iDeCoの口座はどこで開設する? 金融機関選びのポイントを解説

2020/08/21

税金・年金

今回は、iDeCoで利用する金融機関の選び方や給与から天引きできるのかなど引き落とし方法について解説します。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、あらかじめ用意された金融商品の中から運用商品を自分で選び、毎月積み立てを行いながら老後資金を準備する制度です。積み立てた資金は、60歳以降に年金または一時金として受け取れることから、公的年金にプラスして一定金額を受けとることができる「自分で作る年金制度」とも呼ばれています。
(監修協力:冨士野 喜子)

iDeCo 個人型確定拠出年金 口座 引き落とし

iDeCo用の口座を開く際の金融機関の選び方

国民年金、厚生年金などの公的な年金制度に加えて、自分用の年金であるiDeCoを始めるには、金融機関(銀行・信金・証券会社など)を選んで専用口座を開設するところから始めます。このとき、手続きを煩雑に感じてしまい、つまずいてしまう人も少なくありません。

しかし、口座開設と運用方針さえしっかり決めてしまえば後は自動的に引き落とし、運用されるので、老後まで置いておけば大丈夫です。積み立て期間中の掛金や運用益、給付金の受け取り時に、税制上の優遇措置も受けることができるのが大きなメリットです。

そこで、まずは最も重要な金融機関の選び方を見ていきましょう。

  • 自分の考える方針、希望に合った運用商品がある
  • 運用管理機関手数料が0円
  • 口座開設後のサポートが充実

自分の考える方針、希望に合った運用商品がある

まずは、口座を作ろうと思っている金融期間が、どのような商品を取り扱っているかを確認します。好みの運用会社の商品があるか、希望の投資対象の商品があるか、などをチェックしましょう。 

運用管理機関手数料が0円

次にチェックしたいのが、運用管理機関手数料です。

iDeCoの運用中は、口座管理手数料が必要となり、「国民基金連合会」「事務委託先金融機関」「運営管理機関(iDeCo口座を開設した金融機関へ支払う)」へ支払う3つの手数料が発生します。「国民基金連合会」への手数料は、どの金融機関も同じで月額105円、「事務委託先金融機関」への手数料は、ほとんどの機関が月額66円です。「運営管理機関」への手数料は、金融機関によって大きく差があり、0円~月額400円程度となっています。

わずかな金額でも手数料は毎月取られるため、運用管理手数料が0円の金融機関を探すと良いでしょう。

口座開設後のサポートが充実

WEBサイトやスマホアプリが使いやすいか、分からないことがあった時の問い合わせ方法や対応時間なども事前にリサーチしておきましょう。口座開設後のサポートの充実度も金融機関選びには重要なポイントです。

iDeCo口座の金融機関は変更できる?

iDeCoの口座開設は全ての金融機関の中から1人1つしか作れません。
手数料を払って手続きを取れば口座を他の金融機関へ変更することもできますが、同じ商品を継続して運用できず、新たに選び直さなくてはならないなど、デメリットが大きくなります。iDeCoの口座開設時に金融機関を慎重に選び、よほどの理由がない限りは変更しないことをおすすめします。 

一方で、引き落とし用の銀行口座は、iDeCoを運用している金融機関でなくてもかまいません。もし、掛金の引き落とし口座を変更したい場合は「加入者掛金引落機関変更届」と「預金口座振替依頼書」に記入し、iDeCo口座を開設している金融機関に郵送しましょう。

掛け金はいつ引き落としになる? 給与天引きはできるの?

iDeCoの引き落としは、2020年8月現在は原則として毎月26日(土日祝日の場合は翌営業日)に設定されており、変更はできません。しかし、2018年から登場した「年単位拠出」で支払えば、掛金を自由に変更でき、1年分を一括で支払うこともできます。その場合、あらかじめ「加入者月別掛金額登録・変更届」に年間の支払い計画(当年の掛金額と翌年以降の掛金額)を記入し、提出する必要があります。

iDeCoの掛金を会社の給与から天引きするためには、勤務先の経理や総務に相談をして、手続きを行います。ただし、勤務先にとっては給与天引きや掛金払込みの事務負担が増えることから、給与天引きを行っていない企業もあります。
まず、給与天引きができるかどうかを勤務先に確認しましょう。

まとめ

iDeCoは最初の金融機関選びや口座開設の手続きがやや煩雑ですが、そこを乗り越えてしまえば老後の資金だけでなく、節税対策にもなります。今回解説したポイントを参考にしながら、iDeCoの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

(学生の窓口編集部)

監修協力:冨士野 喜子(ふじの よしこ)
ファイナンシャルプランナー。お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、保険会社勤務を経て独立。個人のマネー相談以外にも、講演、ラジオなどで「楽しく、分かりやすく」情報発信中。 プライベートでは3児の母。
https://peraichi.com/landing_pages/view/money-okayama

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