初志貫徹ってどう使う？ 意味と使い方を例文つきで解説！

「初志貫徹」とは、初めに心に決めたことを最後まで貫き通すこと。ゆるぎない姿勢を表現する立派な言葉です。座右の銘とされたり、新しく物事をスタートさせる際の所信表明でも使われたりしますね。

今回は「初志貫徹」の詳しい意味を掘り下げながら、類義語や対義語、例文などを紹介します。意味や使い方を確実に把握して、ビジネスシーンや日常生活で活用しましょう。

初志貫徹とは？

「初志貫徹」という四字熟語には、どんな意味があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

「初志貫徹」の意味は？

「初志貫徹」は、「しょしかんてつ」と読みます。辞書で引くと、次のように書かれています。

「初志貫徹」の由来・語源は？

「初志貫徹」という四字熟語は、「初志」と「貫徹」の２語に分けることができます。

「初志」とは、初めに持っていた志、夢や願望。「貫徹」とは、貫き通すこと。合わせると、 初めに持っていた志、夢、願望などを最後まで貫き通す という意味になります。

「初志貫徹」が持つ印象、使う上での注意点

「初志貫徹」は、初めに抱いた志や思いを最後まで貫く 強い意志やぶれない芯を感じさせる言葉 です。さまざまな物事をあきらめずやり抜くことができれば、人生は実に有意義です。プラスの印象を持つ言葉を使うと、前向きな気持ちになりますね。

ひとつだけ気をつけたいのは 「初志」と「初心」を混同しないように ということです。「初心に返る」という言葉があるように、確かに「初心」には「初志」と同じく「何かをしようと最初に思い立った時の気持ち」という意味があります。

しかし、「初心貫徹」という四字熟語は存在しません。「初志」と「初心」を取り違えないように注意しましょう。

初志貫徹のビジネスでの使い方・例文

「初志貫徹」は、実際の場面でどのように使えるでしょうか。主な場面での例文を挙げながら、詳しく説明します。

１） 面接での使い方・例文

就活や転職などで面接に臨む際に、座右の銘や長所、大切にしている姿勢を問われることがあります。過去に達成した初志も共に答えると説得力が増し、自己PRに役立つでしょう。

２） スピーチや決意表明での使い方・例文

志を最後まで貫く姿は、賞賛に値します。自己アピールとして使うだけでなく、周囲の人を讃える際にも使うことができるでしょう。例えば、祝賀会や結婚式などに招かれた際の祝辞にもぴったりです。次のように、動詞として使うことができます。

３） ビジネスにおける日常的な使い方・例文

「初志貫徹」は、チームをまとめたい時にも使える言葉です。自身の決意表明だけでなく、プロジェクトなど物事がスタートする時に使うと、皆の気持ちをひとつにできるでしょう。

初志貫徹の類語

初志貫徹と似たような意味を持つ四字熟語を、意味や違いも含めて以下に紹介します。ニュアンスを把握し、言い換えたい時に活用してみましょう。

１） 終始一貫

読みは「しゅうしいっかん」。態度や言動が、初めから終わりまで変わらないさま。主義主張や方針を変えようとしないことを意味する言葉です。

「初志貫徹」が人物を主語にして「彼は初志貫徹した」と使えるのに対し、「彼は終始一貫した」と使うことはできません。態度や言動について表す言葉なので、「彼の主張は終始一貫している」や、「終始一貫した態度」のような使い方が一般的です。

２）首尾一貫

読みは「しゅびいっかん」。初めから終わりまで態度が変わらないこと。主義主張を貫き、矛盾がないことを意味する言葉です。「終始一貫」と同じく、動詞としては使えません。

３）徹頭徹尾

読みは「てっとうてつび」。「徹」は「貫く」という意味です。頭から尾まで突き通すように、ひとつのことを最初から最後まで貫くさま。上述の２つと同じく、動詞としては使えません。

初志貫徹の対義語

初志貫徹と反対の意味を持つ四字熟語にはどのようなものがあるでしょうか。詳しい意味や違いも含めて、説明します。

１）臨機応変

読みは「りんきおうへん」。なりゆきに応じて、適切な手段を取ることを意味します。

２） 融通無碍

読みは「ゆうずうむげ／ゆずうむげ」。何事にもとらわれずのびのびしていること。状況に応じて処理や解決を行うことを意味します。

３）朝令暮改

読みは「ちょうれいぼかい」。 朝出した命令が夜には改められるように政策や指示がころころ変わること。ネガティブな意味で使われます。

まとめ

今回は、座右の銘とされることの多い「初志貫徹」を取り上げました。よく、成功者のインタビューなどで、挫折しそうになっても創業当時の志を思い出して、最後まで貫いたという逸話を目にします。

仕事や人生で困難や障害は、つきものです。「初志貫徹」は、そんな壁にぶつかった時、諦めずにやり抜くことの大切さを教えてくれる言葉だといえるでしょう。

（前田めぐる）

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【著者】前田めぐる（文章術講師）

コピーライターとして「言葉と文章」に関わり続けてきた経験をもとに、企業・自治体・団体向け広報講座の講師を務める。ワークを取り入れた文章術研修では‘伝える’を‘伝わる’に変換する文章の書き方を伝授。「楽しくて分かりやすく、すぐ実務に活かせる」と定評がある。

執筆・ライティングの専門領域は、【言葉・敬語・文章術・マーケティング・リスクコミュニケーション】。公益社団法人日本広報協会広報アドバイザー、文章術講師。著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか？』など。京都在住。