「またかよ......」バチッという音と共に、それまで正常に動いていた照明や生活家電が一斉に停止。シーンとなった暗闇の中を、手探りでブレーカーを上げに行く。そんな経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。
さらに、ブレーカーが落ちたことが原因で、機器が故障したりパソコンのデータが飛んでしまったり......。そんな憎き「ブレーカー落ち」について、とっさのことにアタフタしないよう、その原因と対策を知っておきましょう。
●「ブレーカー」は、どこにある?
ブレーカーの設置場所は、物件によってまちまち。玄関だったり、洗面所だったり......まずは、ブレーカーがどこに設置してあるかを確認しておきましょう。これを怠ると、いざブレーカーが落ちたときに大変です。昼間なら問題なく設置場所を探せますが、夜だった場合、暗闇の中を手探りで設置場所までたどり着かなくてはなりません。何も見えない暗闇の中、どこにあるのか分からないブレーカーを探すことができますか?
●「ブレーカー」には容量が決められている
ブレーカーには電気容量が決められていることはご存じですか? つまり、各家庭に配電する電気の供給量をブレーカーで定めているわけです。供給量を示すアンペア数によって、電気の基本料金は変わってきます。電気代節約のために、アンペア数を落としている家庭もあるようですよ。
毎日のようにブレーカーが落ちてしまうという方は、電気の使用量とブレーカーの容量との差が大きいためだと思われます。その場合には、アンペア数を上げることでブレーカー落ちを防げるかもしれません。一度、大家さんや管理会社に相談されてみると良いでしょう。
●20Aで使用できるのは2000Wまで
ブレーカーが落ちる原因は、電気の供給量に対して使用量が多いから。契約アンペア数が20Aの場合なら、同時に使用できる電力消費量はおよそ2000Wまでです。これは、【消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)】で計算することができます。ここで少し、普段からよく使われる家電で消費電力が高いものをご紹介しましょう。
・電子レンジ(約1400W)
・掃除機(約1300W)
・ドライヤー(約1200W)
・エアコン(約700W)
例えばエアコンをつけながら電子レンジとドライヤーを使用すると、供給量を一気に超えてしまいブレーカーが落ちるのです。「そういえば、あのとき!」なんて、思い当たることもあるのでないでしょうか?
●「ブレーカー落ち」を防ぐ方法
ブレーカー落ちの原因が分かったところで気になるのが、「どうすれば防げるのか?」という対策でしょう。アンペア数を上げるというお話は少し触れましたが、他にもいろいろな手段があるのでご紹介します。
・契約アンペア数を変える
・こまめに電源を落とす
・無駄な電気は使用しない
・消費電力の低い電化製品を使う
契約アンペア数を変える場合は、必ず大家さんや管理会社の許可を取りましょう。また、その場合は基本料金が上がりますので注意が必要です。東京電力管内であれば、20A→30Aへ変更すると約300円のプラスになります。
アンペア数を変えるのが最も手っ取り早い対策ですが、許可が下りないという場合もあるでしょう。そんなときは、電気の"使い方"を変えるだけでも、ブレーカー落ちの防止につながります。つまり、使用電力を抑えることが肝心なのです。昨今はまさに節電ブームですから、これを機にぜひとも取り組んでみてはいかがでしょうか。
(文:阿部 裕二)
執筆者プロフィル
阿部 裕二
スタイルワンコンサルティング代表、家と家計の専門家として活動中。有名注文住宅メーカーで80棟の家をプロデュース後、大手保険会社の代理店へ転進。9年間、ファイナンス業務に従事した後に独立。住宅と家計の両面から、無理・無駄なく住宅を手に入れるためのプロフェッショナル。
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