メール本文の「宛先」はどう書くのが正解? 「TO」「CC」「BCC」の使い分けや書き方のマナーを紹介

更新:2022/11/28

電話・メール

メールの「TO」「CC」「BCC」の使い分けできていますか?メールのアドレス入力欄のところにあるこれらの項目、よく見るとGメールやYahooメールアプリにもちゃんと設けられています。今まで使ったことがない人も、ビジネスシーンでは必須となるため覚えておきたいところ。

今回はこの「TO」「CC」「BCC」の意味や使い方、注意点などを徹底解説。あわせてメール本文に記載する「宛先」の正しい書き方についてもご紹介します。ビジネスメールでの宛名マナーをマスターして、スムーズなコミュニケーションに役立てていきましょう。

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メールの宛先の書き方 基本レッスン

メール本文のはじめには、まず読んでほしい相手方の宛先(宛名)を書くというのがマナーです。冒頭で目立つだけに、宛先の正しい書き方はきちんと押さえておきたいですよね。なんとなく「先輩がこうしていたから」「学生時代からこうだったから」で使っていると、思わぬところで恥をかいてしまう可能性があります。

ここでは社内メール・社外メールに分けて、宛先の正しい書き方をご紹介します。

社内メールの場合の宛先の書き方

*Point!
・基本の書き方:「○○部(課)・役職名・氏名・敬称(様)」
・社内の組織や部署宛の複数人に宛てて送信する場合は、「各位」を使用する。


社外の取引先などを含まず社内だけのメールの場合は、敬称をつけてやり取りします。敬称は「様」を使います。「殿」は目下の人に向けて使われる敬称なので、「様」で統一しておくと取引先まで幅広く使えて間違いありません。

そして、部署単位にメールを送信する場合は、「人事部各位」「経理部各位」となります。

社内メールの宛先の書き方例

<例>社内メール・個人あて

総務部
課長
山本太郎様

ーーー
人事部
山田課長 ←× 山田課長様

上記の「山田課長」は「課長」という役職が敬称にあたるため、その後に様をつける必要はありません。「山田課長様」では間違いということになります。あくまで社内メールなので、上記2つの例のうち後者の苗字だけのパターンの方が、よく使われている印象があります。

<例>社内メール・部署あて

「人事部各位」
「担当者各位」 ←×担当者各位様

「各位」という言葉は「様」と同じ敬称の一つです。「各位様」のように二重敬称となる間違った使い方をしないように注意しましょう。

社外メールの場合の宛先の書き方

*Point!
・基本の書き方:「会社名・部署名・役職名・氏名・敬称(様)」
・会社名は(株)と省略せず「株式会社」と書く
・社内と同じく、大人数に宛てて送信する場合は「各位」を使用


社外メールの場合には当然のことながら、会社名から記載することになります。会社名は(株)と省略しないよう気をつけましょう。コツとしては「名刺のとおりに書く」ようにすると間違いありません。

社外メールの宛先の書き方例

<例>社外メール・個人あて

○○株式会社
営業部
課長 山田太郎様

社内メールの場合は苗字だけでもかまいませんが、社外の場合はフルネームで宛名を書くのが一般的。しつこいようですが「名刺のとおりに」「正式に書く」ことを心がけましょう。
※何回かやり取りするうちに、だんだん苗字だけになっていくパターンも多いです。

<例>社外メール・大人数あて

「お客様各位」
「お得意様各位」
「お取引先各位」
「会員各位」

前述のとおり、通常は「様」と「各位」を二重で使うことはしません。ですが「お客様」と「お得意様」に限っては「様」までで一つの言葉と認識されており、「様」をとって「お客各位」だとちょっと不自然ですよね。そのため例外的に「お客様各位」「お得意様各位」のように二重使いで用いられるようになっています

宛先の「TO」「CC」「BCC」の使い分けと特徴

ここからは、メールのアドレス入力欄「TO」「CC」「BCC」について取り上げます。新入社員の方々の中には「自分宛にccで届いた経験はあるけれど、自分からは使ったことがない」という人も多いかもしれません。

