CTOとは? よく聞くビジネス用語の意味をおさえよう

更新:2022/09/26

ビジネス用語


「CEO」という役職があることはみなさんご存じでしょう。これは「Chief Executive Officer」(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)の略で、日本語に訳すと「最高経営責任者」です。では「CTO」はどうでしょう。もしかしたらわからないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこのCTOとはどんな意味かをご紹介します。

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「CTO」の意味とは?

「CTO」とは「Chief Technology Officer」(チーフ・テクノロジー・オフィサー)もしくは「Chief Technical Officer」(チーフ・テクニカル・オフィサー)のこと。日本語では「最高技術責任者」といいます。

つまり企業における技術的な分野での最高責任者、ということ。比較的よく知られている「CEO」「COO」と同様、もとはアメリカの企業で生まれた役職名で、研究開発ディレクターの立場を拡張したポジションとして登場しました。

日本においては、CTOは会社法での規定があるわけではなく、設置が義務付けられているものでもありません。そのため一つの「役職名」として、「技術系のトップ」であることを社内外に明らかにするために用いられています。

CTOは、IT(情報技術)の発展とともに、主にIT関連企業で役職として広まってきました。その後CEOなどとともに他産業へも広がりをみせています。

CEOやCOOの意味もおさらい

CEOやCOOなど、CTOとよく似た役職にも触れましたので、ここでおさらいしておきます。

CEO Chief Executive Officer 最高経営責任者
COO Chief Operating Officer 最高執行責任者
CFO Chief Financial Officer 最高財務責任者
CTO Chief Technical Officer 最高技術責任者


いずれも最高責任者であることに変わりありませんが、職責の範囲が異なることが分かります。この中では「COO」がやや分かりづらいかもしれません。

COOは「執行責任者」なので、経営方針に沿って「実際に業務を執行する立場の総責任者」ということになります。CEOが行った経営判断を、実務に落とし込んでいく際に重要な役割を果たしています。

CTOの役割

CTOに求められる役割は業界・企業により違いはあるものの、その企業の技術面でのトップという本質は変わりません。

CTOは経営陣の一員として、技術的見地から企業戦略に関わっていき、最終的には企業のビジョンの実現をめざします。世の中を変えてしまうような、新しい技術開発の立役者となることもあるでしょう。

そして技術系部門においてはあらゆる重要事項について「判断する」「責任を持つ」という大切な役割を担うことになります。各メンバーがより良いパフォーマンスを発揮できるよう、人員体制づくりにも関わります。

また、IT系の企業では「CIO」(Chief Information Officer=最高情報責任者)という役職と兼ねる場合もあります。この場合、企業で扱う「情報」についても責任を負うことになり、情報システムの構築といった役割も持つようになります。

具体的な仕事内容を見てみよう

CTO 仕事内容

CTOの仕事がイメージしやすくなるよう、具体的な仕事内容を何点かご紹介します。

●技術系部門の問題点の吸い上げ
マネージャーやメンバーとコミュニケーションをとり、問題点を吸い上げて解決へとつなげていきます。適切なメンバーの配置にも気を配ります。

●技術の方向性を示す
会社としてのビジョンや、業界の技術トレンドなどをふまえた上で、「当社はこういう方向でやっていく」といったことを明確に提示します。そのためには普段から業界の情報収集や、技術研究は欠かせません。

●プロジェクトの管理
「部門内で何が、どのように行われているか」を把握することも大切な仕事。実際に進行しているプロジェクトについて、進み具合や問題点がないかなどを管理します。

CTOの仕事はほかにもたくさんありますが、全体としては会議やミーティングが多くなります。また、トラブルに対処したり、改善に取り組んだりといったことも多いです。

CTOは役員ではないこともある

CTOは「最高技術責任者」であることから、実質的には経営陣の一員であるといっても過言ではありません。しかしながら、実は役員ではない、ということもあります。

ここでいう役員とは、会社法上の役員のこと。具体的には「取締役」「会計参与」「監査役」のことを指します。

取締役の数は会社によりまちまちで、過去には「取締役3人以上」と定められていましたが、現在の会社法では「取締役1人のみ」でもOKです。さらに会社法では「CTOは取締役に就任すべき」といった規定もないため、CTOが役員になっていないことは十分にあり得るのです。

CTOの年収相場はどのくらい?

CTOは技術系のトップであり、責任の重い役職でもあります。CTOの年収相場はどのくらいなのでしょうか。

人事院が実施した「令和2年職種別民間給与実態調査」によれば、CTOではありませんが「技術部長」の平均給与が次のように示されています。

・職種:技術部長
・平均年齢:52.7歳
・きまって支給する給与:669,304円
※取締役兼任者を除く


これを単純計算で12ヶ月にすると、
669,304円×12ヶ月=8,031,648円

さらに賞与などを加えると1,000万円前後になると考えられます。

とはいえCTOという役職はIT関連企業で多く用いられており、上記よりも平均年齢が若くなる可能性も。それに、給与は会社規模や業績にも大きく左右されるため、上記はあくまで参考程度と捉えておいた方がいいでしょう。

ネット上では「CTOの年収500万円〜」といった情報も挙がっていますから、会社によりかなり幅があると考えた方が良さそうです。

まとめ

=CTOとは=
・Chief Technology Officer(チーフ・テクノロジー・オフィサー)
・Chief Technical Officer(チーフ・テクニカル・オフィサー)
・日本語では「最高技術責任者」です。

CTOは、IT企業を中心に多く採用されている役職名です。 役員をイメージさせる言葉ですが、取締役等の役員とはまた違った位置づけとなります。ビジネスシーンでは「CEO」「CTO」といった略称で呼ばれるため、混乱してしまうこともあるかもしれませんね。ですが、どれも重要な役職ですので、1つずつ覚えていきましょう。

文:マイナビ学生の窓口編集部

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