これからを担う世代が考える「福島、その先の環境へ。」ツアー検討会議に潜入!

学生の窓口編集部

PR 提供:環境省
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83()、環境省が主催する福島県復興・再生プロジェクト「福島、その先の環境へ。」の一環である「福島、その先の環境へ。」ツアー検討会議が今年も開催されました。

会議には、「東日本大震災から13年たった福島の今と未来について知りたい!」と意欲を持った学生や社会人が参加。この日は10月に実施されるツアーで巡る場所をみんなで検討し、その内容について発表を行いました。

実際にどんな内容となったのか。会場に潜入してきました!

「福島、その先の環境へ。」ツアー申込はこちら!

環境省が取り組む「福島、その先の環境へ。」とは?

「福島、その先の環境へ。」は、東日本大震災から13年たった福島の環境再生と復興の今について発信するプロジェクト。イベント出展やシンポジウムの開催、動画での情報発信、福島の未来を創造するアイデアを公募するチャレンジ・アワードなど、さまざまな取り組みを行っています。

なかでも福島を実際に訪れ、「今」を体験できるのが「福島、その先の環境へ。」ツアーです。ツアーは2022年から毎年開催されており、その年のルートは事前に学生や社会人による会議で検討されます。今年も10月のツアー実施に向けて、学生と社会人が環境省に集まりました。

検討会議当日はまず、環境省から環境再生・資源循環局 特定廃棄物対策担当参事官室 (併)福島再生・未来志向プロジェクト推進室 参事官補佐・服部弘さんが登壇。福島の抱える課題や取り組みについて説明がありました。

服部さんによると、震災による福島県全体での避難者はピーク時で約16.5万人に上ったとのこと。現在もまだ多くの方が避難を余儀なくされている状況が続いています。

住人の方が避難せざるを得なくなった要因の一つは放射性物質による環境汚染です。環境省では環境再生事業を進めており、放射性物質が付着した宅地や農地の表土の削り取りや建物・道路の洗浄といった除染を実施。除染の結果、発生した除去土壌等は現在、大熊町と双葉町の中間貯蔵施設に保管されています。この除去土壌等の受け入れにあたっては「地元の皆様に大変重いご決断をいただいた」と服部さんは話します。

気になるのはこうした放射性物質が人体のどのような影響を及ぼすのかということ。この点について服部さんは、「日本人は国内のどこに生活していても年間平均2.1ミリシーベルトの被ばくをしている」と説明します。

というのも、自然環境にも放射線は存在しており、例えば東京とニューヨーク間を航空機で往復するだけでも0.110.16ミリシーベルトは被ばくするものです。また、CT検査やX線検査といった検査でも人工放射線によりある程度の被ばくは避けられません。ただそれらは人体に影響を与えるほどの量ではないのです。

さらに、世界の国々によっても空間線量は異なっており、日本はかなり低い方なのだとか。福島県については日本の中では空間線量がやや高くなっていますが、世界の主要都市に比べると実はさほど差がないということです。

では、どれくらい被ばくすると人体に影響が出るのか。服部さんによると、「短い時間で100ミリシーベルトを浴びるとがんになる確率が0.5%上がると言われている」とのこと。逆にいえばそれ以下の被ばく量では、喫煙や生活習慣などほかの要因との差がわからない程度なのだといいます。

今後については、まず中間貯蔵施設に貯蔵した除去土壌等を福島県外に運び出すこと、そして濃度の低い土壌については公共工事等で管理した上で再生利用していくことが方針として定められています。

一方で、こうした除去土壌の再生利用や県外最終処分に関する認知度や理解度は一般的にまだ高いとはいえず、今後も理解の醸成に向けた情報発信が必要なのだといいます。

また、環境省では2018年から「福島再生・未来志向プロジェクト」に着手。環境再生事業はもちろん、脱炭素や資源循環、自然共生等の環境施策においても福島の復興に貢献していくためにさまざまな取り組みを行っているそうです。

福島県紹介者による福島への想い

続いては福島県紹介者として、一般社団法人HAMADORI13代表理事・吉田学さん、公益財団法人福島県観光物産交流協会観光部ホープツーリズムサポートセンター所長・高橋良司さん、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構上級研究員・万福裕造さんらが登壇、挨拶を行いました。

 まず、吉田さんからは震災と原発事故当時の模様が語られました。当時、福島第一原発で働いていたという吉田さんは原子力の安定化や復興後のインフラ整備といった街づくりに携わってこられたそうです。

高橋さんは福島第一原発から約10km離れた富岡町在住。もともと16,000人いた人口は現在では2,400人まで減少しているといいます。高橋さんが所属するホープツーリズムサポートセンターの「ホープツーリズム」とは、アウシュヴィッツやチェルノブイリといった負の面が強い場所を観光する「ダークツーリズム」の反対からきています。「被災地ではあるけれど、ダークというネガティブな言葉を使いたくない」「光が見えるようにがんばっていく」という想いが込められているそうです。

万福さんはもともと農林水産省に勤務しており、震災後は農地除染を担当されていました。その後、飯舘村の役場職員を5年経験するなど、現地の状況を誰よりも知る人です。万福さんは会場の学生・社会人に向けて「除去土壌を自分の町に持ってくることに賛成できる人、反対の人、いろいろな考え方があると思います。説明を受けただけではまったくわからないでしょう。そのへんも勉強して福島に来ていただけると、もっと深く知っていただけると思います」とコメントされました。

ツアー検討会議で学生たちが考案した内容とは?

