「お納めください」の意味と正しい使い方。「ご査収ください」との違いも解説【例文つき】

更新:2024/08/09

電話・メール

ビジネスシーンで使用されることが多い言葉に「お納めください」があります。どのような場面で使用するのが正しいのでしょうか?社会人の常識として身に着けておきたい正しい意味や使い方を例文とともにご紹介します。

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「お納めください」の意味は?

「お納めください」は、堅苦しい雰囲気が感じられる言い回しですよね。一体、どのような意味で使用されるのでしょうか?

そもそも「納める」とは「決まった場所にしまいこむ」「片付ける」「受け取るべき人に渡す」などの意味がある言葉です。

そして「お納めください」は、贈り物を贈る際などに送り主が受け取る側に対して使用する尊敬語で「どうぞ受け取って、しまってください」という意味があります。

単に物理的な意味で「しまってください」というだけでなく、気持ちの上でも「どうぞ受け入れてください」とお願いするニュアンスを持つ言葉です。

「お納めください」の正しい使い方

「お納めください」の使い方

「お納めください」は、目上の人に贈り物を渡すときに、

「よろしければ、お納めください」
「ほんの気持ちですので、どうぞお納めください」

といった具合に使います。

ビジネスシーンでの贈り物といえば、代表的なものがお中元やお歳暮ですね。そのほかお礼やお詫びの意味で贈り物を渡したり、お菓子などの手土産を渡すようなときにも使えます。

使う相手は職場の先輩や上司、ビジネスでの取引先やお客様など、敬意を表すべき相手に対して使います。尊敬語であるため、部下や後輩に使うと丁寧すぎて不自然になってしまいます。

ちなみに、受け取る側は「頂戴いたします」や「いただきます」と言って受け取ります。かといって贈る側が「頂戴してください」とは言いませんので注意しましょう。

また、「お納めください」という言葉は、ビジネスシーンに限定して使用される種類の言葉ではありません。例えば、結婚式の前に両家で取り交わされる結納の際にも結納品を「幾久しくお納めください」と言ったりします。

「お納めください」のビジネスでの例文

では「お納めください」のビジネスシーンでの例文を見ていきましょう。

式典などで記念品を渡したいとき

「記念の品をご用意いたしましたので、どうぞお納めください」


目上の人達も集まる記念式典の場面を想定した例文です。帰り際に渡すお土産を「どうぞお持ち帰りください」という意味で使っています。

このように、人によっては遠慮してしまいがちなシーンで「お納めください」とアナウンスすることで、やんわりと受け取る側の背中を押してあげられるのです。

お礼の品を渡したいとき

「アンケートのお礼として図書カードを同封いたしましたので、お納めくださいませ」


封書で謝礼のギフトカードなどを贈る際に添えるメッセージカードの一文を想定した例文です。最近では実物カードのほか、メールでやり取りできるデジタルギフトも増えていますが、メールでも同様に「お納めください」が使えます

「ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて◯◯ギフトをご用意いたしました。どうぞお納めください」


このように「ささやかではございますが」「ほんの気持ちですが」といった言葉を添えて表現することも多いです。

お詫びの品を渡したいとき

お詫びの品を贈る際にも、同様に「お納め下さい」を使うことができます。

「お詫びのしるしに、心ばかりではございますがどうぞお納め下さい」


謝罪をするというシリアスなシーンでは、より丁寧な表現が求められます。「お詫びのしるしに」「お詫びのしるしと言ってはなんですが」といった言葉を添えるといいでしょう。

また、シンプルに「お納めください」よりも、「どうぞ(お納めください)」「どうか(お納めください)」の方が、より丁寧な印象となります。

「お納めください」と「ご査収ください」の違い

「お納めください」と似たような意味を持つ言葉に「ご査収ください」があります。「ご査収」はビジネスシーンではよく登場する言葉ですよね。

「ご査収ください」は、受け取って内容をよく調べてくださいという意味があるため、書類のやりとりでよく用いられています。

この2つの言葉には、次のような違いがあります。

●「ご査収ください」
⇒「内容をご確認ください」という意味がある

●「お納めください」
⇒「ご確認ください」という意味はない


さらにもう1点、次のような違いも。

●「お納めください」
⇒「遠慮せずに受け取ってください」というニュアンスがある

●「ご査収ください」
⇒「遠慮せずに」というニュアンスはない


よって「ご査収ください」の方が、より事務的なシーンで使われることが多い表現だと言えるでしょう。

書類によっては「お納めください」と言って渡すことは間違いではありませんが、お中元などの贈り物を「ご査収ください」と言って渡すのはNGですので注意しましょう。

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「お納めください」の言い換え表現

「お納めください」と意味が似ている言い換え表現をご紹介します。

ご笑納ください

「つまらないものですが受け取ってください」という意味で、お土産や贈り物を渡す際に使われます。ただし、「笑」という漢字が含まれていますので、謝罪のシーンでは使えません

お受け取りください

文字どおり「受け取ってください」の敬語表現です。直接的に「受け取る」という表現が含まれているため、どなたにもストレートに意味が伝わりやすいフレーズだと言えます。

ご受納ください

受納(じゅのう)とは、「物を受け納めること」「受け入れること」という意味。「お納めください」とほぼ同じ意味で使えますが、話し言葉としては分かりづらいため文章中で用いられることが多いです。

まとめ

「お納めください」の意味や使い方を知っていると、社会人の常識として役に立ちます。反対に間違って使用してしまうと常識が足りないと思われてしまうため、注意しましょう。

「お納めください」とセットで、贈り物を受け取る側の「頂戴いたします」という返答もあわせて覚えておくようにしましょう。

(学生の窓口編集部)

学生の窓口編集部

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