「コンプライアンス」とは?正しい意味、使い方をしっかり解説【例文つき】

更新:2023/11/21

ビジネス用語

「コンプライアンス」は社会人として必ず知っておきたいビジネス用語の1つ。「法令遵守」という意味をもつコンプライアンスは、昨今のビジネスシーンで企業が繁栄していくために欠かせない「企業としての姿勢」を表しています。

今回はこの「コンプライアンス」の意味や重要性、気をつけるべきリスクなどを解説します。使い方が分かる例文も紹介しますので、この機会に理解を深めましょう。

コンプライアンスとは

コンプライアンスの意味とは

まずは、コンプライアンスとはどういう意味なのか、コンプライアンスに関連する用語を含め、解説していきます。

コンプライアンスの意味

ビジネス用語の1つである「コンプライアンス」とは、一言で表現するなら「法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)」という意味になります。「遵守」は「順守」と表記することもあります。

もともとは英語で「compliance」と表記しますが、動詞の「comply:応じる、従う、守る」から生まれました。

具体的には法令だけでなく社内の就業規則なども含まれ、社会の一員として守るべきルールやモラル全般を遵守することを意味しています。

ちなみに「遵守(じゅんしゅ)」とは「規則や法律に従い、守ること」という意味です。続いてコンプライアンスに関連する用語をいくつかご紹介しましょう。

コンプライアンスに関連する用語

コンプライアンス違反

法令などのルールやモラルに反していることを指します。例えばパワハラが横行している企業に対して「あの企業のコンプライアンス違反は明白だ」のように使います。

同じような意味で「コンプライアンス欠如」という表現もあります。

コンプライアンス意識

コンプライアンス意識とは、ルールやモラルを守ろうとする意識のことです。例えば「まずは企業トップがコンプライアンス意識を高めることが大切だ」のように使います。

過剰コンプライアンス

過剰コンプライアンスとは、コンプライアンスを重視するあまり「あれもダメ、これもダメ」と企業としての身動きが取りづらくなってしまう状態を指します。

例えば映画の出演者の1人が不祥事を起こしてしまったことで、既に出来上がった映画の公開を取りやめてしまうようなときに「過剰コンプライアンスなのでは」と議論されることがあります。

コンプライアンスの重要性

コンプライアンスの重要性

日本国内におけるコンプライアンスは、過去に起きたさまざまな企業の不祥事を受けて2000年前後からその重要性が叫ばれるようになってきました。

例えば2002年に注目されたのが「牛肉産地偽装事件」。人々の身近な「食」に関わる事件だっただけに高い関心を集めることとなり、その企業の経営は急速に悪化していきます。

他にも信用力のある大企業による「粉飾決算」が行われたりと数々の不祥事が発覚。こうした中で「利益追求だけでない企業としての正しい姿勢」が問われるようになり、コンプライアンスが重要視されるようになったのです。

昨今ではインターネットやスマホの普及で、ビジネス環境も大きく変わりました。「炎上」という言葉があるとおり、ひとたび不祥事を起こしてしまうと簡単にSNS等で拡散され、企業が受ける打撃は相当なものとなります。

場合によってはビジネスシーンからの退陣を余儀なくされる可能性もゼロではありません。そうならないためにも、各企業はコンプライアンスの徹底に努めているのです。

コンプライアンスリスクの種類

コンプライアンスリスクの種類

では具体的に、企業はコンプライアンスとしてどんなリスク管理を行なっているのでしょうか。主に企業が気をつけている点をリストアップしました。

法令違反リスク

コンプライアンスのベースは「法令遵守」ですから、まずは法令に違反しないよう管理することが大切です。

法令は特定の業種に関連するような法律や、消費者を守るための「消費者契約法」などさまざま。例えば車の運転時に信号を守る、シートベルトをする、なんてことも法令遵守ですね。

人事関連リスク

人事関連リスクとは、例えばサービス残業や長時間残業が代表例です。それからパワハラ・セクハラといったハラスメントも当てはまります。

人事関連リスクは従業員との深刻なトラブルになりやすいので、特に注意したいところです。

情報漏えいリスク

企業の大切な機密情報や個人情報などが外部に漏れないよう、しっかりリスク管理することも大切。特に個人情報の漏えいは、顧客1人1人への謝罪に追い込まれ、企業としての信用を大きく損ねることになりかねません。

在宅ワークといった働き方の変化もふまえ、情報を持ち出すときのルールを作成し徹底していくことが求められます。

不正会計リスク

さも業績が良いかのように実態と異なる決算書を作ったり(=粉飾決算)、公開すべき情報を隠ぺいしたりするのが不正会計リスクです。

経理担当が会社のお金を横領したりするケースもしばしば見られますので、社内でのチェック体制をきちんと整えることが大切でしょう。

契約リスク

取引先との「契約」は、企業にとって重要なポイントです。後々のトラブルを防ぐために、不当な内容はないか、法令違反していないか、きちんと精査する必要があります。

また、これまでの商慣習の中で口約束のような形で契約するケースもあるかもしれません。ですがコンプライアンスの観点からは、万一のトラブルを考えて書面やデジタル契約を取り交わすべきでしょう。

コンプライアンスの例文

コンプライアンスの例文

「コンプライアンス」は、ビジネス用語としてどのように使われるのか、2つの例文から見てみましょう。

【例文1】

「わが社ではコンプライアンス体制を整えていますので、入社された皆様もコンプライアンスを意識し、社会人としての自覚を持っていただきたいと思います。」

新入社員が法律や規則を侵さぬよう、釘をさすような内容の例文です。

【例文2】

「お客様からのクレームに対しては、個人の主観のみで対応せず社内統一でお願いしたい。コンプライアンス違反を犯さぬよう社員1人1人がしっかりと自覚することで、サービスの質の向上と顧客満足度アップを目指しましょう」

社内ルールに則りクレーム対応を統一させて、適切に対応することで顧客満足度を向上させていきましょう、という例文です。

まとめ

まとめ

コンプライアンスとは一言でいえば「法令遵守」ですが、企業においては法令の他にも社内ルールやモラルなど、遵守すべきものはさまざまです。

コンプライアンスを徹底することで、企業は顧客や株主、地域住民など多方面から信頼を得ることができます。ビジネスを存続していくためには利益の追求だけにとどまらず、コンプライアンスもとても大切なのです。

(学生の窓口編集部)


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