「KAROSHI(過労死)」という言葉が英語の辞書にのるほど、「日本人は働きすぎ」と言われます。それに比べて、「アメリカ人は働かない」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし実は、日本よりアメリカの方が年間の労働時間が長いという調査結果があります。
(※一人当たり平均年間総実労働時間参照)日本には「サービス残業」というか数字には表れない悪しき(?) 慣習がありますし、この計算には非正規雇用も含まれているので、このデータを鵜呑みにすることはできません。しかし、「アメリカ人は働いていない」というなんとなくのイメージを払しょくするデータであることは確かなようです。
■一人当たり平均年間総実労働時間
1位 韓国 2,193時間
2位 アメリカ 1,778時間
3位 イタリア 1,778時間
4位 ニュージーランド 1,758時間
5位 日本 1,733時間
6位 カナダ 1,702時間
7位 フィンランド 1,697時間
8位 オーストラリア 1,686時間
9位 イギリス 1,647時間
10位 スウェーデン 1,624時間
11位 フランス 1,562時間
(資料) 独立行政法人 労働政策研究・研修機構
『SONYとマッキンゼーと DeNAとシリコンバレーで学んだグローバル・リーダー流儀』(ディスカヴァー刊)の著者、森本作也さんによると、アメリカ人でも長時間働く人は多いそうです。ただ、日本人とは労働観の違いが大きく3つあると言います。
【1】
彼らは義理や周囲への罪悪感で働くことはないということ。「働かされる」ことを嫌い、自主的に働くことを好みます。
【2】
どんなにワーカホリックな人でも、できるだけプライベートや家族との時間を確保する努力をすること。家族の時間をとらないと離婚の危機になるのだとか......。
【3】
そもそも長時間働くことが決してよいことだとは思っていないこと。日本では、長時間労働は努力や忠誠心の表れとしてみられますが、アメリカでは、事務処理が遅い、効率が悪い、意志決定が遅いなど「仕事のできない人」とみられます。日米どちらの労働観にも優劣があるわけではなく、歴史の中で培ってきた文化なのです。
急速にグローバル化する社会の中で生き残るためには、英語を話せるのみでなく、こういった労働に対する価値観の多様性を受け入れていく必要があるのではないでしょうか。
グローバル企業を目指すなら、まずは他文化理解から! それには、実態を知っておくことが何より大切なのです。
文・編集部
『SONYとマッキンゼーと DeNAとシリコンバレーで学んだグローバル・リーダー流儀』
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799314166
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