福島の「今」を知った私たちが、未来のためにできること。「福島、その先の環境へ。」 シンポジウム2024での活動報告に密着!

学生の窓口編集部

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2023年9月に実施された「『福島、その先の環境へ。』ツアー2023」から約半年。福島の今と未来について理解を深めた大学生たちが、活動の成果を「『福島、その先の環境へ。』 シンポジウム2024」で報告しました。

ツアー当日だけではなく、「次世代会議」での訪問先決めや、2024年2月に開催したワークショップの運営にも携わった大学生のコアメンバーたち。約9ヶ月間の活動を通して何を学び、福島の未来をどう考えるようになったのでしょうか。今回はそのシンポジウムの様子を紹介していきましょう。

次世代会議の様子についてはこちら

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023の様子についてはこちら

「『福島、その先の環境へ。』 シンポジウム2024」とは?

環境省が進めている「福島再生・未来志向プロジェクト」の一環として行われたシンポジウム。2024年3月10日(日)に、福島県のナショナルトレーニングセンターJヴィレッジで開催されました。 シンポジウムでは環境省が復興や環境再生の取り組みを紹介したほか、令和5年度に行われたプロジェクトの参加者たちが、活動報告やパネルディスカッションを実施。「いま、福島について伝えたいこと」をテーマに、意見を交わし合いました。

「『福島、その先の環境へ。』 シンポジウム2024」についてはこちら

福島の「今」はどうなっている?

まずは、開会のあいさつとして環境省環境大臣政務官の国定勇人さんが挨拶。

その後、環境省参事官の中野哲哉さんが福島県での環境再生に向けた取り組みをプレゼン。放射線が吸着した土を除去したこと、除去土壌は中間貯蔵施設に保管されており、2045年までに県外で最終処分するための実証事業を実施していることなどを説明しました。

しかし除去土壌の最終処分については、まだまだ全国的に認知度が低い様子。多くの方に福島に来て知って、それを周りの方にも伝えて欲しいと話ました。

さらにNewsPicks編集部の蓮池昌志さんが、SNSやメディアを活用した若い世代へ情報発信事例を紹介。福島をモデルに地方創生について考えたり、除去土壌について多様な専門家が意見を交わしたりしたトークセッションの活動報告も行いました。

若い世代にも知ってほしい! 大学生たちの活動報告

未来志向プロジェクトのひとつが、2023年9月1日(金)から3日(日)に行われた「『福島、その先の環境へ。』ツアー2023」。約160名の大学生や社会人が参加し、福島の現状や抱えている課題、魅力を学びました。今回のシンポジウムではツアーのコアメンバーである、大学生の島田夢さん、亀谷凪沙さんが活動報告を担当。2023年6月から携わった一連の活動を振り返りました。

まずは島田さんが、2023年6月10日(土)に実施された「次世代会議」を紹介。「福島の今と未来を伝えよう」をテーマに、3チームがツアーの内容を考えました。

「参加者が満足し、理解を深めてくれるような行き先を考えるのが難しかったです」と感想を述べた島田さん。会議の最後には、「地域・まちづくり」、「福島の食」、「新産業・新技術」にそれぞれ焦点を当てた3つのコースが完成しました。

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3日間行われたツアーの様子も紹介。島田さんは「『つくる』から『たべる』まで」をテーマにした「福島の食」コースに参加し、牧場やカフェなど食に関わるさまざまな施設を訪問しました。生産者の生の声を聞き、「リアルな福島」を学んだ大学生たち。島田さんも福島の食を支える人々の努力や、おいしい食べ物の数々に触れ、「福島の生産物をみなさんにも食べてほしい」と心から思えたと振り返りました。

『福島、その先の環境へ。』ツアー2023の様子についてはこちら

ツアーから学んだ福島の今と未来をより広めるため、若者に向けた取り組みが必要だと感じたコアメンバーたち。そこで2024年2月29日(木)に「福島の今と未来を考える!~環境再生への取組を正しく知ろう!『福島、その先の環境へ。』ワークショップ~」を実施しました。

