「A君、日程変更の件、○○社にちゃんと連絡してくれた? え、まだしてない? すぐにしといて。番号わからないって? もういいよ、俺がするから! B君、企画書進んでる? え、まだできてないって......。締切は今日だよ、どうするの? C君、何時だと思ってるんだ? 遅れるなら電話くらいしろよ!」
社会人になると、遅かれ早かれチームリーダーを務める機会が出てきます。部活やサークルなどでリーダー経験があるならまだしも、それすらない人はどう振る舞えばいいか不安に思うことでしょう。しかも、ビジネスの世界では、常に結果を求められます。先の例のような余裕のない人がリーダーでは、誰もついてきませんし、チームをうまくまとめることは難しいはずです。当然、結果を出すことも困難です。
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自分は仕事でリーダーorサポートどっちのタイプだと思う? 社会人の多数派は……
「あー、僕にもスティーブ・ジョブズみたいなカリスマ性があればなあ......」。
そんな風にないものねだりをしたくもなります。実際、企業においてチームリーダーの役割を担っている人たちがジョブズのようなカリスマ性を持っているかというと、それはほとんどないでしょう。それでも、たいていの人はちゃんとリーダーとしての役目を果たしています。
『リーダーシップのなかった僕がチームで結果を出すためにした44のこと』(実務教育出版)の著者、佐藤達郎氏は次のように語っています。
「私は広告代理店に在籍していた際、リーダーとしてクセモノぞろいのコピーライターやデザイナーがいるチームをまとめてきました。その結果、広告コンペで勝ち続け、世界3大広告賞(カンヌライオンズ、クリオ賞、One Show)までいただくことができましたが、私自身に部下を惹きつけるようなカリスマ性があったわけではありません。むしろ、なかったからこそ、リーダーシップを磨き上げたのです。それは、自らの考え方とスキル次第で後天的に身につけられるものなんです」
そんな佐藤さんが、リーダーになったら特に切り替えておいた方がいい3つの考え方を紹介しましょう。
(1)「自分がやった方が早い」は封印する
たいていの部下はキャリアが浅いので、リーダーと同じようには仕事ができません。「もっとこうすればいいのに、どうしてできないんだ!?」と歯がゆい思いをすることが多いでしょう。しかし、我慢できなくなって「もう、俺がやるから!」というのは最低です。それを繰り返していては、部下が育たない上に、自分は膨大な仕事量を抱えてしまうことになります。オーバーワークで潰れてしまうのは目に見えています。部下のモチベーションと育成のために、グッと堪えましょう。忍耐力もリーダーの大切なスキルなのです。
(2)チームの手柄が自分の手柄と考える
リーダーになった以上、「俺が、俺が」の感覚は捨てねばなりません。自分のことばかり考えていては、部下から「ジコチュー上司」の烙印を押されて見放されるのがオチです。では、どういうスタンスが正しいのでしょうか。次の3つを心掛けてください。
●仕事に関することは「うちのチーム」を主語に話すようにする。
●自分がチームの手柄のために貢献できる役割を特定する。
●チーム運営に工夫を凝らす。
俺のアイデア、俺の提案、俺の企画は捨てて、チームの手柄に集中しましょう。誰が考えようとも、クライアントにとっては同じこと。チームの評価がリーダーの評価なのです。
(3)常にポジティブな姿勢を意識する
ビジネスは苦難の連続。トラブルが付きものです。5人部下がいれば、トラブルも5倍になるようなものです。しかし、そこでリーダーがネガティブになっても状況は好転しません。リーダー自身が解決策を提示できればいいですが、せめて次の3点からポジティブな姿勢を意識して臨みましょう。
●悪者探しはとりあえず置いておく。
●トラブルからの最善策を探す。
●現状での「使える点」「有利な点」を見つける。
まずはリーダー自身が「絶対に何とかなる!」と信じ込むことで、チーム内にポジティブオーラを流し込むことが大切なのです。
このように、リーダーのふるまい次第で、部下、ひいてはチームのモチベーションやパフォーマンスは大きく変わっていきます。リーダーに才能はいりません。すべてはリーダー自身の「考え方」と「スキル」次第なのです。
文●編集部
『リーダーシップのなかった僕がチームで結果を出すためにした44のこと』
(佐藤達郎 著、実務教育出版 刊)
http://jitsumu.hondana.jp/book...
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