STEP4:どんなことでも事前に段取る練習
■段取り上手は仕事上手
例えば、ブラザー工業の開発陣の話です。彼らはA3の紙をコピー、スキャン、プリントできる複合機を価格5万円台で作ろうと決めました。しかし、A4の複合機の開発といっしょに進めるため時間がありませんでした。
そこで、彼らはExcel(エクセル)を使い「誰が何日までにこの作業をする。結果を受け、誰が何日までにこの作業をする」という工程表を作りました。参加人数が多いため、壁一面に張り出すほどの大きさになったといいます。
事前に最後までシミュレーションし、いつ、何が必要になるか考える──遠足や旅行に行く時のタイムテーブル、持ち物一覧と同じです。開発者が言います。
「壁に貼りだしたのも、意味があることでした。作業を"見える化"して、開発陣全員に、誰がいつまでに何をやればいいかを把握してもらったんです」
■「準備万端」がカッコいい
1年目では、どんな場面で生きるのでしょうか?
広告代理店・電通のある営業が言います。
「例えば(クライアントに企画を提案する)プレゼンテーションの前に"こんな質問が来るのではないか?"と考え、想定問答集を作りました。いろいろなことを聞かれても、サッと答えられるだけでなく、資料も出せる。クライアントの上層部から信頼を勝ち得ることができたと思います」
ある出版社の編集担当は、こんな話をします。
「例えば電話をかけるような、細かい作業をする時も、必ずシミュレーションしましたよ。事前に"これとこれを聞く"、"これをお願いする"と考え、たくさんある時は紙に書き出していました。整理すると"これも聞いておくべき?"などと気付けるのもいいところです」
来年、みなさんがこなす仕事は慣れないことばかり。同じ仕事を何十回も繰り返せば準備すべきことが頭に入るかもしれませんが、1年目でそれはありません。
デートでも、アルバイトでも、卒業旅行でも、この練習はできます。そして、今のうちに「事前に段取る」クセを付けちゃいましょう!
そこで、今回の筋トレ!
「何かをやる時は、どんなことでも事前に頭の中で一度シミュレーションを!」
プロフィール
夏目幸明(なつめ・ゆきあき) 1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店『アサツーディ・ケイ』に入社し、その後、雑誌記者へ。現在、小学館『DIME』にヒット商開発秘話「UN・DON・COM.」を、講談社『週刊現代』の「社長の風景」を連載中。『資格の学校TAC』の『マスコミ・就活対策』の講師もつとめる。Wセミナー講師陣 twitterアカウント@natsumedayo facebookアカウント「夏目幸明」
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視点を変えれば、世の中は変わる。「Rethink PROJECT」がつたえたいこと。