2月27日(木)に配信スタート。SNS社会において直接的、あるいは間接的に影響し合う様々な女性たちが描かれる、蜷川実花監督のNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』。
「女性の幸せ」がテーマとなるこの作品で、今回、主演を務めた中谷美紀さんに、「幸せに生きるためのヒント」をお伺いしてきました。
女優として長年キャリアを積んできた中谷さんの考え方から、仕事はもちろん、人生設計やプライベートでの人間関係など、さまざまな悩みを抱える若手社会人のみなさんにとっても役立つエッセンスが見つかるはずです。
1.自分を理解しているからこそ、無理はしない。
2.ひとりの時間を大切に。
3.ストレスが多いと感じたら、白黒つける考え方をやめてみて。
ーー中谷さんにとって女優のお仕事とは?どのような価値を感じていらっしゃいますか?
中谷:役柄を通じてさまざまな世界の扉が開かれる職業ですし、人間の心のあり方にふれることのできるお仕事だと思っています。
ーー女優として、「これだけは誰にも負けない」武器はありますか?
中谷:“誰にも負けない”という考え方はしたことがなくて、負けてもいいかなと思っています。でも、人のウソはすぐ見抜いてしまいますね。人の観察をずっとしてきたので、たいがいのウソはわかります。
ーーお仕事に対しての向き合い方で、大事にしてきたことはなんですか?
中谷:お仕事と自分の時間をしっかり分けることです。職業柄、プライベートでも台本を読むなど、極めようと思えば果てしなく仕事になってしまうのです……。役を演じるにはまずニュートラルな状態を作らなくてはならないので、ひとりの時間を本当に大切にしています。
ーー中谷さんにとって、仕事をしていく上での原動力になっているものはなんですか?
中谷:もともと、出演することよりも観ることが好きでしたので、お仕事をいただいたからには、自分が好きだと思えて、お金を払ってまで観たいと思う、いい作品を作りたいという気持ちですね。あとはやはり、人の心を探ってみたいという思いだけです。
ーー今回演じたリミは「やりたいことは全部やりたい!」と、とにかくガムシャラに生きていますが、中谷さんにもそんな時期はありましたか?
中谷:やりたいことは基本的に全部やってきたと思います。ただし、何かを得るためには何かを捨てなくてはならないと思ってやってきました。
ーーそのほかに、リミの生き方に共感するところはありましたか?
中谷:私は、どちらかというと地味に暮らしていて、ドラマで描かれているようなパーティー三昧もしないので、真逆の生活を送っています。でも、リミが「男性を通じてしか社会と繋がれない女性にはならないでください。経済的にも精神的にも自立した女性であり続けてください」とスピーチするシーンがあって、その気持ちには非常に共感できました。
ーー彼女(リミ)の持つ強さに憧れは感じましたか?
中谷:私にはないガッツをリミやなつめ(池田エライザ)は持ってます。特に志もないまま、この世界に導いていただいて、いつのまにかここまできてしまった……という感じなので、お仕事に対して何が何でもしがみつくようなガッツはなかったですし、「やる気がない」と怒られていたほどなので、反省すべき点はいっぱいあります。
でも逆に、ガッツがなかったから続けられたとも言えます。もし必死でしがみついていたら、早くに心が折れていたかもしれません。
ーー「真逆」だと言われましたが、リミの持つ信念や強さには中谷さんと共通のものを感じたのですが……。
中谷:たとえばもし職場に自分の赤ちゃんを連れていったら、私だったら気になって集中できないと思います。だからリミはタフだと思いました。自分の愛情を子どもにもお仕事にも同等に注ぐことができて、その上で社交もするというのは、私にはまったくできないです。お仕事中、ほとんど人に会いませんしね。
台本を読むのもお仕事ですし、それもただ覚えるだけではなく、いかに行間を読み込んで、役柄をみなさまにお届けするかということにとても時間がかかるので、人との社交よりひとりの時間を優先していますね(笑)。
ーーリミは自分の幸せに向かってまっすぐに行動していますが、中谷さんにとって幸せとはどういうものですか?
