【学生のうちに身に付けておくべき、新社会人5つの力】第4回:ことば力

2010/10/05

対人マナー

思いを伝えるための「ことば力」

これまでの3章(受け入れる力楽しむ力仕掛ける力)は主に仕事に取り組む姿勢と意識すべきポイントについてお話しました。ここからは高めるべき2つの能力について解説していきたいと思います。

まずは、「ことば力」です。上司・先輩・取引先・消費者など、仕事はあらゆる人とのコミュニケーションがあって成り立つものです。我々は、ことば(文字も含む)で情報を受け、ことばで思考し、それをことばにアウトプットしているのです。つまり、仕事とはことばを紡ぐ作業の繰り返しであるといえます。だとすると、当然その「ことば」を使う能力が必要になるわけです。

■努力を結実させる「ことば」の力
まずは、ケーススタディをしてみましょう。あなたは人事で新卒学生の採用を行うチームに配属されました。そう、後輩の採用を行うのです。

ある日、あなたは部長から「採用グループ全員で来期の活動計画を決める会議をするので、君の新鮮な就職活動の経験を活かした改善案を発表してもらえないか」と依頼されました。あなたは、就職活動中から、自分の会社がインターンシップを実施していないことに疑問を持っていました。会議では、この導入を提案しようと準備を進めます。そして当日、発表の冒頭で

「統計によると、就職活動学生のうちインターンシップ経験者は18%です」 ※数値は実際のものではありません。

と切り出します。ここで「ことば力」の問題です。この冒頭の「インターンシップ経験者は18%です」をよりインパクトがあり、もっとメッセージが明確に伝わる表現にするにはあなたならどうしますか?

これまで、インターンシップを導入してこなかった企業です。この言い方では、「なんだ18%しかいないのか、じゃあまだ導入しなくてもいいか」と部長はじめほかのメンバーが思ってしまうかもしれません。その場合、その後の発表への興味は一気になくなってしまいます。折角いろんな準備をしてきたのに、思いや意図が伝わらないまま発表が終わってしまうと、あなた自身にも大きな不満が残るでしょう。

では、こんな言い方ならどうでしょうか。

「インターンシップ経験者18%、これはもはや無視できない数字です」

無視してはならないというメッセージを伝えることにより、あなたの強い思いが感じられます。18%という数字にだけ注意がいくのではなく、なぜ無視できないんだという次の興味を喚起します。最終的に改善案が取り入れられるかは分かりませんが、発表自体は集中して聞いてもらえるのではないでしょうか。実際の仕事で努力を結実させるにはこのように思いのこもった「ことば力」が必要になるのです。

■一番重要なのは、伝えたいことがあるかどうか
では「ことば力」を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

まず、「ことば力」とは、自分が思考してまとめたものを、相手に効果的に伝えるための力です。それを磨くためにまず重要になるのは、伝えたいことがあるかということ。当たり前だと思われるかもしれませんが、案外伝えたいことがない社会人は多いものです。

営業職を例に説明します。マニュアルの営業トークは覚えて、商品の説明はすらすらできるけど、自分なりの思いをことばにせず説明をしている人をよく見かけます。マニュアルトークは磨かれても、「ことば力」はいっさい高まっていない状態です。彼らのトークは聞き手である顧客にどう受け止められるのでしょうか。

彼らのことばは概して滑らかで、耳当たりが良いのですが、心に入ってこず、印象には残りにくいのです。一方で、「この商品に惚れ込んでいてぜひ他の人にも使ってほしい」と思っている営業がいるとします。この人には伝えたいことがあります。不器用ながらも自分のことばで何とか伝えようとするこの人の話は、記憶に残ります。

「何とかお客さまのお役に立ちたい」、「絶対に営業目標を達成する」、「ぜひこの企画を通したい」など……。確固たる気持ちがあって出てくる"伝えたいこと"こそが、基礎栄養となって「ことば力」は育まれていくのです。ですから、皆さんにはできるだけ早い時期にその確固たる気持ちを養っていただきたいと思います。

次のページ「ことば力」を発揮するために必要なたった1つのこと

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