エビデンスの意味と使い方は?ケース別例文つきで解説【スグ使えるビジネス用語集】

更新:2023/02/08

ビジネス用語

「その話、エビデンスは取れてる?」

ビジネスシーンでエビデンスと言われてドキッとしたことはありませんか。エビデンスとは「根拠」「証拠」という意味。医療分野をはじめとして、一般のビジネスシーンでも幅広く用いられるようになっています。

今回は、エビデンスの意味と使い方について、ケース別の例文とともにわかりやすく解説。よく似たカタカナ言葉もご紹介しますので、参考にしていただき理解を深めてみてください。

「エビデンス」の意味とは

エビデンス(evidence)

【意味】根拠、証拠

エビデンスは「科学的根拠」「合理的根拠」「証拠」「形跡」といった意味を持ちます。医療や政治、銀行そして一般のビジネスシーンまで幅広い分野で使われる言葉です。使用シーンによりニュアンスは少しずつ変化しますが、基本的には、「根拠、証拠」と言い換えることができます。

例えば医療・健康の分野でのエビデンスとは「実験によって科学的に示された根拠」を指します。つまり実験によるデータが必要です。

ですが、一般のビジネスシーンでのエビデンスはニュアンスが異なり、データのほか議事録や契約書面などを指すことも多いです。つまり物事を「見える化」することで「証拠」としているわけです。

「エビデンス」の使い方をケース別に解説

では早速、エビデンスの使い方を見ていきましょう。ケース別(分野別)に例文とともに解説していきます。まずは一般のビジネスシーンでの使い方から。

一般のビジネスシーンでの使い方

一般のビジネスシーンでのエビデンスはいくつかの種類があります。

●提案のシーンで:内容を裏付けるための具体的なデータや情報

社内での企画会議のとき、あるいは社外でのサービス提案のとき、「私が話す内容には根拠があります」と示すデータ資料などがエビデンスとなります。

<例文>
「今回の提案にあたっては、しっかりエビデンスも用意しています。」

●会議や打ち合わせで:議事録

会議や打ち合わせの内容を記す議事録のことを指すことも多いです。単に話し合っただけでは後で「言った」「言わない」のトラブルになることもありますよね。そこで書面やデータで記録(証拠)を残しておくのです。

<例文>
「今日の内容エビデンス残しておいてくれる?」

●営業シーンで:契約書面

営業での契約の際、口頭での約束だけでなく契約書面まで取り付けることを「エビデンスを取る」と表現します。

<例文>
「今日の訪問でエビデンスを取るのを忘れないようにしよう。」
✔️なぜビジネスでエビデンスが求められるのか?

ビジネスでエビデンスが求められる理由は大きく2つあります。1つは議事録やメールなどで見える化しておくことで後々のトラブルを避けるため。そしてもう1つは提案をするときに説得力が増すためです。例えばあなたがクライアント先に提案した商品・サービスにエビデンスがあれば、「そういう実績があるのか」と相手に納得してもらいやすくなるはずです。

IT分野での使い方

IT分野では、システム開発の過程でプログラムが正常に動いているデータやソースコード、画面キャプチャをエビデンスと呼びます。正常なときだけでなく、不具合が出たときも同様に用いられます。

<例文>
「システムAの不具合、エビデンス見せてくれる?」

医療分野での使い方

医療分野では、薬や治療法など様々な医療行為について、本当に効果があるのか、安全性はどうなのかを必ず確認します。実験を行ったり、データを分析したりすることで得られる「科学的根拠」のことをエビデンスといいます。

<例文>
「この○○療法には信頼できるエビデンスが無いのではないか」

コールセンターや電話業務での使い方

コールセンターなどの電話業務では、顧客からの問い合わせやクレームや要望などの内容を、録音して記録として残すことをエビデンスと言います。エビデンスを正しく残しておくことで、お客様やクライアント先とのトラブルを回避することができます。

<例文>
「コールセンターでは、客観的なエビデンスを残すことでお客様とのくい違いを防ぐよう努めています。」

銀行など金融業界での使い方

銀行などの金融業界でのエビデンスは、主に融資を受けたいときなどに提出する本人確認書類、公的な書類のことを指します。例えば「運転免許証コピー」「源泉徴収票」「住民票」などが当てはまります。

