ビジネスの場面で「PDCAサイクル」と言われて「何のことだっけ?」と焦ったりしていませんか。「PDCAサイクル」という言葉をきちんと理解し、実行できることは、会社にとってもあなた自身の成長にとっても大切なことです。
単に与えられた仕事をこなすのではなく、随時見直しを行い、自分の業務をより良いものにするための「PDCAサイクル」について、正しい意味や使い方を解説。PDCAの回し方事例やメリットデメリットなどもお伝えしていきます。
▼目次
1.ビジネスで使う「PDCAサイクル」の意味とは?
2.PDCAサイクルの目的
3.PDCAサイクルの使い方と例文
4.PDCAサイクルを回す方法
5.PDCAサイクルのメリット・デメリット
6.まとめ
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「PDCAサイクル」は単に「PDCA」と表現することもありますが、特に用法に違いはなく、もとは生産管理や品質管理の現場で行うべき手法を表した英語の頭文字です。W・エドワーズ・デミング博士が提唱した概念で、第二次世界大戦後から長く注目されてきました。
PDCAとは具体的には、
の4段階の頭文字を表しており、この4段階を繰り返すことをPDCAサイクルと呼びます。
何か作業を開始する前にまず計画を十分に練ることや、実際に行った作業を常に見直すことが重要だという意味が込められています。また、一度の評価・改善だけでなく、定期的な評価や改善を行うことも大切です。
PDCAサイクルを行う目的は、主に次の3つです。
上記の中でも最大の目的は「業務改善」です。目標を決め、計画を練って、そして定期的な見直しを行うことで課題が見つかり改善に活かすことができます。
逆に目標も課題も明確になっていないままだと、業務にダラダラ感が出てしまい、会社全体としても成長しないかもしれません。
PDCAの規模はさまざま。組織での大きなPDCAサイクル、個人での小さなPDCAサイクルを数多く回していくことで、会社全体の業務改善につなげていくのが大きな目的なのです。
PDCAサイクルという言葉の使い方を例文とともに解説します。
基本の使い方として、PDCAサイクルとは上図のように円形で回っていくイメージなので、「PDCAサイクルを回す」と表現することが多いです。
実際にビジネスシーンで使用するときには次のような例が挙げられます。
こちらは上司から部下へ、個人レベルでのPDCAサイクルが回っているのか確認している例文です。業務を行う上で計画を立て、どんな課題が見つかって、どのように改善に活かしているかを上司に説明できるようにしておかないといけないでしょう。
PDCAはPlan(計画)から始まるわけですが、この第1段階であまり時間をかけすぎるのはよくありません。次のDo(実行)がないと何の業績にも結びつかないでしょう。このように、PDCAサイクルにはスピード感も大切です。
PDCAサイクルを回す方法について、スタートから順を追って解説していきます。
目指す目標と、目標を達成するための道すじを計画します。
計画の際は「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」といった具体性を持たせることがポイント。目標については、例えば売上のように数値化できるものは数値で設定しましょう。
計画したとおりに実行するステップです。
目標に対して、実行した結果がどうだったのか評価を行います。そして、何が良くて何がいけなかったのかを分析していきます。
前の評価や分析結果をふまえて、改善策を考え取り入れます。そして新しい計画の策定へとつなげていきます。
このサイクルは単に1周させるだけでなく、改善を積み上げてサイクルがらせん状に上っていくイメージを意識することで、より良いPDCAサイクルとなってきます。
PDCAサイクルにはメリットだけでなく、実はデメリットも指摘されています。メリットとデメリットの両方を見ていきましょう。
●モチベーションが上がる
⇒計画を立てることで目標までの道すじが分かりやすくなるため、目の前の仕事に対してのモチベーションが上がります。
●次の対策を立てやすくなる
⇒実行した結果を評価したり分析したりするステップがあるため「次にどんな手を打つか」という対策(改善策)を立てやすくなります。
●経験から多くの学びを得やすくなる
⇒なんとなく仕事を続けているよりも、定期的なふり返りや分析により多くの学びを得ることができます。
●時間がかかりやすい
⇒PDCAでは「実行」の前に「計画」があるため、計画を綿密に練ろうとすると時間を取られてしまい、仕事が硬直化しやすい面があります。
●全く新しいアイデアが生まれにくい
⇒業務改善には効果を発揮するものの、今までになかったような新しいアイデアが生まれにくいという指摘もあります。
私たちを取り巻くビジネス環境は、IoTやAIといったデジタル技術により激しい変化を続けています。そんな環境の中では「スピーディーな意思決定」が大きく影響することは間違いありません。
その点、時間がかかりやすいPDCAサイクルは「古い」「時代遅れ」といった意見も出ており、いかにスピーディーにPDCAサイクルを回していくかが重要ポイントとなっているのです。
また、変化の激しい時代に対応するためにDC→DC→DCと「実行」「評価」の部分をスピーディーに繰り返し、後でPAのステップに入るDCPAという言葉も出てきています。
PDCAサイクルはマーケティングや管理工程、その他ビジネス上のフレームワーク(骨組みとなるもの)の一つです。
組織での大きなPDCAサイクル、個人での小さなPDCAサイクルなど規模はさまざまですが、それらを数多く回していくことで会社全体の業務改善につなげていくことができます。
組織レベルで考えると少々ややこしく感じるかもしれませんが、個人として、あるいは毎日の業務の中でサイクルを回すことも可能です。まずは身近なところから、PDCAを意識してみてはいかがでしょうか。
(マイナビ学生の窓口編集部)
学生の窓口編集部
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