固定資産売却益とは、土地や建物などの固定資産を売却した際に得ることができる収益のことをいいます。今回はそんな固定資産売却益の定義や意味、固定資産売却益に含まれる主な内容や仕訳について解説します。
【監修協力:資格の大原(社会人講座)】
固定資産売却益とは、所有している土地や建物、車両や機械などの固定資産を売却する際に、売却価額が帳簿に記録された帳簿価額(取得原価)を上回った場合の差額として発生する売却収益のことをいいます。
固定資産売却益として計上するときの固定資産は「有形固定資産」が対象となるため、その他の無形固定資産や投資目的の有価証券などは含まれません。
固定資産売却益は企業会計において特別利益として計上され、管理されます。仮に固定資産を売却した際の売却価額が帳簿価額よりも下回って損失が出た場合、「固定資産売却損」として計上されます。
有形固定資産とは、名前の通り「形があって目に見える資産」であり、土地・建物・機械設備・船舶・車両・工具備品・建設仮勘定などが主に挙げられます。
例えば、企業が営業活動などで長期間にわたって使用するために車を所有している場合、車は有形固定資産となります。
しかし、仮に有形固定資産であっても1年以内に消耗する資産は有形固定資産には含められません。
固定資産売却益の仕訳ですが、売却した固定資産の帳簿価額を減額し、売却代金として受け取った現金や預金などを増加させるのが一般的な方法となります。
例えば、会社の営業用に使用していた車の購入価額が200万円で、減価償却累計額が120万円、最終的に105万円で車を売却して普通預金に振り込まれた場合は以下のようになります。
(借方)普通預金105万円 | |
(借方)減価償却累計額120万円 | |
(貸方)車両運搬具200万円 | |
(貸方)固定資産売却益25万円 |
ここでは、購入価格200万円から減価償却累計額120万円を引いた帳簿価額80万円の車を105万円で売却しているため、「105万円-80万円」で差額25万円を固定資産売却益として処理することができます。
車や機械などの固定資産は、使用期間とともに価値が減少していくため、固定資産は購入時から減価償却をする必要があることを覚えておきましょう。
固定資産売却益とは、土地・建物・車両・機械などの固定資産を、帳簿価額を上回る価額で売却した際に発生する収益のことをいいます。固定資産売却益を算定するにあたっては、建物などの減価償却を必要とする資産について減価償却の計算を正確に行う必要があります。
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