書店営業に聞く、「本屋の意外な楽しみ方」

更新:2018/11/01

社会人ライフ

■東野圭吾に注目?

−ううん……本棚がいろいろ工夫されているのは分かりましたが、素人目から見るとあんまり違いが分からないかも…。油井さんが「おおっ」と思う棚ってどんな棚ですか?

「東野圭吾さんの小説がひとまとめになっている本屋さんを見ると、『スタッフさん、アツイ!』と思いますね。本屋さんは、本の売り上げを集計するとき、出版社別などで、カテゴライズした上でまとめて行います。つまり、本屋さんにとって、出版社別に本が陳列してあったほうが、メンテナンスを行ううえで非常に都合がいいわけです。しかし、東野圭吾さんのように、さまざまな出版社から本を出している作家さんの本を見つけるとき、それが出版社別の棚で陳列されていると、客側としては非常に探しにくいですよね。ですから、作家別といった具合に、出版社以外のテーマを元に作られた本棚には、手間をかけてでも本を売りたいという、スタッフさんの愛がこもっていると僕は思います。もちろん、出版社ごとに作られた本棚は帯が揃っていて見やすいという人も多いので、あくまで好みの話ですが」

−普段何気なく見ている本棚って、実はスタッフさんの努力の結晶だったのですね。

■ひとことアドバイス

「最近の僕の一押しは、京都市左京区にある、本と雑貨のセレクトショップ『恵文社一乗寺店』。個人で作った雑誌なども豊富で、他の書店ではお目にかかれない本に出会えると思います。書店に関わる人の間でもちょっとした有名店なので、ぜひ観光がてら訪れてみては」

「本屋は、その土地を凝縮した場所」と油井さん。本屋さんを通じて、その土地のカラーや住民の顔を見ることができるのだとか。本屋は単に本を買うだけの場所ではないのかもしれません。確かにこれは、ネット注文などでは味わえないこと。本屋さんに行く魅力って、こんなところにあるのかもしれませんね。

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