 ワークショップでは、東日本大震災による放射線の被害や除去土壌の県外最終処分に関する講義のほか、福島で生産された農産物などの放射線量測定を体験するプログラムも用意。参加した大学生たちの意見交換会を冒頭と最後に実施し、福島へのイメージがどう変わったのかを共有し合いました。

ワークショップの内容を決める際、「ツアーで印象的だったことを中心に伝え、参加者たちに自分事としてとらえてもらうよう意識しました」と語った亀谷さん。その甲斐もあり、参加者へのアンケートでは94%がワークショップに参加して「満足」と回答したそうです。

「福島の現状を若い世代に正しく、そして関心を持ってもらえるように伝えるには、自分たちのような若い世代の視点も交えることが大事だと思いました」と報告を締めくくった亀谷さん。堂々とした発表に、会場中から拍手が送られました。

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きっかけはゆるくても、足を運んでみることが大事

その後もさまざまなプロジェクト参加者から活動報告が。

「『福島、その先の環境へ。』ツアー2023」の社会人コアメンバーは、震災や復興の状況には地域によって違いがあるためひとくくりにとらえられないことや、実際に現地で見聞きする体験の大切さなどを語りました。

環境省主催の「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード」受賞者は、シンポジウム直前に意見交換会を実施。要点をイラストや文字をつかったグラフィックレコードでわかりやすくまとめ、若者に福島へのポジティブなイメージを持ってもらうための方法を提案しました。

「きっかけはゆるくてイイ」と結論づけた受賞者たち。どんなきっかけでも福島に足を運べば印象が変化すると、自分たちの体験を踏まえて紹介しました。

YouTubeにて「大人の教養TV」を発信しているドントテルミー荒井さんは、コメント動画で「正しい情報と、偏りない意見を発信することが大切」と言及。メディアを使って情報発信をする人ならではの、実感のこもった活動報告となりました。

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「いま、福島について伝えたいこと」は?

シンポジウム後半では、パネルディスカッションを実施。タレントのIMALUさん、NPO法人あなたのいばしょ理事長の大空幸星さん、株式会社小高ワーカーズベース代表取締役の和田智行さん、環境省環境大臣政務官の国定勇人さん、環境省参事官の中野哲哉さんが登壇し、意見を交わしました。

「福島にあまり関心のない層にどう興味を持ってもらうか」、「そのためにはどのような取り組みが必要か」などの議論が白熱する一幕も。まずは正しい情報を発信し続けること、反響が少ないからといってすぐにやめるのではなくあきらめずに続けていくことが大切だと、認識を共有し合いました。

パネルディスカッションの最後には登壇者のほか、会場で聴講していた学生たちも「いま、福島について伝えたいこと」をテーマにフリップを記入。

そのなかで大学生のひとりは、「私たち→みんな みんな→国 国→世界」と書き、その理由を発表しました。

「私たちが福島について知ったことを、まずは友達や家族に発信し、その人が別の誰かに発信すれば、やがては国の意見になっていきます。国内から世界に発信すれば、今度は世界の意見になるかもしれません。このサイクルをくり返せば福島の未来を考える機会が増え、よりよい世界になっていくと思います」と述べた大学生。登壇者たちも頷きながら、その意見に耳を傾けていました。

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ほんの少しの興味でいい。「とりあえず始めてみる」が大事

シンポジウムでの発表を無事に終えた島田さんと亀谷さん。今回の感想などを伺いました。

――シンポジウムの感想をお聞かせください。

島田さん パネルディスカッションで「福島はスタートアップ企業などが活躍できるフロンティア」という話が出て印象的でした。震災で一度は更地になった場所もありますが、新たな活動を始めている人もいます。私も将来は福島でのスタートアップに携われたらいいな、と思いました。

亀谷さん パネルディスカッションで、「先進的な取り組みをしていても、それが人々に使われないと意味がない」という話がありました。私も自分が「こうしたい」と思うだけではなく、その活動がどのように人々に伝わってつながっていくのか、という未来を思い描きながら行動したいです。

――シンポジウムでの活動報告はいかがでしたか?

