日本における犯罪件数は、2002年をピークにその後減少傾向が続いています(※1)。にもかかわらず警視庁が実施した「都内の治安に関するアンケート」(※2)によると65.4%の人が、自分が犯罪に巻き込まれる不安を抱えているといった結果が出されています。危険を感じている犯罪は「侵入窃盗」。どのような防犯対策を講じればいいのでしょうか。
※1 警察庁「犯罪統計資料」 ※2 警視庁調べ(平成22年3月11日〜4月2日)
●侵入窃盗犯はどこから侵入する?
多くの人の不安を駆り立てる「侵入窃盗」。実際、どこからどんな方法で侵入しているのでしょうか。
警察庁の調べによると侵入口としてもっとも多かったのが「窓」。次いで「表出入り口」でした。窓からの侵入方法は、窓ガラスを割ってそこに手を入れて解錠する「ガラス破り」が主流。ドライバー一本あれば数秒で窓ガラスを破壊できると言われています。また、「表出入り口」からの侵入では、鍵のかかっていない玄関から堂々と侵入する「無締まり」が6割以上を占めています。
【防犯ポイント】
鍵をかけていない「無締まり」状態で侵入されるケースが多く報告されています。ゴミ出しや近所への買い物の際にも、必ず鍵をかけてから出掛けることを習慣づけましょう。
●侵入窃盗犯ってどんな人物!?
日常生活で侵入窃盗犯をイメージすることは少ないもの。しかし防犯効果を高めるためにも、犯人の人物像や行動パターンを描いておくことは重要です。
<侵入窃盗犯のプロファイリング>
・単独での犯行が多い。しかし、未成年の場合は仲間がいる割合が高まる
・侵入しやすいか、逃げやすいか、居住者が留守かを事前にチェックしている
・留守宅か確かめるため、インターホンを押したり、居住者の動向を近くで見張ったりする
・侵入に5分以上かかると、侵入をあきらめてしまう傾向がある
・近所の人に声をかけられたり、ジロジロと見られたりすることが苦手
【防犯ポイント】
簡単に侵入されないよう防犯対策を講じることは効果的と言えます。また近所で不審者を見かけたら、ジロジロと見るだけでも犯行への抑止力につながります。
●防犯意識を高めた部屋にする
侵入窃盗犯の行動パターンや手口がわかれば、それをもとに防犯対策を講じることができます。まずは防犯意識を高め、どのようにして自分の家を守るかを考えてみましょう。
■一人暮らしでも、すぐに始められる防犯対策
・ゴミ出し、近場の買い物でも必ず鍵をかける
・外出するときは戸締まりを忘れずに行う
・ベランダに物を置かない。侵入者が身を潜めていても分からないような空間を作らない
・郵便ポストや植木の中に鍵を置いて外出しない
・足場になるものを片づける
・新聞や郵便物をためない
「盗まれたお金のことより、この家に人が入ったという事実がすごく怖い」という話もあります。これから年末に向けて防犯意識を高め、不安を少しでも取り除いておくために、自分の身を守るための防犯対策を始めてみてはいかがでしょうか。
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