きちんと使い分けができないと、思わぬトラブルが発生するおそれも…!この機会にそれぞれの特徴や注意点を押さえておきましょう。ちなみにGメールなどほとんどのメールソフト・アプリ共通です。

「TO」「CC」「BCC」の使い方や対応方法について表にまとめました。

誰に送る時に使うのか 自分宛だった場合の対応
TO メールを受け取る主体となる人
いわゆる「宛先」となる人
必ず返信し対応する
CC 念のため見て欲しい相手
共有しておきたい上司など
返信は基本的に不要。内容は把握し、必要に応じて対応することも
BCC 念のため見て欲しいが他の受信者には内緒にしておきたい相手
複数の人に、お互いの名前やアドレスなどの個人情報を伏せて送りたい時にも使う
返信は不要。他の受信者には自分も見ていることが分からないので、
そのことをふまえた対応が求められる

TO:必ず見て欲しい人への「宛先」

宛先の「TO」は、「このメールはあなた宛のメールです」という意味です。

メールには必ず「誰に向かって書いているのか」という「宛先」があるはずです。TOはシンプルにその「宛先」を入れれば良いことになります。

TOに入れる宛先は1人のこともあれば、複数人のこともあります。例えば「ボーリング大会のお知らせ」などは大人数が宛先となっても問題ないでしょう。

ですが、仮にAさんに対応してもらいたい内容が含まれるメールを、Aさん・Bさん・Cさんの3人を宛先として送るとどうでしょう。受け取った方は、

Aさん→「Bさんがやるだろう」
Bさん→「Cさんがやるのでは?」

といった具合に、用件が誰に向けられているのか分からず混乱することも。こうした事態を避けるために役立つのが、次にご紹介するCCやBCCです。

CC:念のため配っておく「写し」

「CC」は、Carbon Copy (カーボンコピー)を略したもので「複写」「写し」です。

「あなたに宛てたメールというよりも、念の為配っておくメールです。」といったニュアンスとなります。例えば大事な取引先とのやり取りを上司にも共有しておきたい場合などに使います。

CCの具体的な入力方法は、先ほどのTO(宛先)と何ら変わりません。通常通りにメールアドレスを入力すればOK。1人でも複数人でも入力できます。CCで送られた側が閲覧できるメール内容にも違いはなく、TOに入っている人と同じようにメールを見ることができます

ちなみに、TOに宛先を指定せずCCのみ入力した場合でも、機能的にはメールを送ることは可能です。ですが、TOがないということは、宛先がないということ。CCで受信した側としても意味が分からず混乱してしまうかもしれませんので、なるべく避けた方がいいでしょう。

CCに入れたらメール本文の宛名にも明記しよう

CCに入力をしたら、先ほどの「本文宛名」の方にも明記するようにしましょう。本文宛名に書かれないまま、いつの間にかCCが入っていたりすると「誰かが私たちのやり取りを見ている!」とメールの相手に不信感を持たれてしまうケースもあるためです。

それに、メールアドレスだけだとそれが誰なのか、偉い人なのかも分かりづらいですよね。

<例>自分の上司をCCに入れた宛先例

人事課 山田リーダー
CC:経理課 熊谷課長

人事の山田リーダーとやり取りしているが、大切な案件なので上司の熊谷課長にも共有しておくといったケースですね。

<例>自社のチームメンバーをCCに入れた宛先例

○○株式会社
広報部
課長 山田太郎様

CC:弊社担当 鈴木

このように記載すると「鈴木さんは担当だから共有しているのだな」と分かりやすいですね。あるいはもっと分かりやすくするために、

(弊社のチームメンバー、鈴木をCCに入れております)

と文章にして記載するケースもあります。

BCC:CCではあるが他の受信者から見えない

「BCC」は、Blind Carbon Copy(ブラインド・カーボン・コピー)の略。CCと同じく「複写」「写し」の意味ですが、他の受信者から見えない(隠されている)のが特徴です。