島田さん 緊張しましたね。

亀谷さん 会場の雰囲気がこれまで体感したことのないフォーマルなものだったので、慣れなくて大変でした。

――島田さんは発表の中で、「ツアーでは福島に暮らす人のリアルな声を聞けた」とおっしゃっていました。とくにどのような部分が印象的でしたか。

島田さん 実は福島に行く前は、政府が「福島は安全だ」と数値を出して広報していても、疑心暗鬼だったんです。しかし実際に福島を訪れ、漁協や酒造などで働く方々が、食の安全を守るために厳しい数値目標を達成して努力している姿を見聞きし、「本当に安全なんだ」と安心できました。

――亀谷さんは発表の中で、ワークショップの活動報告をされていました。ワークショップを実施して、どのような手ごたえや発見がありましたか。

亀谷さん ワークショップの最初と最後に参加者で意見交換をしたとき、新たな発見がありました。参加者のみなさんは福島に対してネガティブなイメージを持っているのでは、と私は思い込んでいて。ただ、実際には「食べ物がおいしい」、「東京から行きやすそう」など、前向きな見解が多かったです。私たちの世代は震災のニュースがぎりぎり記憶に残っています。だからこそ、ネガティブに感じている参加者があまりいないのかなとも思いました。

その一方で、福島の今の復興状況を知っている人は少なかったです。現状を把握してもらう機会として、ワークショップが役に立ったと思います。

――2023年6月に実施された次世代会議から今回のシンポジウムまで、約9ヶ月間福島について考え続けたお2人。初めて知ったことや、イメージが変わったことなどはありますか。

島田さん 率直に、知らないことがたくさんあるのだな、と気づきました。除去土壌の最終処分など、さまざまな内容を吸収できてよかったです。

亀谷さん これまで学んだ知識と、書物だけではわからない福島の現状を両方知ることで、ようやく腑に落ちた部分が多かったです。たとえば放射線も「数値としては大丈夫」と頭ではわかっていても、中間貯蔵施設に入るときに「防護服を着るのでは」という先入観がありました。でも実際は長袖長ズボンのような普段着とあまり変わらない服装で見学できて。これは現地に行かなければわかりませんでした。 

――来年度以降のツアーに興味を持っている人に向けて、メッセージをお願いします。

島田さん 参加のきっかけは、「気になる」というほんの少しの興味だけでいいです。参加してみると新たな知見が得られ、実際に見てみなければわからないことをたくさん知れます。気になったら応募していただけると嬉しいです。

亀谷さん 今回ツアーに参加したメンバーには、福島にルーツを持っている人はほとんどいません。「福島にあまり関係がないから」、「興味が少ししかないから」という理由で参加しないのはもったいないです。とりあえず知るところから始めてみよう、という気持ちでチャレンジしてほしいと思います。実際に行ってみると福島の魅力を感じてもらえるはずです。

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ツアーの次の参加者はあなたかも? 福島の課題と未来を考えよう

シンポジウム後の控え室でも、コアメンバーの議論は白熱。「福島に興味のある人だけでなく、無関心層にアプローチするのが大事」、「最初は強制参加でもいいから、きっかけを作らないと」など、未来に向けてやるべきことを考えていました。

コアメンバーのみなさん

 震災から13年たった今も、福島の復興と環境再生のための取り組みは続いています。少し調べてみるだけでも、福島に対するあなたのイメージが変わるかもしれません。「もっと知りたい!」、「現地を訪れたい!」と思ったら、ぜひ次回のツアーへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。

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