長びく不況で、教育費の全額を親が負担することができず、奨学金をもらいながら大学に通う学生は年々増えています。この2月にマイナビが、卒業予定の19〜29歳の内定者379人に実施したアンケートでも、実に45.6%が奨学金を受給。そのうちの多くの人は卒業と同時に返済を始めなければならず、平均返済金額は324万円、完済予定期間は約18年となっています。そしてここ数年、さまざまな事情で奨学金が返済できなくなる滞納問題など、ネガティブな報道も目につくようになってきました。
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就職と同時に始まる試練!? 奨学金の返済って正直大変なの? 経験者に聞いてみた
確かに社会人生活のスタートから大きな借金を負っていると考えれば、先行きに不安を感じる人もいるでしょう。でも実際のところ、奨学金はできるだけ急いで返済した方がいいお金なのでしょうか? ファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢さんにお話を伺いました。
Point1 奨学金の金利は他の借金よりずっと有利
日本学生支援機構の奨学金の金利は、時期により変動はありますが、だいたい1%前後(第二種奨学金の場合)。最大でも3%以内と決められています。ちなみに平成25年の固定型利率は0.79%〜1.09%、変動型利率(一定期間で利率を見直す方式)は0.2%〜0.3%と、とても低利率。たとえばメガバンク系のカードローンの金利は4〜14%、消費者金融は5〜18%くらいなので、ほかの金融機関の融資と比べてみてもかなり良心的です。ですから、決められた返還年数を使って返したとしても、利息の支払いはさほど大きな負担にはなりません。
Point2 ローンの審査でも奨学金は不利にならない
では、近いに将来マイカーや住宅購入のためにローンを組む時、奨学金の返済が残っているとどうなるの? と思いますよね。結論から言うと、奨学金は「良い性質の借入れ」と判断され、審査ではさほどネガティブな要素にはなりません。むしろクレジットカードのキャッシングや、リボ払いの残高がある方がマイナスポイントは大きく、完済してもその後5年間は個人信用情報機関に登録されます。特にリボ払いは10%以上の利息がつくにもかかわらず、「借金をしている」という意識を持ちにくいので注意が必要です。
Point3 返済はゆっくりコツコツとでいい
これらの理由から、奨学金の返済は無理をしてまで急ぐ必要はないことが分かります。決められた返還年数いっぱいでコツコツ返しても、大きく損をすることはありません。それでも「なるべく早く返済したい」という人は、用途の決まっていない貯蓄が年収の半分くらいできた時に、改めて繰り上げ返済を考えてみれば良いと思います。
長年にわたる返済は大変ですが、長期的な視野に立った、無理のない家計管理の習慣を身につけるチャンスでもあります。奨学金を受けることで学業を修め、晴れて社会人の一歩を踏み出したみなさんは、良い選択をしたとポジティブに考えてみてはいかがでしょうか。ただ良心的な奨学金といえども、延滞にはかなり厳しいペナルティが課されるので注意が必要。病気や経済的な事情など、返済できない正当な理由がある場合は、一定期間返済が猶予されますので、必ず手続きをするようにしましょう。
文●鈴木恵美子
風呂内亜矢さんプロフィール
26歳でマンション購入したことをきっかけにお金の勉強を開始。現在は夫婦で4件の物件を所有。TV、新聞、セミナーなどで情報発信中。
アンケート:フレッシャーズ調べ(今年卒業予定の内定者379名)
調査期間:2014年2月
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