企業はこれまで以上に「定着」を重視? 賃上げや教育投資から見える“働き方”の変化
マイナビは4月14日、「企業の雇用施策に関するレポート2026年版(2025年実績)」を発表した。調査は、中途採用を担当する企業の人事担当者1,500名を対象に実施されている。
今回の結果からは、企業の人材戦略が「新規人材の確保」から「定着」へと変化しつつある様子が見えてきた。
「人材の定着」が課題に
人材に関する課題について聞くと、「人材の定着」と答えた企業は50.9%。「新規人材の確保」(25.8%)を大きく上回った。
人手不足が続く中で、「採用して人材を増やすこと」だけでなく、「採用した人が辞めずに働き続けること」がより重要になっていると考えられる。
企業の人材課題は、「定着」「活用」「戦力化」へと広がつつあることがうかがえる。
賃上げは約8割、若手ほど上げ幅が大きい
2025年は、約8割の企業が賃上げを実施している。
一方で、4%以上の高い賃上げは20代が27.1%と最も多く、若手ほど割合が高い傾向が見られた。
賃上げは広く行われる一方で、その水準には差が出始めている。こうした違いについては、もともとの賃金水準や年功的な賃金体系の影響もあると考えられており、「賃上げをするかどうか」だけでなく、「どの層にどの程度引き上げるか」がポイントになりつつあるといえる。
教育投資は増加、企業規模で差も
教育に投資している企業は83.5%と、前年より増加した。平均投資額も増加しており、育成への関心は高まっている。一方で、企業規模による差も見られた。
特に大企業では投資額が高く、技術革新などを背景に、教育投資の重要性が高まっていることも指摘されている。こうした投資の差が、採用や定着の状況にも影響する可能性があると考えられる。
日本でも「同じ会社に留まる流れ」が進む?
「ビッグステイ」と呼ばれる、同じ会社に留まる人の賃金上昇率が転職者する労働者の賃金上昇率を上回る現象について、日本でも起こると考える企業は84.8%にのぼった。「3年以内に来ると思う」とした企業も52.0%と、半数を超えている。
背景としては、人手不足や日本独自の雇用慣行がある。
また、「同じ会社に長く勤めるほうが退職金なども含めて有利になる」といった見方や、企業側が離職を防ぐために在籍社員の給与を引き上げていく可能性があることなどが挙げられている。
こうした動きが進む場合、転職だけでなく、「今の会社で働き続けること」もキャリアの選択肢として位置づけられていく可能性がある。
成長しながら「残る」人材が求められる
今回の結果について、調査担当者のマイナビキャリアリサーチラボ 主任研究員 関根 貴広氏は、人手不足による採用難が続く中で、企業が「新規確保」よりも「定着・活用」に課題を感じている点を指摘している。
また、賃上げや教育投資には企業規模による差があり、こうした“手厚さの違い”が、今後の人材定着に影響する可能性があるとしている。
さらに、ビッグステイについても、日本でも起こる可能性があるとしつつ、「単にとどまるだけでなく、成長を伴う定着」が重要になるとコメントしている。
企業にとっては、採用だけでなく、育成や評価を含めた一体的な人材戦略が求められていくと考えられる。





















