ニュースなどで「脱法ハーブ」という単語を見ることが多くなりました。でも、この脱法ハーブってそもそも何なのでしょうか? 普通に暮らしているとお目にかからないので分かりませんよね。そこで、調べてみました。
まずは厚生労働省の監視指導・麻薬対策課にお話を伺いました。
■新しい有害な化学物質がどんどん出てくる
——脱法ハーブというのは何なのでしょうか?
脱法ハーブというのは、ハーブなどの乾燥させた自然草にさまざまな化学物質を混ぜたものです。それで快楽を得るために使われています。
薬事法で使用の禁じられていない、「指定薬物以外の化学物質」を混ぜ込んで法の網をくぐろうとするので「脱法ハーブ」と呼ぶわけです。禁止されている指定薬物を用いているものもありますが、それはもちろん違法です。
——指定薬物以外の化学物質というのは、そんなにたくさんあるのですか?
どんどん新しいものが出てくるので、それを見つけては禁止薬物のリストに加えています。正直イタチごっこです。平成25年10月21日現在の「指定薬物名称・構造一覧」という文書を公開していますが、その中には118の化学物質がリストアップされています。
⇒厚生省の「指定薬物一覧118物質」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/meisho.pdf
——えっ、118もあるのですか?
先ほども申し上げましたが、どんどん新しいものが出てくるのです。
——乾燥させたハーブに化学物質を混ぜ込んだものを、どのように使用するのですか?
タバコのようにして吸引するようです。体に良くありませんし、違法性も高いので、取り締まりは強化されています。従来は、製造、販売が違法でしたが、これからは(医療等の用途以外の目的での)指定薬物の所持、購入、譲り受け等も違法となります。
*......12月5日に参議院で可決。
■脱法ドラッグの検挙数は右肩上がり!
脱法ハーブを代表とする脱法ドラッグに関係して、検挙されている人が増えているとのことなので、警察庁に聞いてみました。
警察庁 薬物銃器対策課によれば、検挙数が増えているのは本当で、以下のような数字になっています。
●2008年
検挙事件数:1
検挙人数:1
●2009年
検挙事件数:8
検挙人数:11
●2010年
検挙事件数:6
検挙人数:10
●2011年
検挙事件数:5
検挙人数:6
●2012年
検挙事件数:76
検挙人数:112
2013年は集計が終わっていないので数字が出ていませんが、
●1-6月の検挙事件数:51、検挙人数:66
だそうです。
2012年は、
●1-6月の検挙事件数:16、検挙人数:25
なので、2013年は多かった昨年を上回る可能性が高いですね。
⇒警察庁の「平成25年上半期の薬物・銃器情勢(暫定値)」のデータ
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h25_1_yakujyuu_jousei.pdf
いかがだったでしょうか。バカな筆者などは、脱法ハーブと呼ばれるハーブの種類があるのだと思っていました。
化学物質を混ぜ込んで作ったドラッグだったのですね。
皆さんも、脱法ハーブなどに手を出さないように、十分に気を付けてください。
(高橋モータース@dcp)
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