例えばTOの宛先にAさん・Bさんがいたとして、BCCがCさんとしましょう。このときAさんが受信したメールを見ると、自分のほかにBさんも受信していることは分かります。ですがCさんが受信していることは分からないようになっているのです。

「…でもBCCってどんな時に使うの?」

BCCではアドレス情報を「隠す」ということになるため、むやみに使わず適切な使用が求められます。例えばクレームのお客様とやり取りしていて、こっそりお客様相談室の方にも共有しておきたい、といったケースで有効でしょう。

あるいは、自分のお客様全員に「セミナーのお知らせ」を送りたいとします。その時「TO」にお客様のアドレスを入力してしまうと、受け取った側では全員分の顧客情報(アドレス)が丸見えになってしまいますね。

これでは困りますので、お客様のアドレスはBCCに入れて、TOには自分のアドレスだけ入力しておくことで、情報漏えいを防ぐことができます。

複数人に送信する「CC」「BCC」の注意点 

「CC」や「BCC」を使いこなしていると、おのずとメール送信先の人数も多くなりがちです。ここでは、人数が多いからこそ気をつけたい「CC」「BCC」使用上の注意点について解説します。

メール一斉送信時のアドレスの順番について

メールの送信人数が多くなってくると、アドレスの順番をどうすべきか悩んでしまうかもしれません。結論を言うと、メール本文の宛名と連動してアドレスの順番も整えた方がベターです。

実際のところ、アドレスの順番を気にするかどうかは人それぞれ。メールの内容によって気にしたり、気にしなかったりとケースバイケースです。さまざまな価値観の人がいるビジネスシーンにおいては、相手の立場に立って失礼のないようにしておくのがビジネスマナーなのです。

具体的な順番としては、

・「社外」と「社内」がいる→「社外」が先
・役職が上の人が先
・役職順が分からないときは名前で五十音順
・メールアドレスのABC順という方法も


などの方法で並べてみましょう。特に難しいのは、社外の場合で2社以上に送らなければならないとき。たとえばA社はずっと前から取引があり、B社は新しく取引を始めたような場合なら、A社を先に記載して差し支えないでしょう。

しかし会社の順番をつけるのが難しいなら、(社名は五十音順)といった注釈を入れつつ五十音順に並べるのも1つの方法です。

「CC」「BCC」を使いすぎない

最近はCCやBCCで目を通さなければならないメールが増えている傾向があるようです。情報を適切に共有するのは良いことではありますが、あまり考えずに「とりあえずCCに入れておこう」というメールが多すぎてしまうのは考えもの。

たとえば上司が部下達のCCメールに目を通していたはずが、その数が多すぎたために重大なメールを流し読みしてしまった、なんてケースも起こり得ます。本当にシェアすべきメールなのかどうか、一度立ち止まって考えてみることも大切です。

「CC」「BCC」を間違えない

言うまでもないことですが、「CC」「BCC」を間違えて送信するうっかりミスにはくれぐれも注意したいところです。

特に「BCC」で送るべき相手を「CC」で送ってしまうと、送信先のメールアドレスがわかってしまいますので、くれぐれも間違えないようにしましょう。

「CC」つきメールの「そのまま返信」に注意

「CC」で受信した全員に返信してしまうケースがあります。

たとえば、見積り書などを間違えて送るべきではない相手に送信してしまうと、ライバル企業に機密情報が洩れる恐れがあります。

CCつきメールは安易にそのまま全員に返信するのでなく、改めて返信先を確認し、不要アドレスは外すようにしましょう。

まとめ

メール送信する際の正しい「宛先」の書き方、CCなどの使い方について解説してきました。「各位」の使い方は社会人経験が長くても意外と間違えやすい部分。一度テンプレート化しておいて、後はコピーして使うようにすると失敗を避けられるはずです。

また一斉送信時のルールについては、社内で独自ルールが敷かれていることが多いようです。初めて一斉送信するときは、先輩にルールを聞いてミスがないように慎重に操作しましょう。

文:マイナビ学生の窓口編集部


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