確定拠出年金の運用に際して「配分変更」と「スイッチング」という手法について解説していきます。確定拠出年金の運用は加入者本人が行うため、これらの方法で運用商品を変更したりその割合を変更したりする必要があります。
(監修協力:野原 亮)
確定拠出年金では、最初にどの運用商品をどの程度購入するかを決めます。しかし、1つしか選べないわけではありませんし、時間が経って運用の状況が変化することもありますので、運用商品を変更することも可能です。
例えば、年齢や環境の変化による運用方針の見直しや、運用の実績によって保有している資産のバランスが変化することによる見直しなどが考えられます。確定拠出年金は運用が自己責任ですから、運用商品の変更も自分で検討し、手続きも自分で行わなければなりません。
そこで「配分変更」と「スイッチング」という2つの手段がとても有効になります。
配分変更とは、毎月の掛金で購入する運用商品の種類や、その配分割合を変更することです。年齢や環境の変化によってハイリスク・ハイリターンの運用からローリスク・ローリターンの運用に変更したり、あるいはその逆へと変更する場合に用います。
例えば、これまで以下のような配分で運用商品を購入していたとしましょう。
これを以下のように変更することを配分変更といいます。
月額の「掛金全体」について変更します。これまで積み立ててきた資産の割合は変更されません。つまり、これから購入する運用商品の割合を変更するのが「配分変更」です。
購入する運用商品の割合を変更する「配分変更」に対して、これまで積み立ててきた資産の割合を変更するのが「スイッチング」です。例えば、商品Aの一部を売却して商品Cを購入する、といった手続きを行うことを指します。この場合、商品Aを売却した分だけ商品Cを購入しますので、全体としての資産残高は変わりません。
スイッチングをする目的は「利益の確保」「リバランス」の2つです。
確定拠出年金では、原則として60歳になるまで現金として給付を受けることができません。そのため、運用益がプラスになったとき、その利益に相当する分を売却して元本確保型商品を購入しておけば、生じた利益を確保することができます。
特に60歳が近づいてきた時などに、将来もらえる年金額を意識しながら、部分的に確定させておくことも可能になります。
運用を続けていくと、それぞれの商品の運用成績によって、掛金の配分割合と資産残高の配分割合が異なってきます。
例えば株価が下がって、ある商品の資産残高全体に占める割合が減ってきた場合、スイッチングをして資産残高の配分割合を元に戻しておけば、その後株価が上昇したときに大きなリターンが得られる可能性があります。
上記のように、確定拠出年金の運用では定期的な運用内容の見直しが有効となります。具体的には、以下のようなタイミングで見直しを行うのがおすすめです。
運用状況については自分で見直さなくてはなりませんが、短期的な値動きで頻繁に運用商品を変更するのは良くありません。
基本的には年に1回の見直しを目安として、長期・継続投資であることを意識した運用を行いましょう。そのまま放置していると、運用開始当初の資金計画に届かなくなる可能性が高まってしまうこともあります。
確定拠出年金は、個人型でも企業型でも運用は加入者自身が行います。そこで、配分変更とスイッチングによって運用商品や掛金の割合の変更を検討することが必要です。年に1回を目安に運用状況をチェックしましょう。
(学生の窓口編集部)
監修協力:野原 亮(のはら りょう)
確定拠出年金創造機構 代表。証券営業、株式ディーラー、営業マーケティング会社を経てFPとして独立。中小企業の確定拠出年金を中心とした福利厚生の社外担当として活動。上場企業等の金融研修なども担当している。
https://fpsdn.net/fp/rnohara/
2024/09/08
2024/08/07
600年の時を超えて伝わる “人生と仕事に役立つ” 室町時代の能楽師「世阿弥」の知恵とは?#Z世代pickフレッシャーズ
2024/07/25
2024/07/18
2024/07/11
忙しい新社会人にぴったり! 「朝リフレア」をはじめよう。しっかりニオイケアして24時間快適。
【診断】セルフプロデュース力を鍛える! “ジブン観”診断
いつでもわたしは前を向く。「女の子の日」を前向きに♪社会人エリ・大学生リカの物語
あなたの“なりたい”社会人像は? お仕事バッグ選びから始める新生活
社会人デビューもこれで完璧! 印象アップのセルフプロデュース術
視点を変えれば、世の中は変わる。「Rethink PROJECT」がつたえたいこと。
かわいい×機能性がつまったSamantha Thavasa Petit Choiceのフレッシャーズ小物を紹介! 働く女性のリアルボイスを集めて開発された裏側をレポート
実はがんばりすぎ?新社会人『お疲れ度』診断
ウワサの真実がここにある!? クレジットカードの都市伝説