意外と知らない? 「やぶさかではない」の正しい意味や使い方!

2018/11/07

ビジネス用語

「○○党のA議員が『△△党と合流するのもやぶさかではない』と発言」という記事がありました。この場合「A議員」は△△党と合流するのに「前向き」でしょうか、それとも「後ろ向き」でしょうか? 今回は「やぶさかではない」という言葉の意味と使い方についてご紹介します

「やぶさかではない」の正しい意味や使い方

「やぶさかではない」の由来

「やぶさかではない」とは、「やぶさか」の否定(「ではない」)表現です。では、この「やぶさか」とはいったいどういう意味でしょうか?

「やぶさか」は漢字で「吝か」と書きます。「吝」という漢字はけちという意味の「吝嗇(りんしょく)」という熟語でも目にしますね。

「吝」は、他にも「ものおしみする」「ためらう」という意味があるので、「やぶさかではない」と言うと「けちではない」「ものおしみしない」という表現をする際に使われることがあるようです。

「やぶさかではない」の意味・使い方

「やぶさか」について『広辞苑』では以下のようにあらわしています。

やぶさか【吝か】
(1)物惜しみするさま。けちなこと。吝嗇(りんしょく)。
(2)未練なさま。思い切りの悪いさま。
(3)(「…に―でない」の形で)…する努力を惜しまない。ためらうことなく…する。「過ちを認めるに――でない」
(『広辞苑 第六版』P.2834より引用)

通常は「○○にやぶさかで(は)ない」と用いられ、「○○する努力を惜しまない」「積極的に○○する」「ためらうことなく○○する」という意味で多く使われるようです。従って、上にあげた、

「○○党の□□議員『△△党と合流するのにやぶさかではない』と発言」

という例文は、○○党のA議員は「△△党と合流する努力を惜しまない」「ためらうことなく△△党と合流する」という意味になるのです。ですからA議員の態度は「前向き」ということになりますね。

他にも「やぶさかではない」を使った例文をあげてみましょう。

・投資額を増やすという決断について、社長もやぶさかではないようだ。

・両親は彼との結婚を認めることについてやぶさかではない。

「やぶさかではない」は積極的な姿勢を表す言葉ですので、上の例でいえば、それぞれ「投資」「彼との結婚」について前向きということになります。

「やぶさかではない」の誤用に注意!

「○○するに、やぶさかではない」という表現は、積極的な姿勢をあらわす言葉なのですが、『文化庁』が行っている「国語に関する世論調査」によると、正反対の意味で理解している方も少なくないようです。

・喜んでする……33.8%
・仕方なくする……43.7%

調査結果によると、このように「喜んでする」と正しく意味を理解している人は、「仕方なくする」と誤解している人よりも、約10ポイント少なくなっています。

「やぶさかではない」と似た意味を持つ言葉は?

「やぶさかではない」は、以下のような表現で言い換えることもできるかと思います。

・投資額を増やすという決断については、社長も異存はない。
・両親は彼との結婚を認めることについて異論がないようだ。

「異存はない」「異論はない」という言葉は、ややすると「反対はしない」という意味にもとれるので、「やぶさかではない」が本来持つ、奥ゆかしい、非常に日本的な表現がやや薄、まった感じに聞こえるかもしれません。とはいえ、ストレートに「賛成」だという気持ちを強く出しすぎると「やぶさかではない」の持つ、やわらかなニュアンスが伝わりにくくなってしまうので、「100%賛成ではない」という場面や、「物事を円滑に進めたいとき」に使うといいかもしれないですね。

英語で表現する「やぶさかではない」とは?

「やぶさかではない」を、英語ではどのように表現するのでしょうか?

例えば「be ready to ~」という表現を使うと「いつでも準備ができている」「用意がある」という意味になるので「やぶさかではない」というニュアンスを表現することができます。

・I'm ready to go with you.
君と一緒に行ってもいいよ。
⇒あなたと一緒に行くのにやぶさかではない。

また「be interested in ~」という言い方で「そのことについて興味がある」という意味になります。これに「very」を付けて「とても興味がある」「とても興味深い」という表現にすると「やぶさかではない」という言葉が持つ前向きな姿勢が出せるかもしれません。

・I'm very interested in the stock market and investment.
株式投資にとても興味があります。
⇒株式投資にやぶさかではない。

まとめ

「やぶさかではない」は、積極的な姿勢をあらわす言葉ですが、直接的に強く主張をする表現ではないので、前向きな気持ちを保ちつつ、謙虚で慎ましやかな姿勢をあらわすときにピッタリな言葉だと思われます。みなさんならどんなときに「やぶさかではない」を使いますか? この機会に考えてみても面白いかもしれないですね。

(柏ケミカル@dcp)

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