社会人になると人によって大きく分かれるのが「貯蓄」の仕方。長い社会人生活のうちで、お金を貯められる人と貯められない人で、金額に差が生まれてしまいます。結婚やマイホームの購入などといった、人生のビッグイベントに使う費用を無理なく捻出するためにも、資産形成には早い段階で気を配っていたいところですよね。
■銀行に預金するだけでは全然増えない!?
多くの人が、資産を築くために銀行に預金をします。しかし現在、銀行預金金利が非常に低い水準にあり、都市銀行の金利は軒並み「0.025%」といったもの。お金の増やし方を自分で考える時代が来ているのです。そんな時代に活用したいのが金融投資。できるだけ早い段階で投資の知識や仕組みを知っているのが有利ということで、今回は大学生の皆さんでもできる投資について、『フィデリティ退職・投資教育研究所』所長の野尻哲史さんにお話を伺いました。
■金融投資ってどんなものがある?
――投資対象についてはどのようなものがあるのでしょうか。
◯野尻所長
投資対象としては、日本株、外国株、外国債、投資信託などがあります。金融商品を見る際は「運用利益」に着目しましょう。買値と売値の差が「利益」となりますが、それぞれ日々変動し続ける不確定なものです。これが金融商品の特徴です。
――大学生のうちから投資を始めるとして、何に注意をしたらいいでしょうか?
◯野尻所長
まず投資の目的ですね。投資目的を考えた場合、大きく分けて二つの方向性があると思います。
1.ライフイベントに合わせた資産形成を行うための投資
2.投資そのものを楽しみたいという投資
この二つをごっちゃにしてはいけません。大学生の間に投資を始めることはできますが、そのどちらの目的のもと投資を行うのかで最適な投資手段、投資先は違うでしょう。
1の「ライフイベントに合わせた資産形成を行うための投資」は、「結婚」「家を購入」「出産」「子育て」などの目的に向けて計画性を持ち、長期投資(一般的に1年以上の期間をかけて行う投資法)、分散投資(投資対象を分散させる投資法)、積立投資(「投資信託」を毎月買って積み上げていく投資法)を行うのが良いでしょう。
上記の目的と投資法で行う場合は、ある程度のリスクを取る「ハイリスク・ハイリターン」を狙うのが向いていると思います。長期投資や分散投資などの投資法はリスクを分散させることができるので、一部の投資先に対して大きなリターンを見込んでミスをしたとしても、全体で見れば大きな損失ではないからです。ただ、価格は日々大きく上下しますので、長期投資の場合は「ある程度放っておく」という忍耐も必要とされます。
2の「投資そのものを楽しみたい」という場合では、「変動を予測すること」や「駆け引き」に面白さを見つけるという投資ですね。このタイプの投資を行いたいという人は、投資を行う上での基礎知識は全て得ていることが大前提でしょう。1の投資が「放っておける投資」なら2は「放っておけない投資」といってもいいかもしれません。
■知らなきゃ損!? 株によって得られるリターン
――どのくらいのリターンが得られるものなのでしょうか?
◯野尻所長
私はセミナーなどで「年利『3%』の運用が合格ライン」と申し上げています。その際に、「本当に3%も運用できるんですか?」という質問をよく受けます。そこで、指数ベースで20年くらい運用した実績をお見せしますと、「海外株」「国内株」「海外債券」「国内債券」の4資産分散投資の結果、過去20年間の平均は年率6%台で運用できています。これは指数ベースなので「手数料」「税金」が入っておらず、実際にはこれを差し引いて考える必要がありますが。そこで運用に係る手数料、いわゆる信託報酬を差し引いたベースで考えてみましょう。ファンドの検索サイトにいくと「基準価格ベース」での運用実績を見ることができます。基準価格ベースというのはこの信託報酬を引いた、ベースの価格のことです。
さて、運用年数15年以上のファンドを検索すると現在「400本以上」あります。そのうち直近10年の年率換算収益率でランキングを作りますと、一番良い実績のものは、年率15%弱あります。「年利3%以上の運用実績」を出しているものがどのくらいあるかというと、約400本の中に250本以上もあるのです。意外とあって、けっこうな投資実績があるのだということがわかっていただけると思います。
■投資先は就職先と同じように考えてみる
――では、実際に投資を始めるに当たって、どのように投資先を選んだら良いでしょうか?
◯野尻所長
学生の皆さんが投資を始める際にオススメなのが、投資先選びを就職先選びと同じように考えてみることです。就職活動では、自分が何業界に行きたいのか、どんなことに興味があるのかを考えるでしょう。同じように「自分の1万円」をどこに就職させたいか、というふうに考えるといいのではないでしょうか。それが企業の株式であるなら、どんな業界・業種がこれから伸びるのかという予測をして購入する、ということになりますね。
いかがだったでしょうか。お金の増やし方を自分で考えるこれからの時代、金融投資はうまく活用すればみなさんの将来を大きく変えてくれるものです。ぜひ、自由に使える時間が多い学生のうちに投資について学んでみてはどうでしょうか。
■フィデリティ投信株式会社
http://www.fidelity.co.jp/
文●高橋モータース@dcp
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