稲川淳二の怪談がこわい3つの理由

2013/10/05

新生活・準備

稲川淳二の怪談がこわい3つの理由

猛暑だった今年の夏。みなさんは、どんな暑さ対策で乗り切りましたか? 定番といえば、怪談ですが、怪談界の重鎮、稲川淳二はテレビに夏フェスに大活躍。そんな「怪談=稲川淳二」となるほどの第一人者である彼の怪談スタイルは、具体的な話を坦々と展開するのが特徴で、実は話し方そのものに、おどろおどろしさや不気味な感じはあまりないのですが、それなのに一体なぜあんなに怖いのでしょう。その秘密を、「10倍伝わる話し方セミナー」講師の渡辺美紀さんに聞きました。



【稲川淳二の話し方は、"上手"ではない!?】

プロから見ると、稲川淳二の話し方はどう映るのでしょう。上手な話し方の王道と言えるのか、それとも基本からは少し外れた、独自に開拓した話し方なのか、まずそこを伺いました。

「稲川さんの話し方は、早口でほとんど抑揚がなく、ところどころ聞き取りづらい部分もあります。『音の出し方』としては、『王道・基本』というより、かなり独自のもの」と渡辺さん。しかし、それでも聞き手を話に引き込み、「怖い」と感じさせるのは、主に以下のような3つの要因があるからだそうです。



【つい最後まで聞いてしまう、3つの大きな要因とは?】

1.大事なところで「まばたき」をしない

稲川淳二は、大きな目を見開いて怪談を語りますが、全体的に(クライマックスでは特に)ほとんどと言っていいほどまばたきをしません。まばたきというのは、聞き手との間に幕を下ろす行為。まばたきをすると、聞き手を引き込む力は、そこで途切れてしまいます。



2.情景をありありと思い浮かべて伝えている

稲川淳二の怪談からは、彼が情景をありありと思い浮かべていることが伝わってきます。本人が話す内容を完全に理解し、頭の中で思い浮かべた情景を見ながら、「こんなものが見えますよ」、「こんな音が聞こえましたよ」と伝えると、聞き手の心にも、ありありと情景が浮かぶものなのです。逆に、本人が情景を思い浮かべずに文字面だけを伝えようとすると、どんなに強弱や抑揚をつけても、聞き手の心に情景は浮かびません。



3.結論を最後にとっておく

稲川淳二の怪談では、大抵の場合、例えば「○○したときの話です」とテーマから始まり、「具体的なエピソード」が続き、最後に「結論」が語られます。最初に「こうなりました」と「結論」を言ってしまったら、最初の数十秒で飽きてしまうもの。すぐに結論が分からないから、想像がふくらみ、最後まで聞きたくなるのです。



【余計な演出を省いた、坦々とした語り口も怖さの秘訣】

以上の3つの要因により、聞き手は話に引き込まれ、情景を思い浮かべるため、結果的に「怖い」と感じます。さらには、逆説的ですが、おどろおどろしい声音など「聞き手の想像を邪魔する余計な演出をしない」ことも怖さの一因だそう。「笑顔で、忠実に、坦々と伝えるからこそ、聞き手に内容がきちんと伝わり、怖いと感じられるのです。もし稲川さんが、わざとらしくくさい演技をしながら話したら、怖さは感じられなくなるかもしれません」(同上)

もちろん、怪談にかける想いや、表現者としての天性の才能も、多くの人を魅了する要因でしょう。誰にでもまねできる話し方ではありませんが、部分的には、例えば「商談やプレゼンの場面ではなるべくまばたきを控える」、「営業トークでは、商品の形状や実際に使っている様子を思い浮かべながら話す」というように、ビジネスのヒントにもできそうです。



夏は終わりましたが、怪談は夏しか聞いてはいけない、というルールはありません。稲川淳二オフィシャルサイトによると、秋や冬の怪談ツアーも予定しているとの情報が。また、怪談が聞けるアプリや、ボイス付きアプリゲームも出ているようです。秋の夜長に、怪談を楽しむのもアリかもしれませんね。



文●本居佳菜子(エフスタイル)



取材協力/渡辺美紀さん

「10倍伝わる話し方セミナー」代表・講師。テレビキャスター・レポーター・ナレーター・司会者として活躍するほか、企業研修講師としては3,000人以上を指導。著書に、『言いたいことは1分で!10倍伝わる話し方』(幻冬舎)、『たった一言 伝え方を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(中経出版)などがある。

HP:http://www.tsutawaru-miki-watanabe.com/

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