ビジネスメールに対して不安に思っている新社会人も多いかもしれません。後になってから失敗しないためにも、新社会人のうちにビジネスメールの最低限必要な注意点や構成を覚えておくことをお勧めします。
基本のポイントさえおさえてビジネスメールの作成や送信をすれば、やがて自分なりのスタイルも確立できます。今回は、覚えておきたいビジネスメールの注意点や構成について紹介します。
ビジネスメールには基本の「型」ともいえる7つの要素があります。この7つの要素で文章を構成すれば誰が読んでも分かりやすく常識的なメールになります。順に7つの内容と注意点を紹介します。
企業に所属している人の場合は、会社名と部署名、そして相手の名前を書きます。名前はフルネームがよいでしょう。敬称の「様」を忘れずに記入します。
一般的には「お世話になっております」ですが、「いつも大変お世話になっております」とさらに丁寧な挨拶を身につけておくとよいでしょう。
企業に所属している場合は、会社名と部署名、名前を書きます。初めて送る場合は「~をしております、○○と申します」のような、簡単な自己紹介を付け加えるとよいでしょう。
本題に入る前に、何のためにメールを送ったのかという主旨を簡潔に伝えます。
相手に何を伝えたいのかを明確に、簡潔で分かりやすい文章にします。日時や期日など必要な情報をもれなく伝えます。
「今後ともよろしくお願いいたします」「ご検討の程、よろしくお願いいたします」など、メールの内容に合わせて表記します。メールの返事が必要な場合は「ご返信をお待ちしております」など一言添えます。
最後は署名で終わります。内容は会社名・部署名、名前、住所、電話番号、メールアドレスを記載します。使用するメールソフトで事前に作成したフォームを挿入することが多いです。
学生時代のプライベートメールと違い、ビジネスシーンで送信するメールの文章では、相手に自分の真意を正確に伝えることが重要です。ここでは、最低限おさえておきたい文章の書き方のポイントを紹介します。
声や表情を読み取れないメールでは、書いた当人にそんなつもりはなくても、怒っているように感じられたり、冷たい印象を与えたりすることがあるので、送る前に受け手の気持ちになることが重要。さらに、メールの場合は説明不足になりがちなので「これくらい伝わるだろう」ではなく、説明を受ける側に立って丁寧に言葉を選びましょう。
前述のようなメールの性質を踏まえ、用件の前に挿入して表現をやわらかくする、いわゆる「クッション言葉」(例:恐れいりますが〜等)を活用することをお勧めします。相手にお願いする場合も、「〜してください」ではなく、「〜をお願いできますでしょうか」など、疑問形で依頼する表現の方が相手にやわらかく伝わります。一方的な押しつけにならないような表現を心掛けたいものです。
でき上がった文章を読み直すことで、意味が伝わりにくい表現や文章が見つかることが多々あります。最後には必ず読み返し、伝わる内容になっているかどうかチェックしましょう。見直す際には、以下のチェック項目に気をつけてみてください。
署名欄に会社の電話番号や住所を記載することで、受け手側がコンタクトをとろうと思ったときにメールを開けばすぐに確認することができます。前述した署名フォームがきちんと挿入されているか確認します。
簡単すぎず、長すぎず、メール文として違和感のない分量で収めましょう。また、複数の用件をひとつのメールに詰め込みすぎると、長くなるだけでなく相手が内容を見落とす原因になります。
手軽さから、安易にメールという手段をとっていないかどうかを見直してください。お詫びや交渉などの内容ならば、メールは不向きです。
「相手側の視点に立つ」、「迷惑をかけない」、「失礼なことをしない」。この3つは会話、メールなどすべてのコミュニケーションの基本として共通しています。以下、間違いだらけのビジネスメールと、間違った箇所の修正内容を紹介しますので参考にしてみてください。
□□商事
△△部長殿(※1)
お疲れ様です。(※2)●●営業課の山田です。
先日はお忙しいところ、お時間をくださり(※3)ありがとうございました。
弊社のビジネスプランをご説明させていただきましたが、おわかりいただけたでしょうか?(※4)
貴社とは良好な関係を築いていきたく思っているので(※5)、ご不明な点などございましたら、ご相談ください。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社◯◯
営業課 山田(※6)
※1
×【□□商事 △△部長殿】→ ○【□□商事 部長 △△様】
組織・役職を先に書き、名前+様で送るのが確実です。殿・様のつけ方の慣習は組織によって異なる場合があります。
※2
×【お疲れ様です】→ ○【お世話になっております】
社外の方への挨拶は、「いつも大変お世話になっております」等のあらたまった表現で統一しましょう。
※3
×【お時間をくださり】→ ○【お時間をいただき】
「お時間をいただき」が適当です。商談のように、こちらからからお願いしていることについては、「いただく」という表現が自然です。
※4
×【おわかりいただけたでしょうか】→ ○【ご不明な点はございませんでしょうか?】
「理解できたかどうかの確認」は相手によっては失礼ととられてしまいます。こちら側の説明に不足はなかったかを伺う表現にします。
※5
×【思っているので】→ ○【存じます】
「思う」を謙譲表現にして、先方への敬意を文章で表現しましょう。
※6
×【株式会社◯◯ 営業課 山田】→ ○【電話、住所、メールアドレスなどを追加】
「社名・所属・名前」だけでは情報が不足しています。相手がいつでも電話できるよう「電話・住所・メールアドレス」等を記載し、自身の所属部署は省略せず、名前はフルネームで書くことを原則とします。
ビジネスメールは気軽にやり取りできる反面、紙の文書と同様に文字として形に残るというリスクもあります。送付先を間違えてしまったら多くの人に迷惑をかけてしまうことにも。メールでのコミュニケーションをプライベートの延長線上として考えるのではなく、オフィシャルなものであるとしっかり意識して使う必要があります。
コミュニケーションツールのひとつとして、さまざまな場面で活用されている「メール」。公私混同せず、しっかりマナーを守るように気をつけなければいけません。
(マイナビ学生の窓口編集部)
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