学校を卒業して、いよいよ新社会人。会社に入ると必ず残業があると言われていますが、新卒者の労働時間は、全体でだいたいどのくらいの時間になるのでしょう?
学生の間の生活とはリズムが違うせいで、不安に思っている人もいるかもしれませんね。
心配をしすぎることのないよう、一般的な残業を含む新卒者の勤務時間について、あらかじめ知っておきましょう。
日本の企業の多くが取り入れているのが「9時始業、18時終業」のスタイルです。間に1時間の昼休憩が入るので実質の労働時間は「8時間」となり、これが日本全体の企業の平均労働時間となっています。
フレックスタイム制を取り入れている企業も増えていますから、始業や終業の時間には幅がありますが、正社員やフルタイムで働く派遣社員などの労働時間の平均は、ほぼ同じと考えてよいでしょう。
農作業や工業などが主流となっていた時代に基本となったのが「8時間労働」ですが、現代の社会や生き方にそぐわないとして、ワークライフバランスの考え方を基本に「6時間労働」などを打ち出す企業も少しずつ出てきてはいます。しかし市場の動きをベースとして企業が動いている以上、すぐに平均労働時間が変化する可能性は少ないでしょう。
世界を見ると、平均労働時間は国ごとに違いますが、日本に支社を設けるなら日本社会のルールに従って労働時間を定める必要があるため、資本が国内にあるか海外にあるかで大きな違いはほぼ見られません。
新卒者は業務に慣れていないため、一人での残業を命じられることはまずありません。
特に研修期間は「働く」より「学ぶ」時間が長く、後輩指導についている先輩の時間が割かれるため、残業をさせても会社側に利益が出ないという現実的な側面があります。
それでも先輩について学ぶ必要がある時、業務全体に滞りが出そうな時など、ケースバイケースで残る必要は出てきますが、自分の判断で残業をしなければならない状況は多くないはず。つまり、新卒でいきなり残業を毎日させられる可能性は低いと考えて良いでしょう。
では、もし命じられたら?新卒者はどれくらい残業させられるのでしょうか。残業代が基本給の一部として固定で支払われる場合、就業規則の中に「残業月平均〇〇時間」と明記されていますから、まずはそちらを確認してみましょう。「月平均20時間」と書かれていれば、単純に1日の平均残業時間は1時間以内と考えられますし、30時間であれば1時間を超える残業の可能性もある、ということになります。
とはいえ、これはあくまで「残業が発生した場合」の条件。必ず毎月これだけ残業しなさい、という意味ではありません。基本的には新卒者にそこまで残業を求める会社は多くないのが現実です。ただ、新卒者であっても即戦力として働く職種の場合には、プロとして現場に立つことになりますから、異なるケースや判断が出ることはありえます。その場合は先輩や上司に確認し、必要に応じて対応しましょう。
時として、残業を美化している会社があります。そのような環境では、定時で帰る新人に対して「やる気が見られない」といった判断を下す先輩や上司がいる可能性がありますが、きちんと働いて定時に帰ることは労働者として当然の権利です。残業が必須になっていたり、定められた残業時間を大幅に超えて働かされる場合は、労働基準法に違反していないかを確かめるため、労基法の知識を学ぶと良いでしょう。
労働基準法では、「週に40時間を超える労働は原則として認めない」と定めています。
1日の平均労働時間が8時間なら、5日出勤すれば40時間です。それを超えて残業をする必要がある場合には、きちんと会社と働く人の間で協定を結んだ上で、1ヶ月で45時間を超えない範囲に収めなければなりません。これを超えるような働き方を強いるような会社は、健康的に働ける環境とは少々言いがたくなります。
いわゆるブラック企業と呼ばれる会社は長時間労働を良しとする環境が多いのですが、企業には従業員の心身の健康を守る義務があることを覚えておきましょう。正常に働ける環境か、働けば正しく評価してもらえる環境かを見極めて企業を選ぶ目も、新卒の立場でありながら長時間労働にさらされたりしないためには必要です。
会社や職種で条件は多少異なりますが、新卒者の平均的な労働時間は、残業を含めて約8時間と考えて良いでしょう。
周りが残っていて帰りづらい時は、指導係の先輩や上司に「何かすることはありますか?」と尋ね、ないと言われたら「お先に失礼します」と席を立ちましょう。先に帰る後ろめたさから挨拶をせずに出て行ってしまう人がいますが、黙っていなくなるほうがよっぽどマナー違反。きちんと挨拶をしてから退席するようにしましょうね。
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