買い物中、閉店間際に突然「本日はご来店ありがとうございました」というアナウンスとともに流れ出すチャンチャーンチャチャという、お馴染みのあの音楽『蛍の光』。「もう帰らなくては!」と妙に焦って買い物どころではなくなってしまいますよね。ところで、なぜ『蛍の光』が閉店BGMとして定着したのでしょうか。調べてみました。
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■古くから「別れ」のイメージが定着
まず、『蛍の光』の歴史から紐解いてみましょう。『蛍の光』の原曲は『オールド・ラング・サイン』というスコットランド民謡。作曲者不詳の曲ですが、18世紀のスコットランドの詩人ロバート・バーンズが改作、英語圏で新年の祝いやセレモニーなどで歌われていました。
そして日本でも、古くから大日本帝国海軍の海軍兵学校などでの卒業式や、士官たちが離任する際に演奏されたことで「別れ」のイメージが定着。そして、1880年代初頭に編纂された「小学唱歌集」に稲垣千頴の作詞がつけられた『蛍の光』として掲載され、『仰げば尊し』とともに、卒業式での定番唱歌として広く歌われるようになったようです。別れの場面によく採用されたことで、「蛍の光=別れ」というイメージがすっかり定着したんですね。
■あれは「蛍の光」ではなかった
ここまでで、「『別れ』を想起させる音楽」ということから閉店BGMに採用されたという仮説が立ちそうですが、衝撃の事実が判明しました。どうやら閉店のときに流れているあの音楽は、実は『蛍の光』ではなく、『別れのワルツ』という曲らしいのです。
「同じメロディなのになんで?」という疑問が湧いてきますが、この『別れのワルツ』という曲、1949年に日本で公開されたアメリカ映画『哀愁』で、主演のヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーが『オールド・ラング・サイン』のメロディに乗ってダンスをするシーンが人気となったことがきっかけとなり、そのメロディをアレンジしてレコード化されたもの。ただ、当時楽曲の原盤がなかったため、コロムビアレコードが専属作曲家だった古関裕而に採譜と編曲を依頼。そして生まれたのが『別れのワルツ』なのです。
本来4拍子である『蛍の光』を3拍子のワルツ風に編曲した『別れのワルツ』という曲は、映画の人気とともに大ヒット。当時は「古関裕而」をもじったユージン・コスマン名義で販売されたため、日本では海外の演奏だと思われていたようです。ちなみにこの古関裕而という人物、今でも広く親しまれているさまざまな名曲を作曲。『阪神タイガースの歌(六甲おろし)』、早稲田大学第一応援歌『紺碧の空』、慶應義塾大学応援歌『我ぞ覇者』など、特に多くの応援歌、行進曲を手がけた伝説の人物です。
■店内用BGMとして配信されて広まった
映画の人気とともに大ヒットとなったこの『別れのワルツ』ですが、USENなどの有線ラジオ放送や業務用音楽配信サービスで配信されました。多くの公共施設や商業施設で流されるようになったことで、閉店時の定番ソングとして定着したようです。
聞き慣れたあの音楽に、こんな歴史と真実が隠されていたとは驚きですね。買い物中、閉店間際にあのメロディが流れてきたら、ぜひ「これは蛍の光じゃなくてさ......」と、ウンチクを披露してみてください。きっと感心されるはず。まあ実際はそんな余裕もなく、店を出なきゃという思いに駆られると思いますが......。
文●うすこ
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