<例文>
「融資のご相談で必要なエビデンスはこちらです。」

また、外国送金の際にはマネーロンダリングを避けるため資金の出どころなどが分かる書類を求められることがあり、この書類のことをエビデンスと呼ぶこともあります。

行政での使い方

行政におけるエビデンスは、政策の立案にあたっての「合理的根拠」という意味で使われています。内閣府ではEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)という取り組みを推進中。EBPMとは「統計データ等のエビデンスに基づく政策の立案」のことを指しています。

<例文>
「エビデンスに基づく政策は、国民の信頼へとつながるはずだ。」

「エビデンス」のビジネス例文集

ビジネスシーンを想定したエビデンスの例文をもう少しご紹介しましょう。

<例文1>
「打ち合わせ内容のエビデンスを先方に送ってください。」

これはエビデンスが「議事録」として使われている例文ですね。単に送るだけでなく、先方からの了承連絡が必要なことも多いので注意が必要です。もしもメールでエビデンスを取るならば「相違があった場合には、ご連絡ください」などと一言添えて送るといいでしょう。

<例文2>
「Aの件、エビデンスは残っていますか。」

これは話が食い違っていると感じるシーンなどで使われます。照合するために、先方に対して、証拠が残っていますかと聞いているわけです。エビデンスの提出を要請された場合には、データや書面をすぐに提出できるように整理しておく必要があります。

<例文3>
「B案のエビデンス資料は魅力があるので、B案を採用しよう。」

セールスでの提案に具体的な根拠が提示されていて、それが魅力あるものだった場合には強力なアピールポイントになります。

<例文4>
「仕事では自分を守るためにも、エビデンスを残すことは大事だ。」

仕事では「言った」「言わない」のトラブルが発生しがち。忙しい中で何となく返事したものの、後になってあまり覚えがない、なんてことも。電話や対面で大切なやりとりがあった場合には、できるだけデータや書面で残すことが大切。メールで書き記すほか、「打ち合わせ記録」などの帳票を用意している会社もあります。

<例文5>
「エビデンスに乏しい健康食品を採用するわけにはいかない。」

最後にビジネスだけでなくプライベートでも使えそうな例文のご紹介です。健康食品は「食品」なので「お薬」ではありませんが、やはり効能は気になるところ。単に魅力的なパッケージだけで決めるのではなく、集団での実験データなどエビデンスも意識したいものです。

エビデンスと意味が似ている類義語・カタカナ語

エビデンスと意味が似ている類義語には、

・証拠
・物証
・裏付け

などが当てはまります。
そのほか、エビデンスと同様のシーンで用いられ混同しやすいカタカナ言葉もご紹介します。

ファクト

ファクトは「事実」という意味です。事実のため、〇〇という商品は売上No1だ、といった事実を指すことはできますが、なぜNo1なのか、といった根拠を提示する場合には、エビデンスが必要になります。

上記のように、事実が求められるシーンではファクトを使うことができますが、事実の根拠について検証などをする際には、エビデンスを用いることが正と言えます。

ソース

ソースは「出どころ」「みなもと」という意味。証拠というニュアンスもありますが、どちらかというと「どこから持ってきたものか」を強調したいときに使います。「情報ソースはこちらです」といった具合ですね。

リファレンス

リファレンスは「参照」「照会」といった意味です。「見て確かめるもの」というニュアンスとなります。リファレンスは参照するもの(資料など)を指すのに対して、エビデンスは証拠となるデータそのものを指します。

まとめ:ビジネスではエビデンスが重要

ビジネスシーンでは「エビデンスがあると説得力が増す」といったところで、エビデンスが重要視される傾向にあります。また記録としてエビデンスを残すことでトラブルを防ぎ、ビジネスを円滑に進めることにもつながります。上司にエビデンスを依頼されたら、しっかり取るようにしましょう!

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【例文つき】ビジネス用語・カタカナ語80選!

文・マイナビ学生の窓口編集部

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