さて、いよいよ会議がスタートしました。検討会議は昨年も開催されており、その際に案として出されたツアーアイデアから実際のツアー企画が誕生。昨年のツアーには全国から162名が参加するなど大きな盛り上がりを見せました。

 今年も昨年と同じく、軸となるのは「環境再生」。そこに「地域・まちづくり」「福島の食」「新産業・新技術」というテーマを掛け合わせてツアーを考えます。大学生は各テーマ3班に分かれ、議論を進めていきました。

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必須となる訪問先は、中間貯蔵施設と東日本大震災・原子力災害伝承館、飯舘村長泥地区環境再生事業エリア(「地域・まちづくり」のみ)。これらの場所をツアーに組み込みながら、各テーマに沿った2泊3日のツアーを考案します。効率よく回れるような訪問ルートも考慮する必要があり、一筋縄ではいきません。

会議中は吉田さん、高橋さん、万福さんも各テーブルをまわり、学生たちの質問に答えたり、参考になりそうな情報を伝えたりされていました。

そして、約90分間に及ぶ検討会議の結果、ついに学生たちの考えたツアーが完成しました!

INDEX:

●「環境再生×地域・まちづくり」チーム
●「環境再生×福島の食」チーム
●「環境再生×新産業・新技術」チーム

●「環境再生×地域・まちづくり」チーム

ツアータイトル「福島の街、過去と未来をつなぐ架け橋」

行先候補はCafe&gallery「秋風舎」や、MARBLING,Inc.などを学生たちはチョイスしました。

ツアータイトルの通り、未来と過去をつなぐ復興に着目したルートです。例えばMARBLING,Inc.は昔の施設を活用している点、Cafe&gallery「秋風舎」は小さい地域で復興を行っている点が注目ポイントだそう。

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●「環境再生×福島の食」チーム

ツアータイトル「取って狩って絞って! 五感で味わうふくしま」

行先候補としては、木戸川漁業協同組合やワンダーファーム、酪農牧場・株式会社佐久間牧場などが選ばれました。

いわき市や海沿いの町、内陸の地域の牧場などをまわりながら、福島の食の魅力が味わえるツアーコースです。漁業体験やトマト狩りなど、体験型をメインとしたツアー内容で、参加者が自分の体で福島の今を味わえる内容になっていました。

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●「環境再生×新産業・新技術」チーム

ツアータイトル「Life Cycle Assessmentツアー。福島で新産業・新技術の本質を見抜く」

行先候補は、福島水素エネルギー研究フィールド、広野IGCCパワー合同会社、白ハト食品工業楢葉町甘藷貯蔵施設など。

福島県はエネルギー産業が盛んな場所であり、新産業や新技術も盛り上がりを見せています。学生たちが選んだ行先はいずれも環境に対する取り組みや技術で注目されていますが、実際にそれらを自分たちの目でみることで、「本当に環境に良いのか、という本質的な評価がしたい」と学生チームは語りました。

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「福島、その先の環境へ。」ツアー検討会議に参加してみて……

「福島、その先の環境へ。」ツアー検討会議に参加した学生は、どんな感想を持ったのでしょうか。学生からコメントいただいた中から抜粋して紹介いたします。

「福島、その先の環境へ。」ツアー検討会議に参加した感想は?

私と同じ立場の大学生や社会人の方々とともに実際のツアーについて、どうしたらツアー参加者が福島と共にする未来について五感を使いながら考えられるかを検討できたので、1人で福島について学んでいるときより、当事者意識を持って「これから」を考えることができました。

ツアー検討会議において行き先を吟味しながら決めることで、福島の現状や復興について、具体的なイメージを持つことに繋がりました。見学したい場所が沢山あって、絞るのがとても大変でした。福島県はエネルギー産業が盛んだということは初めて知ったので驚きました。

「2045年に除去土壌の県外最終処分を完了」とテレビで聞いたときはまだまだ先だと感じていましたが、実際は多くの問題が未解決のままとなっており、時間があまりないということがわかりました。世の中には、私のようにまだまだ先だと感じている人が多くいると思うので、どうすれば時間があまりない重要なことだと思ってもらえるようになるのかを私たちの世代が考えていかなければならないと強く感じました。

ツアーへの意気込みを教えてください。

震災から13年が経ち、記憶の器の中で埋もれてしまった方や知らない方がいるかもしれません。そうした方々に伝えていくためにも、自分自身が福島についてより知る必要があります。今回のツアーは環境再生×新産業・新技術の参加させていただくため、過去から現在までの道のりを学びつつ、未来にもフォーカスを当てながらお話を聞けたらいいなと思っています。学びを深めるためにも、自分の知識を蓄えてから今回のツアーに参加します!

「福島、その先の環境へ。」ツアーに参加するのは去年に引き続き2度目なので、約一年間で福島がどのように変わっているのかを見るのが楽しみです。前回のツアーで新しい産業や、興味深く画期的な技術が福島で発展しつつあることがとても良く分かりました。今回はそんな技術や産業も含めた福島の産業や地域に関わる人々が、どうやって再び福島を盛り上げてきたのか、そしてこれから先、どのような未来を思い描いているのかについてツアーを通して理解を深めていきたいと思っています。

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「福島、その先の環境へ。」ツアーに参加しよう!

環境再生と3つのテーマをもとに学生が考案したツアー内容は、どれも高い評価を受けていました。今回の案をもとに10月に実施される「福島、その先の環境へ。」ツアーの内容が決定します。

 今回の記事を読んで、「こんな取り組みがあったのを初めて知った!」という方や、「福島の今を実際に見てみたい!」と感じた方は、ぜひ10月の「福島、その先の環境へ。」ツアーに申し込んでみてはいかがでしょうか。

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