「女性が多い職場と男性が多い職場、どちらが大変だと思いますか?」。社会人396人を対象に調査したところ、回答で圧倒的に多かったのが「女性が多い職場」。理由のなかで目立ったのは、「女の世界はドロドロしているから」と、もはや、慣用句のように扱われている言葉でした。果たして本当に、「女性が多い職場」は大変なのでしょうか?
【男女で違う、仕事の"評価基準"】
調査ではほかにも、「結婚や出産などの妬みがすごく激しそう」(女性/28歳/その他)、「女は腹の探り合いのドロっとした面がありますから」(女性/25歳/機械・精密機器)、「派閥とか怖そう。お局さまがいたりしそう」(女性/25歳/情報・IT)と、「女性が多い職場」に対する恐ろしいイメージが続々と登場。個人の性格にもよるので、一概には「女=ドロドロした陰湿な部分がある」とは言えませんが、実際に、「女性が多い職場」は、どんな世界なのか、その特徴や、うまくやっていくための秘策を知るために、これまで1000人以上の学生の就職支援を行ってきたキャリアカウンセラーの壷井央子さんにお話を伺ってみました。
はじめに壷井さんには、「女性が多い職場はどんな特徴があるのでしょうか?」と質問! すると、「女性は一緒に働くメンバーが好きかどうかということに重きを置き、相手の役職や肩書はそれほど重要視しません。上司だから立てなければという思いも少ないので、『この人の言うことなら聞こう』と思える上司がいなければ、職場の統率が取れなくなるという面があります」と、注意点についてコメント。さらに、壷井さん曰く「女性は物事を感情で判断してしまう面がある」ため、ビジネスにおいても、仕事内容の良し悪しに関わらず、その人を好きか嫌いかで評価してしまいがちなよう。「感情で左右されがちな女性の多い職場でうまくやっていくには『目の前の仕事をこなし、成果を出すこと』以上に、『周りへの配慮』や『周りの空気を読む』ことで、協調性をアピールすることが求められますね」と、アドバイスしてくれました。
一方、「男性が多い職場」は、感情が重視される女性社会に比べて、比較的シンプルで評価が見えやすいのだとか。男性は無意識的に「目上の人をたてる」意識が働くため、基本的には部署の方針、上司の方針に沿う働き方をするそうです。「女性から見ると、男性が多い職場には、筋が通らないことでも反発をせずに、上司の意見を汲もうとする雰囲気があり、違和感を覚えることもありますが、結果を出していれば評価が得られやすく、純粋に『目の前の仕事をこなし、成果を出すこと』ことを評価につなげていける訳です。逆に結果が出なければ『がんばっていたのですが......』では通用しない厳しい面もありますが、男性が多い職場においては、目の前の仕事にきっちり取り組み、その結果に責任が持てるように心がけておくことが大事だと言えます」。
【女性の多い職場では"気遣い"を忘れずに】
こうして男女の例を見ると、「目の前の仕事にきっちり取り組み、結果を出すこと」で評価される男性より、評価基準や評価結果の見えにくい女性中心の職場は気苦労が多いのかもしれません。ですが「周りへの配慮」や「周りの空気を読む」ことも仕事の一部と捉え、協調性を持つように心がけて周囲と接していけば、きっと、うまくやっていけるはず。話題を横取りしない、「お疲れ様」「ありがとう」を積極的に言う、などの小さなコミュニケーションも大切にし、周りへの気遣いを忘れないようにしましょう。
とはいえ、周囲への気配りばかりに気を回し過ぎて、自分の気持ちを押さえ込んでしまうと、反対に職場での不満が溜まっていきかねません。最後に壷井さんは「女性の多い職場では、自分なりの目標を定めて、自分なりのモチベーションを保っていくことも大事なんです」と、ポジティブな気持ちを持つように指南。女性の多い職場も男性が多い職場も、どちらも大変な面はありそうですが、それぞれのシーンに合わせて対応し、人間関係を円滑に楽しく働くことができれば最高ですね!
調査期間:2012/10/26〜2012/10/28/アンケート対象:マイナビニュース会員/有効回答数:マイナビニュース会員396人(ウェブログイン式)
文●平井ライラ (エフスタイル)
壷井央子さん:キャリアカウンセラー。250社以上の企業の採用支援と、1000名以上の学生の就職支援、1500名以上の転職希望者との面談を重ねてきた実績をもとに、現在は学生から社会人まで幅広いキャリアカウンセリングを行っている。2012年4月、これからの多様な「女性の働き方」を応援する「なでしこベンチャー大學」を開学。
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