近年は大学生によるネットビジネスの起業が盛んですが、その多くがサービスの収益化に苦しみ、継続できていないのが現実です。ではどうすれば学生の起業を継続・成功させることができるのでしょうか。学生時代に創業してからさまざまな事業の経験を積み、多くの成功を収めてきたビジネスアイデアの天才・ビジネスコンサルタントの渡邊健太郎さんに聞きました。
「大学は人生の分岐点なので、ここで得た学生の顧客が生涯に渡って利益をもたらしてくれる、そんなビジネスモデルを描くことも可能ですよね。でも、大学生には身近にもっと大きなチャンスがあります。それは大学OBの経営者の存在です。ゼミの教授にお願いして、卒業生で社長になった人を紹介してもらうんです。僕自身もよく頼まれて、起業を志す学生の相談に乗ったりしますが、誰だって、後輩が自分のところに来てくれれば可愛いし応援したいと思いますよ。先輩を頼っていけば、顧客として契約も取れたりするので、企業相手のビジネスも軌道に乗りやすい。大学生なら、このヒューマンインフラを利用しない手はありません」(渡邊氏、以下同)
「特に学生限定ではないのですが、『ビジネス成功の4原則』を提唱しています。 第1は『立ち上げコストを限りなくゼロに』。今はパソコンや回線料も安いし、無料のウェブサービスもたくさんあります。初期費用がほぼゼロで起業できるので、チャンスは多い。逆に、事務所や店舗を持つようなビジネスは、大学生にはお勧めできません。 第2は『月極でお金が入る仕組みを作る』。毎月一定の収入があり、しかも小額多数であるほどビジネスは安定します。一般ユーザーでもいいですが、企業との契約も欲しい。こんな時こそ、先ほどお話した大学OBのいる会社が頼りになると思います。 第3は『利益率の高いビジネスをする』。粗利は少なくとも7割以上は欲しい。そして第4は『在庫を持たない』。これら4つの原則を守り、あてはまるものが多いほどビジネスがうまくいく確率は高くなります」
「やはり学生が始めやすいのは、アプリ開発や情報メディアの制作でしょうね。 ただ、みんながやりたいことは結局どれも似てきてしまいます。そこで強く勧めたいのが『人がやりたがらないこと』に関わるビジネス。今や3Kや5Kと言われる世界には、ビジネスチャンスが山のようにあります」
「たとえば最近、飲食業はキツいと若者に徹底的に敬遠されていて、人手不足が深刻になっていますよね。そこでもし若者をモチベートする画期的な人材派遣のしくみが開発できたら、飲食業界が殺到するでしょう。今年話題になっているネット上の風評監視システムなども、若干後ろ向きですけど、企業のニーズはとても多い。東南アジアには、日本製のバキュームカーを払い下げて衛生&堆肥ビジネスを展開する若者もいます。これも敬遠されがちな分野ですが、非常に有益で将来性がありますね。 これからのベンチャーは、ビジネスの4原則を守り、みんなが避ける分野に参入することができれば成功は近いと思います。現代は『ブラック』と言われるところにこそ、光があるんです」
(取材・文/鈴木恵美子)
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