内定した企業のお給料が少ないことが不安です。

2015/06/12

給料・年収

内定した企業のお給料が少ないことが不安です。

現在は寮生活をしており、四月から新しく一人暮らしをすることになりますが、自分の収入(額面で手当て込み、月18万)で生活を賄えるか心配です。

在学中に借りていた奨学金の返済もありますし、女の一人暮らしではやたらと安いアパートに住むわけにもいかないと思うと、とても足りない様な気がします。

現在アルバイトはしていますが、貯金する程の余裕はありません。
お金をためる以外に、何か今から備えておけることはあるのでしょうか。


★楢木さんからのアドバイス
今から備えるべきことが2つあります。1つは不安や心配を、出題問題だと考えるクセをつけることです。2つめは出題問題を解くことに着手することです。

まず出題するには、問題を明確にしなければなりません。あなたがお書きになったことを式にしますと「18万円<奨学金返済+家賃+α」ということでしょうか。しかしこれでは問題が明確ではありませんね。
まずαには何があるかを把握する必要があります。たとえば食事代はどうでしょうか。水道代、電気代、ガス代は? 電話代、衛生代、美容代は? こうした中にはすでに金額がわかるものがありそうです。あいまいなら確かめ、わからないなら調べます。この他にももれている項目がありそうですね。ネットで調べてみたらどうでしょうか。

そうして式の要素がそろったら、改めて解くべき問題を作成してみます。私だったら次のような式を作るでしょう。「16万5千円≧家賃+奨学金返済(実額)+食費+光熱費+……」
1万5千円程度の貯金は必ず必要です。月々の必要経費以外に、季節毎の通勤着各種、靴数足、バッグその他の購入が必要だからです。ですから貯金とは言っても、すぐに使わねばならないお金です。 そこで右辺の合計が16万5千円を超えないように考えるのですが、そのためには予想額であっても数字を入れる必要があります。改めて確認したり調べたりする必要がありますね。

そうやって式が完成したら、多分「16万5千円<家賃+……」となっているでしょう。ここからが解決への着手です。「16万5千円≧家賃+……」を成り立たせるには、3つの解決ツールを使ってみます。(1)【減らす→0にする=ガマンする】、(2)【0にする=借りる】、(3)【0にする=もらう】
例えば「食費」を「減らす」には嗜好品や品質や量を「ガマン」する必要があります。そのガマンで食費をいくらまで圧縮できるか数字にしてみます。電話代を「0にする」と便利を「ガマン」することになるでしょう。その選択肢を残しておきます。
奨学金の返済を延ばしてもらう、あるいは親や知り合いに返済分を「借りる」ことができれば、当面は数字を「0にする」ことができます。また洋服その他を「借りる」「もらう」ことができれば、その分も「0にする」ことが可能でしょう。
そのようにして「家賃」も「ガマン」ができる最低線ではじき出し、「16万5千円≧家賃+……」を追求します。
そしてこの式が成り立つような数字がはじき出せたら、もう一歩現実的な解決へと進みます。「ガマン」は自分との取引ですから良いとして、「借りる」「もらう」は相手があることですから、相手を定め、頼む、掛け合う、乞う、などを粘り強くやる必要があります。そのためにはプライドを一時棚上げにすることも問題解決への重要な要素になるでしょう。

そうしてこのようなことをやってみるとわかることは、そこそこの収入で働き暮らしていくことは、人間としての総合力を全部使い切らなければならないということです。その代わりこの経験をすれば、世の中の厳しさや真正の人情や不人情の何たるかを知り、他人の問題を我が事のようにイメージできる力を得ることができるでしょう。
今から取りかかるべき事はたくさんありますね。



■回答:楢木 望(ならき のぞむ)

1948年東京生まれ、千葉大学教育学部卒業。1971年リクルート入社。「月刊就職ジャーナル」編集長など歴任。1985年にライフマネジメント研究所設立。採用・教育・就職コンサルタント。ニューズレター「採用と人材の手帖」発行人。「内定者のための学習メールマガジン」開発。メールマガジン「キャリア・キッチン」発行。http://www.lmi-tokyo.com


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