中谷:雨風をしのげて、あたたかいお食事がいただけたら本来それだけで幸せだなと思います。快晴の日には目覚めがよく、雨が降れば緑が生き生きとして見えるので、いつでも喜びを発見できます。なのになぜ人はもっと多くを求めるのかというのは、ずっと自分の中の疑問でもありますね(笑)。
ーー幸せな人生を送るために必要なことはなんだと思いますか?
中谷:何にもとらわれない自由です。あと、クオリティオブライフ(人生の質)の決定打は、やはり自然とふれあう機会ですね。
震災の後などは本当に「人間が生きるか死ぬかの瀬戸際において、芸術って必要のないもの」と思っていたのですが、「もっとも幸福なときにも、もっとも苦悩しているときにも、私たちは芸術家を必要とする」というゲーテの言葉を読んだときに「ああ、確かにそうだな」と思いました。私の生きる糧はやはり美しい芸術にふれることです。それが生きる原動力になっていますので、美しい音楽を聴いたり、素晴らしい絵画に触れることが幸せです。
ーーでは、中谷さんが自由に生きていくためにいちばん大切にしていることを教えて下さい。
中谷:自由に生きていくために、ひとりの時間を大切にします(笑)。自由がとても大事なので、人や約束に縛られることを避けてしまいます。仕事中は無理な約束をしません(笑)。
ーー中谷さんのご友人たちは結構さみしい思いをされているんじゃないですか(笑)?
中谷:幸い同じ価値観を共有できる友人たちに恵まれました。もちろん困った時には手を差し伸べますが、お互いに自立した関係を築いています。
ーー本作を見ていると、今のネット社会はチャンスを掴みやすいというプラスの面がある一方で、SNS上で自分が商品として数値化されるという苦しい時代でもあるのかなと感じたのですが、中谷さんは今の世の中をどのように生きていこうと思われていますか?
中谷:そういう意味では私たちも、映画でしたら興行成績、テレビでしたら視聴率というものに如実に現れると思いますが、それに一喜一憂していたら自分の心がすり減ってしまいますので……(笑)。価値観も多様化していますし、あまり気にしていないですし、気にしても仕方がないとも思います。
ーーなつめのように、フォロワー数に一喜一憂していることに対しても「そんなの気にしなくてもいいよ」というスタンスですか?
中谷:私はそう思いますが、でも当事者の彼女たちにとってはそうではないとも思います。だからこそ、気軽に「そうじゃないよ」とも言えないといいますか……。世の中がどう見えるかは本人の心の持ちようによって変わりますものね。
ーーリミはなつめに興味をもって、何度か彼女を助けるシーンがありますが、中谷さんご自身は先輩からアドバイスをもらって導かれた経験はありますか?
中谷:私は、異業種の方とかかわって、生き方についてものすごく大きな示唆をいただくことが多いですね。とても懇意にしていた、お蕎麦屋さんの元女将さんからは「水清ければ魚棲まず」という言葉を教えていただきました。それまではどうしても白だったら白、黒だったら黒と白黒つけたかったのですが、グレーも大事だということを教えていただいたように思います。
ーーでは最後に、仕事にキャリアに恋愛にと、いろんな意味で悩みもがいているフレッシャーズたちに元気の出るようなメッセージをお願いします。
中谷:きっと、もがいたらもがいた分だけ人生が豊かになると思います。それに、順風満帆な人生なんてむしろつまらないとも感じます。今は希望に満ち溢れていると思いますが、これからもっと人生の理想と現実の乖離に悩むことになっていくのではないかと……。でも、むしろその状況を楽しんでほしいですね。
#生き方コンパス では、今後もみなさんの生き方のヒントになるようなインタビューをお届けしていきますので、お楽しみに!
文:落合由希
編集:マイナビフレッシャーズ編集部
ヘアメイク:下田英里
スタイリスト:白幡啓(LOVABLE)
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