テーブルでの座席表2

このように1番の向かいに2番が来るケースがあります。例えば取引先との宴会の場合には、前者の方が相手先に並んで座っていただけるので都合が良いようです。一方、社内での歓迎会の場合には、偉い方々が中心に座っていく後者がベターですね。

いずれにしても、下座は入り口付近となることは心得ておきましょう。また、席を移動する際は、座布団や畳のヘリ、敷居も踏まないように注意しましょう。終盤、飲み会の席では移動することも多いですがこれらのマナーにも気をつけてください。

円卓での座席表

中華料理などでよく見る円卓は意外とカンタンです。

上座 円卓での座席表

まず入り口からみて1番奥にある席が1番の上座、次に1番の上座に座った人からみて左隣が2番、同じく右隣が3番。あとはジグザグ状に席次が決まっていきます。

「右隣と左隣、どっちが先?」

1番の上座が決まったとして、2番の上座が左右のどっちなのか迷う場合は「左が上位」と覚えておきましょう。日本には「左上位」という伝統礼法があるためです。この左というのは「1番の上座の人が座った状態での左手」です。入り口から向かって左だと反対になってしまうのでご注意ください。

このように、飲み会の席は人数も形もさまざま。まずは基本を押さえておくと、どんなパターンにも対応しやすいです。下座はいつでも入り口の近くなので分かりやすいかもしれませんね。

飲み会セッティングのポイント

新社会人になると、会社によっては「飲み会の幹事よろしくね」なんて言われることも出てくるかもしれません。そんなときに気をつけたい、飲み会セッティングのポイントをご紹介します。

飲み会のお店選び

Point!
・お客様や上司、先輩が苦手な食べ物がないか
・価格帯はその会合に相応しいか


価格帯について自分で判断が難しい場合は、先輩や上司に確認した方が無難です。ほかにも分からないことは先輩に相談し、お店の候補を2,3絞って上司に判断してもらうのがよいでしょう。慣れてくると自分の中にお店ラインナップが増えてきて、それぞれの会合にふさわしいお店を選べるようになってきます。

時間の設定

Point!
・社内の飲み会なら、仕事の進捗等をふまえて時間を設定
・お客様との会合は、先方の仕事が終わる時間帯を考慮する


お客様との会合の場合は、さりげなく仕事が終わる時間を聞くことができるとベター。◯時でも平気かどうか先に聞いてからお店の選定を始めるとよいでしょう。あるいはお客様を長年担当している上司や先輩がいるなら、先方の状況をヒアリングしてみるとスムーズかもしれません。

時間や場所、お店が決まったらいらしてくださる皆様全員にメールを送りましょう。

前日のリマインドメール

飲み会の前日になったらリマインドメールを送付します。たくさんのメールが届く上席者の方がいちいち過去のメールを探すのは大変。その手間を省く為にも、前日のリマインドメールで場所と時間などを改めてお伝えしておきましょう。

当日は絶対に遅れない

当日に遅れてしまえば、こんなに準備をしてきた苦労は水の泡になってしまいます。早めに到着する人のことも考えて、30分前には到着出来るようなスケジューリングを立てておくと安心でしょう。

飲み会当日のマナー

幹事かどうかに関わらず、飲み会当日のマナーにも気をつけたいところ。仕事に慣れてくる頃には、お客様との接待に連れて行っていただいたり、社内で飲みに行ったりすることが増えてきます。そんなときに気をつけたい、飲み会でのマナーポイントをご紹介します。

「今年の新人は動かない」なんて言わせない!

会社の飲み会は、気遣い力が見られる場面でもあります。自分の席の近くに座っているお客様や上司の飲み物は注意をしてみておきましょう。もし空になったり残り少なくなったりしたら、ビールを注ぐ、または別の飲み物を頼むか伺ってみるといいです。

もちろん、周りの人のビールを注ぐのは義務ではありません。ですが、お酒は自分で注ぐのではなく周りに注いでもらうという「お酌文化」があることは事実です。あまり神経を使いすぎるのもよくありませんが、できる範囲で気配りしてみてはいかがでしょうか。

ビールの注ぎ方

ビールの注ぎ方でマナーを見ている人もいます。必ずやらなければいけないというわけではありませんが、知っておいてもいいでしょう。
上司のグラスにビールを注ぐとき、まずは手でラベルを隠さないように瓶の下部分を持ちます。そして傾けた瓶の上部にラベルが来るように両手でビール瓶を持ち、グラスに注ぎます。

また、先輩や上司と個別で乾杯するシーンもあります。その場合は、先輩や上司のグラスよりも少し下げた位置で乾杯するようにすると、マナーに厳しい先輩でも好印象です。下げすぎても相手が乾杯しづらいので1センチ程度下げることを目安にグラスを持ち、乾杯してみましょう。

うっかり上座に座ってしまったら…?

「気づいたら上座に座ってしまってた…!」

最初のうちは慣れないので、うっかりということもあるかもしれません。ですがビジネスでいきなり上座に座るというのは絶対に避けるべき。取引先の方が同席する場など、本当にマズい時には周囲がさりげなく声をかけてくれるはずです。

もし、途中で上座に座ってしまった事実に気がついた場合は、周囲の上司や先輩に「うっかり上座に座ってしまっていて申し訳ありません」と謝ってみてはいかがでしょうか。こういう時こそコミュニケーションが大切ですからね。

また、自分でうっかり座るのではなく、周囲が「向こうの席にどうぞ」と上座をすすめてくることがあります。新入社員歓迎会は新入社員が主役なので、十分にあり得ることです。

そんな時、「私はこちら(下座)で結構です。」と一度は断りを入れてみましょう。それでも「いいからいいから」とすすめられる場合には座っても構いません。ただし、そこでどっしり構えてしまうのはNG。お酌をしたり料理を取り分けたりといった気配りを忘れないようにすると好印象です。

まとめ

新社会人が最初に触れるであろう飲み会のマナーをご紹介しました。上座下座やお店選びなど、最初は煩わしく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて場数を踏んでいけば自然と覚えられるはずです。新社会人になってあわてることがないように、しっかり飲み会のマナーをマスターしておきましょう。

文:マイナビ学生の窓口編集部

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